千趣会、3年連続の最終損失。通販事業の苦戦が続き売上高は7年で半減以上の規模に

1000億円台を維持していたのは2017年12月期まで(1012億7900万円)。主力の通販事業の売上高はこの7年で5割以上減っている。

瀧川 正実

2月18日 9:00

千趣会が2月13日に発表した2024年12月期連結業績によると、売上高は前期比7.4%減の456億円、当期純損失は39億5800万円(前期は47億8200万円の損失)だった。最終損失は3年連続。ただ、損益面は改善しており、2024年12月期の最終損失は前期と比べて11億2400万円縮小した。

効率性の低い商品群の開発抑制やプライシングの見直しで、売上総利益率は向上。また、全社的な販管費削減などで営業損失も改善した。営業損失は37億4800万円(前期は55億5700万円の損失)、経常損失は39億5200万円(同56億7900万円の損失)だった。営業損益も3期連続で損失が続いている。

千趣会が2月13日に発表した2024年12月期連結業績によると、売上高は前期比7.4%減の456億円、当期純損失は39億5800万円(前期は47億8200万円の損失)だった
連結決算損益(画像は千趣会のIR資料から編集部がキャプチャ)

2022年12月期に「継続企業の前提(ゴーイングコンサーン)に重要な疑義を生じさせるような状況」が存在しているとして、決算短信に「継続企業の前提に関する重要事象等」の注記を記載。2024年12月期もゴーイングコンサーンの注記が継続している。

セグメント別に見ると、主力の通販事業は売上高396億7500万円で同8.0%減。営業損失は42億2100万円(前期は59億5000万円の損失)だった。2017年12月期に1012億7900万円だった通信販売事業の売上高は大幅に縮小。紙媒体のカタログ発行部数を減らし、ECへのシフトを進めてきたが減収が続く。通販売上はこの7年で5割以上減った計算になる。

通販事業の減収は、カタログ配布戦略の想定効果未達、LINEやSNSを活用した顧客接点再構築の取り組み遅延などが影響。ただ、効率性の低い商品群の開発抑制やプライシングの見直しで利益面は改善している。

千趣会が2月13日に発表した2024年12月期連結業績によると、売上高は前期比7.4%減の456億円、当期純損失は39億5800万円(前期は47億8200万円の損失)だった
通信販売事業の概況(画像は千趣会のIR資料から編集部がキャプチャ)

他の売上高は、法人事業が39億1200万円(前期比4.9%減)、保険事業は5億1200万円(同4.6%減)、その他事業(子育て支援事業)は15億円(同4.9%増)だった。

2025年度は、通信販売事業でターゲットの絞り込み、商品力の向上、MDの構築などビジネス構造改革、新領域への取り組みを進める。連結売上高は4200万円の減収だが、営業損失は27億円まで改善させる計画。

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