「無印良品」の良品計画が再生可能エネルギー発電設備投資、発電事業の本格検討を始めた理由とは

良品計画は、太陽光発電による追加性のある環境価値を創出、耕作放棄地などを活用した発電所の建設、営農型太陽光発電による雇用や生産面で地域社会への貢献をめざし、2026年春の事業開始に向け本格的に検討を開始した。

松原 沙甫[執筆]

1月16日 9:00

「無印良品」を展開する良品計画は、自社の温室効果ガス排出量を2030年までに2021年比で50%削減することをめざし、再生可能エネルギー発電設備への投資および発電事業の本格検討を開始した。

屋根に太陽光発電設備を設置している「無印良品」の単独店は現在25店舗にまで拡大した。しかし、良品計画が直接電力供給契約を締結していないテナント店では、別途環境価値を生み出す取り組み、その他のCO2削減活動が必要となっている。

テナント店の電力使用に伴うCO2排出量は、出店や事業拡大によって増加。現状のまま無施策の場合、2030年時点でCO2排出量は約8.6万トンに増大すると推定している。そのうち目標達成のためには、これまでの取り組みに加え新たに4万トンのCO2削減施策が必要になるとする。

良品計画は、太陽光発電による追加性のある環境価値を創出、耕作放棄地などを活用した発電所の建設、営農型太陽光発電による雇用や生産面で地域社会への貢献をめざし、2026年春の事業開始に向け本格的に検討を開始した。

ちなみに、良品計画の目標達成に必要な約4万CO2削減のすべてを太陽光発電で賄う場合、203年までに必要な電源開発量は約60メガワットになると試算。第1弾として検討している発電事業は、事業開始から1年間で約12メガワット規模の発電設備の開発で、開発費用は約36億円になると見込む。

生み出した電力は日本卸電力取引所(JEPX)で売却し、良品計画は環境価値を取得する事業スキームを検討している。

良品計画は2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロ社会の実現に向けて、2023年12月に国内における「自社グループの事業活動で消費する電力の再生可能エネルギー100%達成に向け、2023年までに店舗への再生可能エネルギー導入100%、自社の店舗設備での太陽光パネル設置100%」を掲げている。

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