DIYのネット通販を手がける大都は12月9日、建設・製造業向けBtoB-ECサイト「トラノテ」の新サービスとして、顧客が現場で必要な資材を最短で受け取れる倉庫受取サービス「トラノテ ピットイン」の先行運用を北海道札幌市で開始した。
大都は、工場用副資材の専門商社であるトラスコ中山が運営する物流センターの1つ「トラスコ中山 プラネット北海道」で、「トラノテ ピットイン」のトライアル運用をスタートした。対象アイテムは約1万アイテム・63万点。随時拡大を予定している。
「トラノテ ピットイン」は、必要な資材を「探す」のではなく「受け取るだけ」に特化した倉庫引き取りサービス。カーレースのピットのように、最短で補給してすぐ現場に戻るイメージという。特長は次の通り。
- 顧客はECサイト上で在庫確認、注文、決済まですべて完了できる
- 顧客は受け取り拠点に着いたら、ほしいアイテムを1分で受け取り可能
- 顧客が店舗で買い回りをする手間がゼロになる。レジ待ちも発生しない。
- 顧客が現場から離脱する時間を大幅に削減する
大都の主要な出荷拠点である大阪から北海道の現場へは翌日配送が難しく、「今すぐ欲しい」というニーズに対応できていなかった。地域密着型の「ピット」を設けることで、顧客の手元に届くまでの時間と距離を根本的に解決する。
「トラノテ ピットイン」運用の背景
大都によると、これまで現場で資材が不足した場合、現場の職人が現場を離脱して在庫が不確かな実店舗へ向かうという実情があったという。また、近年では物量が増えたことで物流大手の配達遅延も発生。大都に長らく寄せられていた「取りに行くので今すぐほしい」という職人の声に対応するため、「トラノテ ピットイン」の運用を開始した。
北海道でのトライアル運用を通じて「トラノテ ピットイン」の有効性を確固たるものとし、順次、全国へ「ピット」拠点を拡大していく。全国の現場で働く職人の「今すぐ欲しい」という切実な課題を解決し、「今欲しいから店舗に行く」という従来の常識を覆していく。(大都 代表取締役 山田岳人氏)
カインズによる大都の買収
2025年10月には、ホームセンターのカインズが資本提携関係にある大都の全株式取得に向け、基本合意を締結したと発表している。大都によるカインズへの株式譲渡実行日は12月下旬の予定。
大都とカインズ、それぞれの強みであるリアルとデジタルを融合させたサービスで職人やプロ人材のニーズに対応し、プロ市場における唯一無二のビジネスモデルを確立するとしている。