米アマゾンがファッション関連の販売手数料UPを発表、プライム会員費の値上げも実施
Amazon(アマゾン)は、出品サービス「Amazonマーケットプレイス」を利用して衣料品などを販売している事業者の販売手数料が2月から引き上げる予定です。また、「Amazonプライム」会員の月会費を2ドルほど引き上げました。
衣料品とアクセサリーの手数料は15% → 17%に変更
アマゾンはマーケットプレイスの販売事業者、および消費者に影響を及ぼす「Amazonプライム」の価格改定を発表しました。
「Amazonマーケットプレイス」の販売事業者に関し、マーケットプレイスで売れた各商品に課す販売手数料と、カテゴリーごとに規定している成約手数料(編注:日本ではメディア商品<本、ミュージック、ビデオ・DVD>が対象)を変更します。
アパレルとアクセサリー、靴、ハンドバッグ、サングラスのカテゴリーで手数料を引き上げる予定なのです。
現在、上述したカテゴリーについてアマゾンは、売上金額(税抜き)の15%、最低手数料1ドルを販売事業者に請求していますが、4月15日から衣料品とアクセサリーの手数料を17%に引き上げます。
靴、ハンドバッグ、サングラスは販売金額によって手数料が変わります。75ドル以下の商品の手数料は変更がありませんが、75ドル以上の商品には18%の手数料を課すことにしました。最低手数料1ドルに変更はありません。
ジュエリー商品の販売手数料は2月22日から変更になり、新手数料は1年間有効となります。現在、ジュエリー商品の販売手数料は20%で、最低手数料は2ドル。今後は250ドル以下の商品の手数料は20%のままで、250ドル以上の商品は基準価格(250ドル)を超えた金額に5%の手数料が加算されます。
たとえば、マーケットプレイスで300ドルの指輪を販売している事業者に対して、アマゾンはこれまで60ドルの販売手数料(販売価格の20%)を請求していました。2018年2月22日からは、販売手数料が52.50ドルに変わります(250ドル分に50ドル、残り50ドル分に2.5ドルの販売手数料)。
ジュエリーを販売するマーケットプレイスの販売事業者は、高い商品を売ればアマゾンへの支払い手数料が安くなります。一方、衣料品とアクセサリーの販売事業者は、アマゾンで販売すると従来よりも高い手数料が請求されます。
アマゾンは近年、ファッションカテゴリーに注力し、アパレル関連が急成長を遂げています。One Click Retail社の予測によると、2017年7~9月期(第3四半期)のアパレルの売り上げが、前年同期の9億1000万ドルから32%増の12億ドルまで拡大しています。
マーケティング会社CPC Strategy社の最新調査によると、オンライン通販で衣料品を購入している消費者の半分以上(52%)が、直近の6か月間で、アマゾンで衣料品を購入したと答えています。
今回の販売手数料の改定は、アマゾンの配送サービス、FBA(フルフィルメントバイアマゾン)を利用している販売事業者にも影響を与えそうです。2月22日から適用される改定手数料の詳細はこちらです。
アマゾンの今回の発表には、消費者に影響を与える改定も含まれています。アマゾンはプライム会員の月会費を2ドル引き上げたのです。すでに適用されている新しい月会費は、従前の10.99ドルから12.99ドルに変更しました。
月ごとにプライム会員費を1年間支払った場合、年間155.88ドル払うことになり、従来の131.88ドルから18%も高くなります。一方、プライム会員費を一括支払いする年会費は従来通り99ドルのままです。アマゾンは2012年、プライム会員の会費を月単位で払えるように仕様変更しています。
アマゾンが2017年6月に導入した、政府から支援を受けている消費者がプライム会員になった場合の特別会費は月5.99ドル。これまでと変更はありません。
プライムスチューデントの月会費は1ドル引き上がり、今までの5.49ドルから6.49ドルに変更となりました。
インターネットリテイラー社発行「全米EC事業 トップ500社 2017年版」で第1位のアマゾンは、プライム会員の正確な人数を公表していませんが、16か国で数千万人の会員がいると話しています。
株式関連の調査会社CIRP社は、2017年9月30日の時点でプライム会員の数は9000万人以上と予測。全米のアマゾン利用者の63%がプライム会員になっていると言われています。