ファーストリテイリング、物流倉庫の自動化に向けてダイフクと協業
カジュアルウェア「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングは10月9日、グループの物流を強化するため、マテリアルハンドリング大手のダイフクとパートナーシップ合意書を締結したと発表した。
自動化設備や物流システムの開発に共同で取り組む。ファーストリテイリングの国内外における倉庫内業務の自動化をめざす。
マテリアルハンドリング(略称マテハン)とは、生産拠点や倉庫などにおける物資の移動や保管といった業務や、それに関わるソフトウェア・ハードウェアなどを指す。ダイフクはマテハンに関わる機器の製造やシステム開発などを手掛けており、マテハンメーカーとして世界トップクラスの売上規模を持つ。
2社はファーストリテイリングの有明倉庫の自動化などを通じてパートナー関係を深めてきた。今後、次の4つの取り組みを進める。
最新鋭の自動化設備の導入
ファーストリテイリンググループのブランドの国内外における倉庫の自動化に向け、世界最新鋭の自動化設備を開発・構築する
特別チームの編成
ファーストリテイリンググループのブランドの国内外における倉庫自動化の計画、実行およびメンテナンスに対応するため、両社から特別チームを編成し、より良い物流環境の構築を目指す。
一気通貫した自動化設備導入の推進
自動化設備の導入にあたり、設計や機器、資材、専門的人材の調達、建設、試運転を含む全過程における業務を一貫して推進し、最短での自動化設備導入をめざす。
物流システム開発の協働
自動化設備の生産性の最大化にむけて、従来の考え方にとらわれない新しい物流システムと、そのために必要なシステムの開発を計画・実行する。
ファストリは物流改革を推進
ファーストリテイリングは2016年からグループ全体で物流改革に取り組んできた。人海戦術による物流から脱却し、最先端技術を活用した倉庫の省人化を推進している。
ダイフクとの協働で商品の積み下ろしや検品の自動化設備を導入したほか、ピッキング作業の単純化や入出庫の高速化、配送仕分けの迅速化などを実現。配送箱を自動で大量に作成する自動製函機や、配送箱の容量を自動で最適化する自動封函機などを導入した。
こうした取り組みにより、入庫生産性80倍、出庫生産性19倍、保管効率3倍、省人化率90%といった成果が出ているという。今後、全世界の拠点で倉庫の自動化を進めるとしている。