重くのしかかる物流コストの増加……家具ECのベガコーポは増収も配送費上昇で営業赤字
家具のECサイト「LOWYA」を展開するベガコーポレーションの2019年3月期決算は、売上高は前期比2.7%増の133億2200万円と増収だった一方、物流コストの増加などに伴い営業損益は2億9600万円の赤字だった。
スマホのAR技術を活用した家具の配置シミュレーション機能などをリリースし、旗艦店(自社ECサイト)を中心に売上高を伸ばした。ただ、配送会社による運賃の値上げで配送コストが上昇したほか、一部の配送会社が大型商材から撤退したことで物流ネットワークの再構築を迫られたことなどから、機会損失や収益悪化を招いたという。
2019年3月期は「LOWYA旗艦店」のブランディングやページ強化に取り組んだ。購入前の顧客の不安を解消するため、一部の商品ページに「3Dで試し置き」のボタンを実装し、スマホの画面上で家具の設置シミュレーションを行えるようにした。「3Dで試し置き」の対象商品は2019年4月18日時点で863品目。
2019年1~3月期(第4四半期)における販路別の売上高の増減率を見ると、旗艦店は前年同期比27.4%増で、他の販路よりも大幅に伸びている。売上高が最も大きい楽天市場店が同10.9%減、Amazon店は同14.5%増、Yahoo!ショッピング店は同2.9%増だった。
2019年1-3月期におけるLOWYA事業の売上高に占める旗艦店の割合は24.5%で、2018年1~3月期の19.4%から約5ポイント上昇した。
物流費の上昇に伴い利益率が悪化
配送会社による値上げにより、2019年3月期における売上高に対する荷造配送費率は、前の期の13.3%~14.8%から16.3~17.6%に上昇した。2018年10~12月期(第3四半期)には、配送会社が大型商材から撤退したことでキャリア変更も実施した。
また、配送費の上昇を受け、在庫の保管地を変更したことで保管費用が増加。コスト上昇分を価格転嫁したこともあり、売上高は計画に届かなかった。
利益改善に向けた今後の取り組み
2020年3月期は利益改善のために4つの施策に取り組み、事業拡大の足場固めを行う。
保管費の削減
- 倉庫管理システムの導入
- 在庫量の適正化
- 保管効率向上のための設備導入検討
配送費の抑制
- 在庫の適正配置
- 梱包サイズの見直し
原価率の改善
- 商品入替による原価低減
- サプライヤーの選択と集中
商品構成の見直し
- コスト構造に合わせた新商品および新ジャンルの投下