中国越境EC市場はすでに激戦? 「ネット爆買い」狙う有名ブランド企業の進出状況
中国でオンライン売上を拡大するため、さまざまなハイブランドが販売を強化するなか、ドイツのカメラメーカー「ライカ」も中国でのEC展開を始めました。
「ライカ」は先日、アリババグループのマーケットプレイス「Tmall(天猫)」への出店を発表。出店料無料で、中国のさまざまな企業や個人が販売し何百万もの商品を取り扱うアリババグループの巨大マーケットプレイス「Taobao」と異なり、「Tmall」は出店料を支払う代わりにブランド独自の店舗展開が可能です。
Tmall内の「ライカ」店舗では、約3300ドルのTシリーズラインなど、中国国内ではTmallのみ扱っている商品を含む約50製品を販売しています。
「ライカ」中国法人のゼネラルマネージャーであるシイグムンド・ドゥケク氏が発表した声明によると、今後はTmall消費者限定商品も販売していくそうです。
「ライカ」は、Tmall店舗を自社で運用する予定です。「ライカ」のカメラは、アリババ最大の競合であるJD.comでも販売していますが、そこではJD.com自身が「ライカ」の店舗を運営する販売形態となっています。
中国小売業者のオンライン売上ランキングをまとめた「中国 EC事業トップ500社 2016年版」(インターネットリテイラー社発行)で、JD.comは第1位にランクインしています。アリババ社のマーケットプレイスであるTaobaoとTmallは中国でのオンライン消費の大半を占めますが、サイト内で販売している商品を自社在庫として販売していないマーケットプレイスのため、ランクインしていません。
ライカのような高級ブランドの大きなターゲットは、海外製品が大好きな中国の中流階級層です。コンサルティング会社のマッキンゼーによると、中国の中流階級は5億2300万人に達すると説明しています。
アップル、デル、フィリップス、ソニーといった海外の電気製品ブランドも、アリババが抱える4億人のユーザーに向けてTmallで商品を販売しています。
JD.comも同様に、グローバルブランドとの取り組みを強化しています。すでにJD.comで販売をスタートしているパナソニック、象印に加え、家電製品ブランドのタイガー、パールライフ、西川産業などもJD.comで自社店舗を立ち上げ、販売を開始しました。
JD.comには1億7000万人のユーザーがおり、中国国内で7つの物流センターと209の倉庫を運営しているそうです。
ファッションブランドも中国のEC市場に参入し始めています。イギリスのファッションブランド「スリーフロアー」と「アスピナル・オブ・ロンドン」が、「Xiu.com」での販売を開始しました。
「Xiu.com」は、「フェラガモ」や「ヒューゴ・ボス」といったデザイナーアパレルを取り扱っているECサイトです。