Digital Commerce 360 2016/8/18 8:00

オンラインで販売されている全商品の販売総額を分析すると、規模の大きいeコマース企業で、世界のオンラインマーケットのほぼ半分を占めていることがわかります。

世界のeコマース市場は大きく、そして早いスピードで成長しています。これは、世界中のEC企業、およびECをサポートする企業にとって歓迎すべきことです。

世界中のオンラインショップの売り上げを合計すると、2015年は1兆7400億ドルでした。インターネットリテイラー社が発行したレポート「Global 100:eコマースの世界的な改革」によると、オンランショップの売り上げは、過去3年間で毎年約20%成長を続けています。

一方、多くのeコマース企業にとって悪いニュースもあります。それは、世界のeコマース市場は、規模の大きいプレイヤー数社によって支配されているということです。そして、その巨大企業の売り上げは年々成長しているのです。

世界中で販売されている商品の流通総額を表す「総取引量」を見ると、アリババやアマゾンなどの大企業10社でeコマース市場のほぼ半分を占めていることがわかります。

世界のEC市場における上位企業のマーケットシェア
企業別マーケットシェア
青:マーケットプレイスのみ
緑:ハイブリッド型マーケットプレイス
ピンク:ブランド
紫:小売チェーン
※ハイブリッド型マーケットプレイスとは、ストア型のマーケットプレイスに加えて自社で商品を販売をしている業態を指します。マーケットシェアは、世界の総取引量における各社のマーケットシェアを表しています。

インターネットリテイラー社の分析によると、アリババは約27%のマーケットシェア、アマゾンは13%です。

アリババとアマゾンの両社は、海外よりも自国での販売に強いのが特徴です。多岐にわたる膨大な商品群を、低価格かつ迅速な配送で消費者に届けています。

また、桁違いの顧客数、豊富な物流オプション、そして世界展開を武器に、多くの事業者を自社のマーケットプレイスに引き入れています。

しかしながら、「Global 1000」を考察すると、上位企業のマーケットシェアに大きな変化が見られます。

「Global 1000」で1位のアマゾンと2位のJD.comは、自社販売も行いつつ、マーケットプレイスでの売り上げを急速に伸ばしています。この2社は自国でのマーケットシェアが急激に拡大しています。

アメリカでの2015年のオンライン販売のうち、約3分の1がアマゾンで行われており、2012年の20%から大きく伸びています。また、JD.comの2012年のマーケットシェアは5.1%でしたが、2015年は11.3%に拡大しています。

Amazon、eBay、アリババ、JD.comのマーケットシェア
上位企業の自国におけるマーケットシェア
情報ソースは各社のレポート、チャネルアドバイザー、アメリカ商務省、中国国家統計局

一方、2015年のアリババの中国でのシェアは、2014年の81.1%から78.5%に縮小。ここ数年間、毎年43.4%の増収を達成しているにも関わらず市場シェアを落としました。中国ではいまだアリババのパワーは圧倒的ですが、JD.comなどの競合が急成長しているためです。

アメリカでは、過去数年売り上げが伸び悩んでいるeBayが、毎年シェアを落としています

巨大なeコマース市場の恩恵に与ろうと、凌ぎを削っている多くのeコマース企業にとって、トップ10社が市場を支配している状況は決して好ましくありません。しかし、アマゾンやアリババ、JD.comなどとパートナーシップを組み、マーケットプレイスで商品を販売をしている企業が多いのも事実です。

「Global 1000」では、巨大なマーケットプレイスを提供している企業が、どのように販売会社へメリットを付与しているかなど、多くの情報を掲載しています。また、ランキング、総取引量データ、世界の巨大マーケットプレイス18社の評価指標などの数字も提供しています。

Global 1000」レポートの内容(PDFとオンラインデータで入手可能)

  • 世界のeコマース企業トップ1000社のランキング、プロフィール、過去3年間の売り上げデータ
  • 毎月の流入数、コンバージョンレート、平均単価など、各社の主な統計データ
  • 過去5年間の海外、および自国での売り上げデータ
  • アメリカ、日本、ドイツ、イギリス、ロシア、インドなど、主なeコマース市場におけるオンラインでの売り上げ、マーケットシェア、客数などのデータ
  • Zalando SE(「Global 1000」で25位)やB2W Digital(26位)、Debenhams Plc(100位)やアマゾンなど、世界規模のeコマース企業トップとの取材記事

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

この記事が役に立ったらシェア!
これは広告です

ネットショップ担当者フォーラムを応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]

[ゴールドスポンサー]
ecbeing.
[スポンサー]