楽天、ぐるなびに資本参加。飲食店分野に楽天経済圏を拡大へ
楽天は7月30日、飲食店情報サイトを運営する、ぐるなびと資本業務提携を締結すると発表した。
ぐるなびの滝久雄会長から保有株式の一部(467万7600株)を譲り受ける。譲渡予定日は2018年8月22日。譲渡後、楽天の持ち株比率は9.6%、議決権割合は9.99%になる。
目的は「楽天経済圏」の構築
楽天会員とぐるなび会員のIDやポイントプログラムの連携を推進。楽天スーパーポイントを中心とした「楽天エコシステム(経済圏)」の拡大を進める。
業務提携の内容は次の5つ。
- ぐるなび会員および、ぐるなびポイントの、楽天会員および楽天スーパーポイントへの段階的統合
- 楽天ユーザーに対する、ぐるなびのネット予約の利用促進に向けた施策の実行
- 楽天および、ぐるなびそれぞれのサイト上の広告枠の販売における協業
- ぐるなびの加盟飲食店において、ユーザーが利用できる決済方法のPRにおける楽天カードおよび楽天ペイの表示
- 楽天および、ぐるなびの運営するサービスについて、それぞれの顧客および加盟店への販売促進
これら5つのほか、両社のブランドや蓄積するデータを活用した協業や、相互の商材の販売促進などについて検討するとしている。
楽天は、ECや旅行予約サイト、格安スマホ、クレジットカード、銀行、証券、保険、電子マネーなど幅広いサービスを提供しており、これらのサービスを楽天IDとポイントプログラムで結び付けることで、「楽天エコシステム(経済圏)」の構築を進めている。
楽天にとって飲食店のオンライン予約サービスは、オフラインサービスである飲食店舗へのエコシステムの拡大という観点で重要な事業と位置付けられているという。
提携を進めてきた楽天、ECを強化しているぐるなび
楽天とぐるなびは、これまで飲食店予約事業において提携関係を深めてきた。2018年3月、「ぐるなびポイント」から楽天の運営する共通ポイント「楽天スーパーポイント」へ交換できるサービスを開始。2018年5月には、楽天が運営するグルメ情報サイト「Rakoo(ラク―)」の新規加盟店開拓における提携に合意している。
ぐるなびはEC事業を強化しており、2017年12月、厳選した食品を割引価格で販売する有料会員限定のECサイト「プレミアムマーケット」を開設。2021年3月期を最終年度とする中期経営計画では、手土産やお歳暮、法人の会議用弁当など「非日常性の高い食」に特化したEC支援を強化する方針を掲げている。
また、2018年3月期の決算説明会資料で、2019年3月期に楽天とのサービス連携を開始することを盛り込んでいた。
ただ、今回の資本業務提携の中心は飲食店予約事業。予約サービスを通じて「楽天スーパーポイント」の流通を広げ、「楽天市場」など楽天グループのサービス活用につなげる。