iPhoneに買い物や接客ができるチャット機能が搭載! アップル「Busuness Chat」がもたらす顧客体験とは
アップル社がリリースした新機能「Busuness Chat(ビジネスチャット)※1」を使うと、消費者はカスタマーサービスのスタッフへ簡単にテキストメッセージを送ることができるようになります。小売事業者らは、いち早くこのサービスをビジネスに活用しようとしています。
Lowe's社(編注:米国の住宅リフォーム・生活家電チェーン大手)と1-800 Flowers.com社(米国の花の通販サイト大手)は、いち早くアップル社のビジネスチャットを試験的に取り入れています。
ビジネスチャットは、アップル社が3月末にリリースしたiOS11.3へバージョンアップしていれば、誰もが使える機能です。現在はHome Depot(ホーム・デポ、インターネットリテーラー社発行「全米EC事業 トップ500社」第8位、編注:米国の住宅リフォーム・建設資材・サービスの小売チェーン大手)、Newegg(ニューエッグ、同21位、編注:米国の家電ECサイト大手)、アップル(同2位)など、11のブランドがビジネスチャットを利用しています。
この新機能を使うと、iPhone利用者はメッセージアプリを使ってブランドにテキストを送ることができます。
使い方はこのような感じです。消費者がiPhone上で「1-800-Flowers」と検索(編注:Spotlight検索)します。すると、Webサイトや場所を示す地図アプリ、ブランドのアプリといった関連情報と一緒に、「ブランドにメッセージを送る」という選択肢が表示されます。メッセージのアイコンをタップするとメッセージアプリが立ち上がり、「1-800-Flowers」とチャットを始めることができるのです。
ブランドにテキストメッセージ送ると、カスタマーサービススタッフが返信してくれます。
注文状況の確認、配達日の設定、Apple Payでの支払いも、メッセージアプリ内で行うことが可能です。
1-800-Flowersの広報は、次のように話しています。
「1-800-Flowers.com」はよりよいショッピング体験を提供するため、常に革新的な方法を探しています。お客さまがどこにいても、そしてどんな時でも我々とつながることができる、大変パワフルなツールであるビジネスチャットに期待しています。(1-800-Flowers広報)
アップル社のビジネスチャットを使うには、LivePerson社、Genesys社、Salesforce社、Nuance Communications社、Zendesk社、InTheChat社のいずれかのカスタマーサービスプラットフォームを利用することが条件になります。
アップル社によると、利用者の連絡先情報はブランドに共有されません。
Lowe's社は、消費者が好きな時にコミュニケーションが取れるようにするため、ビジネスチャットを導入しました。消費者が電話やメールよりもインスタントメッセージを選ぶことが多いという点に注目したと、デジタル開発部門の副社長ジハード・ジャウハー氏は言います。
メッセージプラットフォームは、より速く、より効率的で、よりパーソナルなブランドとの関わりを可能にします。消費者は、電話よりもカスタマーサービスに簡単にメッセージが送れる利便性を好むのです。ビジネスチャットのおかげで、メッセージ送信が非常に簡単になり、弊社のカスタマーサービススタッフにとっても大変役立つツールになっています。(ジハード・ジャウハー氏)
Lowe's社がビジネスチャットの導入に取り組んでから1年弱。その間にまずパイロット版をスタートし、カスタマーサービススタッフのトレーニングを行いました。現在、同社は全米の限られた都市でビジネスチャットを展開し、利用者数やニーズを分析しています。ジャウハー氏によると今後、数週間以内に全国展開をしていく予定です。
ビジネスチャットを通じてLowe's社にメッセージを送ると、カスタマーサービスのスタッフかチャットボットにつながります。チャットボットはよくある質問に対応し、スタッフはより複雑な質問に答えます。
1-800-Flowers.comは「全米EC事業トップ500社」第59位、Lowe's社は第25位です。