石居 岳 2020/9/18 9:00

カタログ通販大手の千趣会は9月16日、東日本旅客鉄道(JR東日本)と資本業務提携を締結した。

千趣会は第三者割当増資による普通株式571万4200株を処分し、JR東日本が約20億円で引き受ける。JR東日本は千趣会の発行済株式総数の10.98%、議決権比率で12.46%を保有する筆頭株主となる。払い込み期日は10月12日の予定。

千趣会は通販事業のデジタル化や新型コロナウイルスの感染拡大による不透明感など、経営環境が変化している中、自社にない経営資源を持ったパートナーと提携することで、従来とは異なるアプローチによる取り組みが必要だと判断した。

業務提携では双方のEC事業を強化するほか、JR東日本が運営するECモール「JRE MALL」向けの商品を共同で開発。ポイントの相互利用やノウハウの共有など、両社の売上高と会員拡大を図る。

業務提携内容は、

  • JR東日本が運営するECモール「JRE MALL」への千趣会の出店
  • 駅ビル・エキナカへの千趣会の出店
  • ポイントプログラムの連携
  • 「ベルメゾン」(公式サイト)におけるビューカード決済特典
カタログ通販大手の千趣会は9月16日、東日本旅客鉄道(JR東日本)と資本業務提携を締結
業務提携の内容

千趣会およびJR東日本の相互の知見・ノウハウを活用した、双方のEC事業の強化。千趣会とJR東日本による「JRE MALL」向け商品の共同開発などを行う。

千趣会の商材および共同開発商材を「JRE MALL」で販売するほか、JR東日本またはJR東日本のグループ会社が運営する商業施設(「駅ビル・エキナカ」)の販路を活用することによる、千趣会および「JRE MALL」の売上高および利用者数の増加をめざす。

さらに、ポイントプログラムの連携も行う。千趣会のECサイトでJR東日本が発行するポイント(JRE POINT)の付与・利用、両社が発行するポイントの相互交換などを可実現。千趣会の売上高や利用者数の増加、「JRE POINT」の会員数増を狙う。

千趣会のECサイトにおけるJR東日本グループ会社発行のクレジットカード(ビューカード)の加盟店化、ビューカード決済の利用促進によるJR東日本のECサイトの利用者数増、JR東日本の決済事業の強化、双方のノウハウをかつしたマーケティングの強化、新規事業を開発する。

JR東日本の深澤祐二社長と千趣会の梶原健司社長
JR東日本の深澤祐二社長(写真左)と千趣会の梶原健司社長

千趣会は2015年にJ.フロントリテイリング(JFR)と資本業務提携を締結。JFRが千趣会に約75億円を出資したが、2018年に自己株式を買い戻し。資本関係を解消している。

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