顧客がどこで買い物をしているのか、どんな情報を欲して、どんな商品を探しているのかを理解することが大切です。それによって、マーケティング戦略やWebサイトデザインの方向性を決めていくのです。

オンライン通販の売上は年々伸びています。米商務省の調査では、2017年における全米ECの市場規模は4,535億ドルに達し、2016年比で16%の伸びとなりました。オンライン通販市場の規模拡大に伴い、オンラインで見込み客を呼び込むデジタルプラットフォームも増えてきています。しかしながら、そうしたプラットフォームの出現によって、最も役立つ方法が何なのかを見極めるのが難しくなっているのも事実です。

デジタル上のセールスファネルを見直すうえで、次のような戦略を覚えておいてください。

見込み客を呼び込む

オンライン通販で買い物をする消費者が増え、広告手法も変わってきました。競争力を保つには、ビルボードを掲示したり、地方新聞に出稿したりするのではなく、ターゲットとなる消費者の注目を集めるためのデータが必要なのです。

顧客がどこで買い物をしているのか、どんな情報(コンテンツ)が好みで、どんな商品を探しているのかを理解することが大切です。コンバージョン率を高めたいなら、クリックが売り上げにつながるようなオンラインマーケティング戦略を練る必要があります。

チャンネルの管理

オンライン通販が成長するなか、企業はターゲット層の嗜好や行動を深く分析できるようなツール求めています。オンラインで利用しているすべてのチャネルを細かく分析し、デジタル上のセールスファネルを最適化するために、3つのカテゴリに分類してみましょう。

現在、利用中のチャネル

このカテゴリには、サイトへの流入を促すために利用しているプラットフォームをすべて入れてください。すべてをリストアップできたら、ビジネスにあまり貢献していないチャネルと、効果の高いチャネルを分別しましょう。そうすることによって、時間とリソースを無駄にしているプラットフォームがわかります。また、うまくいっているプラットフォームの成功要因を見出すこともできるでしょう。

現在、商機を生み出しているチャネル

ターゲット層が利用していて、あなたがまだ利用していないデジタルプラットフォームはないですか? 競合が利用しているプラットフォームがあるなら、何がうまくいっているのかを分析し、自社に生かせるヒントを見つけましょう。

「Snapchat(スナップチャット)」は、新しく、まだ比較的馴染みの薄いプラットフォームですが、すでに持っているソーシャルチャネルのなかに組み込むこともできるでしょう。ソーシャルチャネルに組み込む際は、競合との差別化を意識して、クリエイティブになる必要があります。まずはお試しだと思っていろいろな方法にトライし、自社のビジネスゴールに一番合う方法を見つけましょう。

将来的に商機を生み出すチャネル

ターゲット層が「スナップチャット」などのプラットフォームを使っているからといって、そこに乗り出さなくてはいけない、ということではありません。試験的に使ってみるのはいいですが、「スナップチャット」を使う利点がないとわかっているならば、時間を投資するのは止めましょう。他のソーシャルメディアに注力した方がいいです。

しかし、これらのプラットフォームから得られる重要なデータもあります。ターゲット層がどのようにソーシャルメディアを利用しているのかを理解することで、彼らの好みがわかり、今後のマーケティングに生かすこともできるのです。

SEOを効果的に使う

Webサイトにお金をかけることもできるでしょう。しかし、消費者がサイトの存在に気づかない限り、費用対効果は得られません。アルゴリズムの変更や競合の増加があっても、利益を上げられるように、高度なSEO技術を駆使することが重要です。

コンテンツを上手に利用する

質の高いコンテンツを生み出すことが最も重要です。さまざまな方法で情報を提供したり、オピニオンリーダーと組んだりすることで、多くのプラットフォームでブランドへの注目度が高まるでしょう。消費者は業界内でも専門性の高い企業から商品を買うため、質が高く関連性の高いコンテンツを提供しましょう。このようなマーケティングの努力に加えて、他サイトからオピニオンリーダーへのリンクが張られるようになれば、自然流入も増えてくるはずです。

PRの力

顧客とどういう関係性を築けるかが成功の鍵です。なかでもPRは成功に欠かせない重要な要素です。ブランド価値を高められるような機会は、すべて無駄にしないようにしましょう。オフラインイベントを行ったり、有名な業界ブログやオンラインマガジンにゲストとして投稿させてもらったりするなど、自然流入を促し、ネット上での存在感を高めましょう。

