【スマホユーザー調査】ネット通販する理由は? 表示内容はどこまで見る? タップした広告は?
スマートフォン(スマホ)を使う消費者は、なぜスマホでネット通販をを利用するのか? 表示内容はどこまで閲覧しているのか? また、企業の広告についてどのような認識を持ち、タップしているのか? 消費者庁は5月、スマホを使うユーザーの意識などを調査し、その結果を「スマートフォンにおける打消し表示に関する実態調査報告書」に盛り込み公表した。スマホEC時代のユーザー行動をまとめてみた。
消費者意識調査は、消費者庁がWebアンケートとグループインタビューを実施。1000人から回答を得た。詳しい調査内容はこちら。
スマホを使うシーンは「自宅でくつろいでいるとき」が最多
「普段の生活のどのような場面で、スマートフォンで商品・サービスのWebページを見ることが多いか」と質問したところ、73.7%が「自宅で、くつろいでいるとき(他のことをしている時を除く)」と回答。
「外出先で、ちょっとした空き時間(休憩時間、待ち合わせ中など)」は44.6%、「電車やバス、車などで移動しながら」は36.3%、「家事の合間」が11.9%と続いた。
スマホを使った消費行動について
スマホの閲覧頻度が高いユーザーほど商品を購入する
過去1年間にスマホで商品・サービスの購入・申し込みをした経験のある割合は55.1%(551人)。性別・年代別の特徴では、30代と40代の女性がスマホ経由で購入・申し込みする割合が高い(65.2%~65.9%)。
また、スマホでWebサイトなどを「ほぼ毎日」「週に1日以上」、閲覧時間は「2時間以上」「1時間以上~2時間未満」のユーザーは、スマホで商品の購入・申し込みをする割合が高かったという(62.3%~71.4%)。
スマホ購入はポイントなどがお得に5割
スマホでの購入経験者(551人)に対して、スマホ経由での商品・サービスの購入・申し込み理由を聞いたところ、最も多かったのは「24時間いつでもどこでも購入・申し込みができる」(78.0%)。
「店頭に行ったり、他の媒体(PC、電話等)で購入・申し込みをするより、手間や時間がかからない」が69.9%。スマホ経由の購入についてはポイントをPCよりも多く付与するキャンペーンを実施している事業者も多く、「スマートフォンで購入・申し込みをすると、ポイントや割引があり、特になる」が55.2%だった。
また、30.1%が「スマートフォンを使っている時に、購入・申し込みをしたい商品・サービスが見つかる」と回答している。
スマホ閲覧時に偶然、商品を見つけて購入は42.8%
スマホの商品・サービスの購入・申し込み経緯を質問したところ、50.6%が、「スマートフォン以外の媒体(PC、テレビ、雑誌等)で商品・サービスを知った上で、スマートフォンで購入・申し込みをしようとした」と回答。
「店頭で実物を見た上で、スマートフォンで購入・申し込みをしようとした」(44.6%)、「スマートフォンでキーワード検索などしている際に、偶然商品・サービスを見つけて購入・申し込みをしようとした」(42.8%)と続いた。
広告を閲覧したことによる消費行動については、24.1%が「スマートフォンで目に留まった広告がきっかけで購入・申し込みをしようした」と回答した。消費者庁はこうした消費行動について次のように解説している。
30.1%が「スマートフォンを使っている時に、購入・申し込みをしたい商品・サービスが見つかる」と回答していることも踏まえると、あらかじめ商品・サービスのことを知らない状態でスマートフォンを使用している際に、スマートフォンからの情報を基に偶然購入・申し込みをする場合があると考えられる。グループインタビュー調査では、スマートフォンでセール商品を見つけるとすぐに買ってしまうといった意見が聞かれた。
スマートフォンの画面上の表示に対する接し方
スマホでは「目に留まった情報だけを拾い読みする」
スマホでWebサイトやアプリを閲覧するユーザーは、表示された画面内容はどの程度、閲覧しているのだろうか。
スマホでの画面上の表示について、「目に留まった情報だけを拾い読みする(「目に留まった情報だけを拾い読みする」「どちらかというと目に留まった情報だけを拾い読みする」)と答えた割合は66.5%。じっくり画面内容を閲覧しているユーザーはそれほど多くない状況が浮かび上がった。
グループインタビューでの意見
- 普段から大きな文字や図表だけを見て、関心のあるところは細かい表示も見る
- とりあえず全体を把握しようとして下にスクロールしながら見るため、大きな文字や画像しか目に入ってこない
- 小さくて目立たない文字は見ない
「スクロールして下まで読まない」は4割
スクロールに関し、「表示された画面の下に内容が続いていても、スクロールして下まで読まない」「どちらかというと表示された画面の下に内容が続いていても、下までは読まない」に40.4%が回答した。
グループインタビューでの意見
- 上の方にある表示は比較的目を通すが、下にスクロールするにつれて飛ばし読みをする
- 下の方にあまり関心がないことが書かれていると見ない
- (注意書きなどが)下にあると思って読んでいない
- 途中でスクロールするのをやめてしまうことがある
関心のある情報のリンクは「すぐにタップ」するが約4割
関心のある情報を見つけた場合、Webページ上の表示内容を確認することなく、「すぐにハイパーリンクの文字列をタップする」「どちらかというと気になる情報を見つけると、すぐに画像や文字のリンクをタップする」と38.2%が回答した。
グループインタビューでの意見
- 通販サイトにおいて、ページの下部や別ページ等にある注文画面や申込画面に移動するボタンがページの途中に表示されている際、値段等の情報を見た時点で、他に関心のある情報がなければ、ページの下まで読む必要がないので、すぐにボタンを押す
スマートフォンの広告の閲覧経験、閲覧対象
広告だと思ってタップしたことがある人は約4割
過去1年間に広告をタップしたか質問したところ、「広告だとわかってタップ(クリック)したことがある」と41.3%が回答。
「広告とは意識せずに、気になったフレーズ(文字)や画像などをタップ(クリック)したら、後から広告であることに気づいたことがある」が27.7%で続いた。この2つの選択肢のいずれかを回答した人は、全体の60.8%(608人)。
スマートフォンの広告の閲覧対象
広告をタップしたことがある回答者(608人)に対し、「どのような種類の広告をタップしたか」を質問したところ、33.1%が「自分が閲覧している検索結果や記事、SNSの投稿などと、見た目が似ている広告」をタップしたと回答。39.0%が「自分が閲覧している検索結果や記事、SNSの投稿などと、テーマや内容が近い広告」をタップしたという。
「検索サイトで検索した結果とともに表示される文字の広告」をタップしたが23.2%で、これらの広告のいずれかをタップした人は68.1%にのぼった。
また、「過去に自分が閲覧・検索した商品・サービス等に関連のある広告」をタップしたユーザーは44.4%だった。
調査方法
- 調査期間:2017年10月2日~2018年2月28日
- 調査方法:普段スマートフォンを利用している一般消費者を対象として意識調査を実施。Webアンケート調査
- 回答者数:1000人(有効回答ベース)
- 対象者:普段スマートフォンを利用している全国の消費者(スマートフォン利用率を考慮した地域別・年代別の人口構成比)
- 実施時期:2018年2月5日~7日
※グループインタビュー調査の対象人数は12人(6人1グループ)。男女別に1グループずつで、普段スマートフォンを利用している20~40歳代の消費者。実施日は2018年1月31日。