【2022年度】健康食品の市場規模は1%増の8925億円、機能性表示食品市場は11%増の4692億円の見込み

ロックダウンなどの影響で一時低迷した越境EC、一般貿易を通じた海外展開の回復・拡大が期待され、健康食品市場は緩やかな成長が続く見通しという

瀧川 正実

2023年4月18日 9:00

矢野経済研究所が発表した健康食品に関する市場調査の結果によると、市場規模はメーカー出荷金額ベースで2022年度は前年度比1.1%増の8925億円、2023年度は同0.9%増の9005億2000万円と予測している。

矢野経済研究所が発表した健康食品に関する市場調査の結果 健康食品市場規模の推移・予測
健康食品市場規模の推移・予測

新型コロナウイルス感染症拡大下で、巣ごもり需要の恩恵を受けた通販市場を中心に健康食品市場は拡大基調を続けている。

通販は2021年度に4%台の伸長率だったが、2022年度以降は競合激化や新規顧客の獲得単価(CPO)の悪化などで、市場は微増で推移すると予想する。

店頭販売は2021年度から2022年度にかけて、出足が徐々に回復したことにより復調基調をたどっているという。

機能性表示食品市場、拡大が続く

機能性表示食品の市場規模(2021年度)は、メーカー出荷ベースで同38.5%増の4148億円。一般食品の売上構成比が増加傾向にあり、2021年度には一般食品の売上構成比がサプリメントの売上構成比を上回った。

内訳は「生鮮食品」が3.9%、「サプリメント」が40.5%、「一般食品」が55.6%。今後「一般食品」を中心に活発な商品開発・展開が続くことが期待される。

機能性表示食品の市場規模推移と食品種類別構成比
機能性表示食品の市場規模推移と食品種類別構成比

サプリメントに関しては、2020年度まで大型商材の機能性表示食品化、積極的な広告展開によるヒット商品の誕生などで市場が急拡大したが、これらの動きは一巡化。2021年度以降は成長が鈍化した。

一般食品に関しては、清涼飲料などで大型商材の機能性表示商品化やヒット商品の誕生があり、2021年度には前年度比80.5%増と大幅に伸長。機能性の付加により高付加価値食品として販売できること、また、スーパーやコンビニエンスストアといった一般消費者に身近な小売店で機能性表示の内容が訴求できることから、消費者の購買意欲を喚起している。

機能性表示食品の2022年度市場予測は、同11.3%増の4692億円、2023年度は同8.3%増となる50億8000万円を予測している。

調査概要

  • 調査期間:2023年1月~3月
  • 調査対象:健康食品製造・販売企業(健康食品メーカーを中心に一般食品メーカー・製薬メーカーなど)、健康食品関連団体、管轄官庁など
  • 調査方法:専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング、郵送・メールによるアンケート調査、文献調査併用

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