“売れるECサイト”とは? 消費者1000人超が答えた「買いやすいECサイトの条件」&サイト内検索の今
「新規訪問者が購入しやすい」「リピート購入したい」と消費者が感じるECサイトを作るにはどうすればいいのか? 消費者1000人超の声からまとめた「商品の見つけやすさ」「評価されるECサイトの条件」「パーソナライズの今」などの分析記事。加えて、買い物体験の向上やコンバージョンに直結するサイト内検索サービスを提供するNTTレゾナント(現在はNTTドコモ)の対談から、“売れるECサイト”のヒントをお伝えしたい。
調査結果に学ぶ売れるECサイトの条件
NTTレゾナントが2022年3月16日~17日、1か月以内にECサイトを利用した18~69歳の男女を対象にインターネットリサーチを実施。回答者数は1037人。
商品のみつけやすさの重要性
ECサイトの商品検索で困った経験があるユーザーは8割
回答者のうち全体の約8割が何らかの理由で困った経験がある。その経験は「関係のない商品が上位に表示されていた」「検索結果が多すぎて探せなかった」など。ユーザーの検索意図とは関係ない商品が表示されることに不満を抱いているようだ。
目的の商品が見つけられなかったときの行動
サイト訪問者の約6割が離脱することが判明。商品が見つからなかったときの行動では、「他のサイトで探す」が58.1%、「商品を買うことを諦めた」が19.1%に上る。「その店舗で見つかるまで探す」と回答したユーザーはわずか12.3%にとどまった。
商品が見つからなかったときの印象
ECサイトの「イメージが悪くなる」と感じる消費者が多いようだ。ECサイトで商品を探す際に、キーワード検索で目的の商品がうまく見つけられなかった場合、そのサイトに対するイメージを質問した結果、合計45.0%の人は「イメージが悪化する」と回答した。「イメージが悪化する」と回答した人の内訳は、「とても悪くなる」が1.5%、「悪くなる」が6.3%、「やや悪くなる」が37.2%だった。
消費者が評価するECサイト
「消費者が評価するECサイトとはどのようなものか」。支持されるECサイトを運用するには、ネット通販を使うユーザーの消費行動を知ることが欠かせない。NTTレゾナントの調査結果によると、「商品の探しやすさ」が消費者から選ばれるポイントと言えそうだ。
ECサイトで商品を探す方法
7割以上が「キーワード検索」を利用していることが判明。回答者のうち「キーワード検索」は71.2%で1位。「カテゴリからたどる」が45.0%、「購入履歴から探す」が28.9%で続いた。最もよく利用する探し方では「キーワード検索」が最多で54.3%だった。こうした結果を踏まえ、NTTレゾナントは「探しやすいECサイトを作るには、まず『キーワード検索』を改善することが必須」と指摘している。
商品の利用イメージや着用イメージも必要
商品以外の情報も「見たい・検索したい」と回答したユーザーは約8割に上った。ECサイトで商品を探す際、商品情報以外に見たい・検索したいと思う情報は、「商品の利用イメージや着用イメージ」が39.9%で最も多く、「店舗の在庫情報」(28.0%)、「返品や送料などのFAQ」(26.5%)、「商品の紹介動画」(26.2%)が続いた。商品以外のコンテンツを充実させることが売れるECサイトを作る要素の1つになりそうだ。
商品以外の情報は「探しにくかった経験がある」と4割超が回答
FAQや特集ページ、店舗情報など「商品以外の情報」について、ECサイトで探しにくいと感じた経験の有無で、探しにくいと感じた経験があるユーザーの割合は43.2%。ECサイト内検索やナビゲーションを設計する際、商品情報だけでなく、コーディネート画像や店頭在庫、FAQなどの情報も見つけやすくなることが重要だと言える。
1人ひとりに適したパーソナライズを求める消費者が増加
3人に1人以上がパーソナライズを希望していることがわかった。ECサイトで買い物をする際に過去の購買履歴や行動履歴に基づくパーソナライズを実施してほしいか質問したところ、パーソナライズに肯定的な消費者の割合は36.7%。一方、パーソナライズを希望しない割合は28.7%、どちらとも言えないと答えたユーザーは34.7%だった。
パーソナライズに肯定的・否定的な人の割合
年齢が若いほどパーソナライズに肯定的なようだ。肯定的なユーザーは18~19歳で74.4%、20代は48.7%、30代は47.2%。年齢が高くなると否定的なユーザーの割合が高くなる。デジタルサービスやSNSに慣れ親しんでいる若い世代にとってパーソナライズは当たり前のものであり、その利便性を実感していることが影響しているようだ。
パーソナライズされた商品を表示してほしいシーン
「ECサイトにおけるパーソナライズを希望する」とした回答者の約4割が「検索結果」や「マイページ」でのパーソナライズを希望していることが判明。調査結果によると「検索結果」が39.9%で1位、次いで「会員ページ(マイページ)」が38.7%だった。
NTTレゾナントは「サイト内検索の結果の並び順や、会員ページでのレコメンドなどにパーソナライズを取り入れることでコンバージョンしやすくなる可能性がある」と指摘している。
パーソナライズしてほしいこと
パーソナライズ希望者の61.5%が「自分の趣味や嗜好にあったものを表示してほしい」と回答。「自分の好むブランドやメーカーを優先して表示してほしい」も約4割だったことから、自分の興味・関心や嗜好などを踏まえたパーソナライズへのニーズがあると言える。
パーソナライズへの不安
「パーソナライズされることに何らかの不安を感じる」と回答したユーザーの割合は81.8%。不安に感じることは「情報の漏洩が不安」が46.7%でトップ。「個人情報を勝手に取得されることが不安」(44.9%)、「目的以外で利用されないか不安」(39.1%)、「偏った情報ばかりが表示されないか不安」(29.3%)が続いた。
ECサイト内の履歴情報をパーソナライズに利用されることには抵抗が少ない
「パーソナライズ機能を希望する」と答えたユーザーに対して、パーソナライズのために利用しても構わない情報を聞いたところ、「そのECサイトの購入履歴」や「そのECサイトの閲覧履歴」が上位だった。
一方、「そのECサイト以外の閲覧履歴」や「実店舗での購買情報」など、ECサイトの外にあるデータを利用しても良いと考えるユーザーは2割以下にとどまっている。
さらに詳しい調査結果を知りたい方は、「1000人超のアンケートから見えてきた ECの効果的なパーソナライズ 顧客体験の向上につながる『ECサイト内検索』と『レコメンド』とは?」をチェックしてください。
コロナ禍以降のEC市場動向を分析し、アフターコロナ時代に消費者から選ばれる自社ECサイトのあり方を考察した「独自調査と政府統計、40種類のデータで考察 アフターコロナのEC市場動向」も要チェックです!