オムニチャネル戦略の課題は「サービスレベルの統一」「在庫連携」など、NTTデータ経営研究所
NTTデータ経営研究所は9月4日、「企業におけるオム二データ・オム二チャネル戦略に関する動向調査」の結果を公表し、オムニチャネル戦略に取り組む多くの企業で「販売チャネルによって商品サービス情報の提供内容などサービスレベルがバラバラ」「販売チャネルごとの商品在庫連携ができていない」といった課題を抱えている状況が分かった。アンケートに回答した50%以上の企業が社内に必要な組織を設置しているものの、オムニチャネルを進める上で多くの課題を抱えている実態が浮き彫りとなっている。
アンケートには小売りや通信・IT関連サービスなどに携わる担当者が答え、1006人から回答を得た。
オムニデータ・オムニチャネル戦略に関する課題(自社もしくは自社企業グループ横断における顧客対応プロセス上の課題)では、5割弱の企業で「販売チャネルによって商品サービス情報提供内容などサービスレベルがバラバラである」という課題を認識。各販売チャネルを横断した商品サービス情報内容の整合性を課題に挙げている。
販売チャンルごとの商品在庫管理も課題。4割強の企業で「販売チャネルごとの商品在庫管理となっており、販売チャネル横断での統合した在庫管理ができていない」という課題を認識。各販売チャネル横断での統合した在庫管理の必要性が浮き彫りになった。
4割強の企業で「顧客情報を顧客接点ごとで閉じた形でしか把握しておらず、顧客接点によって提供される顧客コミュニケーションやサポートの整合性が十分にとれない」と回答。各販売チャネルを横断して顧客情報を共有することが必要といった課題もある。
オムニデータ・オムニチャネル戦略についての取り組み体制については、5割弱の企業で「オムニデータ・オムニチャネル戦略に関する経営トップ層による指示」が出ており、多くの企業でオムニデータ・オムニチャネル戦略の推進が進んでいる。
一方、「経営トップ層から指示がでていないが、検討中・検討予定」とした回答率は自社単独で19.3%、自社企業グループ横断で20.2%。オムニチャネルを進める上で、経営トップ層と現場レベルの意識の乖離(かいり)が浮き彫りとなった。
各種のマーケティング・営業・販売組織を横断的に統括する組織体制については、5割強の企業で「各種のマーケティング・営業・販売組織を横断的に統括する組織の設置」を実施しており、多くの企業でオムニデータ・オムニチャネル戦略推進の基盤整備が進んでいる。
ただ、「できておらず、検討中・検討予定」とした回答率は自社単独で22.4%、自社企業グループ横断で19.6%。マーケティングや営業、販売組織を横断的に統括する組織の設置に関する課題感が強い。
今回の調査概要は以下の通り。
- 調査対象:NTTコム リサーチ クローズド調査(消費者)
- 調査方法:非公開型インターネットアンケート
- 調査期間:2014年7月14日~2014年7月15日
- 総回答数:1006