松原 沙甫[執筆] 9:00

オンワードホールディングス(HD)が推進している働き方改革プロジェクト「働き方デザイン」。業務効率化とワーク・ライフバランスの実現によって生産性を向上させるのが目的で、成果が出始めているという。

グループの中核事業会社であるオンワード樫山で2019年8月からスタートし、週に1度、普段一緒に仕事をするチーム単位で「自分たちがより良い働き方をするために何をすべきか」を考える会議(通称:カエル会議)を中心に、業務効率化に伴う残業時間削減や休日取得日数の増加につなげている。仕事とプライベートの相乗効果(ワーク・ライフシナジー)の実現によるビジネス面での成果も出始めている。

オンワードホールディングス(HD)が推進している働き方改革プロジェクト「働き方デザイン」。業務効率化とワーク・ライフバランスの実現によって生産性を向上させるのが目的で、成果が出始めているという

働き方をデザインするための第一歩として、管理職の意識改革を行うために外部コンサルタントによる管理職研修を実施。「同じ条件の人がなるべく長時間働く人口ボーナス期のマネジメントから、多様な人がなるべく短時間で働く人口オーナス期のマネジメント」に変化していくマインドセットからスタートし、2年にわたって継続的に実施している。

カエル会議での成果を報告する情報共有会では役員も参加。役職を越えてこれからの働き方について議論し、フラットな立場で自由闊達なコミュニケーションができるようになっているという。

販売職では上限なく高い給与水準をめざすことが可能な仕組みへと変更。平均年収が10%、2025年卒採用から新卒初任給が16%アップ、新卒採用人数は34%増えた。努力に応じた給与アップが仕事のモチベーションにつながっているとする。全職種対象の生産性向上を目的とした「働き方デザイン」プロジェクトを通じて、業務効率化とワーク・ライフ・バランスを実現。残業時間も41.2%削減した。

給与体系とインセンティブ制度の見直しも実施。新たな給与体系では、おもてなしのプロフェッショナルとして必要な項目を評価し、グレード別に処遇するセールススキル給を採用。役職など関係なくセールススキルの向上に伴い、誰でも高い給与をめざせるようにした。

インセンティブ制度では、所属する店舗の予算達成率や自身のコーディネートをEC上に投稿することで生じる売り上げなどに応じたインセンティブを支給。これらの変更により、平均年収10%アップを実現、より高い目標をめざすモチベーションの向上につながっている。

さらに優秀な店舗を評価し、好事例を共有する「BEST SHOP AWARD」も毎月実施。定年を迎えた社員が適切な待遇で長く働き続け、そのスキルを継承していく「ストアマイスター制度」を導入し、次世代への技術継承にも力を入れている。

こうした働き方改革が評価され、マイナビが運営する総合転職情報サイト「マイナビ転職」主催の給与アップ・働き方改善・キャリア支援に取り組む企業を表彰する「マイナビ転職BEST VALUE AWARD」において「アワード大賞」を受賞した。社員が主体的に働き方の改善に取り組める仕組みの導入は、心理的安全性の点でも高い評価を得たとしている。

 

この記事が役に立ったらシェア!
これは広告です

ネットショップ担当者フォーラムを応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]

[ゴールドスポンサー]
ecbeing.
[スポンサー]