また、顧客や見込み客とつながることはとても重要なPRです。顧客の質問や悩みにどのようにオンラインで応えるかによって、顧客のブランドに対するイメージが変わります。たとえば、Community Tax社のようにライブチャット機能を使ってWebサイト上で顧客とつながることもできるでしょう。もしくは、Zappos社のように、ポジティブ、ネガティブにかかわらず、ソーシャルメディア上でレビューに反応していくという方法もあります。そうすることで、問題がすばやく解決され、顧客を大切にしているというメッセージを伝えることができます。

ソーシャルメディア上でレビューに反応するザッポス
「このブーティのカットが大好き。カリフォルニアやアリゾナのような気候にはピッタリ。かっこよく見えるのに、涼しい!」
「教えてくれてありがとう、アニータ!」

キーワードの使用を強化

今からキーワードを使ったマーケティングを始める場合は、現在Google(グーグル)でランクインしているキーワードを狙ってください。グーグルのRankBrainはマシンラーニングのAIで、グーグルの検索ワードのほぼすべての情報を持っています。この技術は、検索ワードを額面通りに受け取るのではなく、実際に消費者が何を求めているのかを考慮して検索結果を表示するように設計されています。

業界でどんなキーワードが使われているかを理解し、自社商品にどのように応用できるかを紐解きましょう。そうすれば、質の高い流入を確保して、コンバージョンにつなげることができます。

Webサイトコンバージョン

コンバージョン率を高めるシンプルな戦略がいくつかあります。それらのほとんどは社内で対応可能で、すぐに効果を実感できます。

レスポンシブWebデザイン

Webサイトはさまざまなサイズのデバイスで閲覧できるようにしましょう。レスポンシブウェブデザインにするということは、ラップトップ、タブレット、スマートフォン関係なく、どんな消費者にも対応できるということです。オンラン通販利用者は、モバイルデバイスから買い物をすることが増えているため、レスポンシブWebデザインへの変更は、オンラインで商品を販売するすべての企業が対応するべきです。

現在のサイトをレスポンシブに変更するのは大変な作業ですが、それによってもたらされる利点は計り知れないほどあるでしょう(ユーザーエクスペリエンスやグーグルの検索ランキングでも有利になります)。サイトをすべて変更することが難しい場合は、トラフィックやコンバージョンが多いページから先に手をつけることもできます。

わかりやすいナビゲーション

サイト訪問者が迷わないナビゲーションにしましょう。そうすることで、トップページから購入ページにスムーズに導くことができます。住宅業界のサイトナビゲーションをいくつか例にあげてみましょう。

2社はサンディエゴの地元に根付いた企業で、1社は全国展開している企業のサイトです。事例のAとBでは選択肢も限られていて、わかりやすいナビゲーションになっています。一方、事例Cは選択肢が多く、3つの異なるナビゲーションバーがあります。これでは、混乱を招くと同時に、訪問客が選択肢の多さに圧倒されてしまい、探している商品を見つけられない可能性が高くなります。

※外部サイトにジャンプします

トップページにボタンを大量に表示して、消費者を圧倒するのは止めましょう。ボリュームの多いサイトなら、トップのナビゲーションはいくつかの「カテゴリ」のみを表示して、ドロップダウンで選べるようなシンプルなナビゲーションにしてください。

トップページはシンプルであることが大切です。ナビゲーションをいくつかの重要なカテゴリに集約できれば、見込み客は購入ページに流れていくでしょう。

簡単なサインアップ

我々の承認欲求をすぐ満たしてくれる技術の発展とともに、人々はさらにつながるようになりました。時間の有効活用を意識する消費者のために、サイト内で時間が短縮できるよう注力すれば、クリックが売り上げにつながる可能性が高まります。入力フォームに関して言えば、短く、楽しいフォームがオススメです。

Take Lyft社を例に見てみましょう。一見、電話番号の入力だけで利用できるように見えますが、実際に利用しようとすると他の情報も提供しなければいけません。

消費者がチェックアウトに使用できる時間は数分です。2018年は、入力作業を数分内に終わらせるために、本当に重要な情報のみに絞りましょう。名前、メールアドレス、そしてパスワードでサインアップ。その後、購入するタイミングで「購入フォーム」に記入してもらうようにしましょう。

フォームを2段階に分けることで、今後のマーケティングに活用できるメールアドレスを取得できます。また消費者は、フォーム入力にかかる時間が短く感じるため、ブランドにより親近感を持ちやすくなります

画像と透明性

消費者は美しい画像に惹かれるため、商品を販売する時は質の高い写真で、センスの良いグラフィックデザインを用いましょう。画像によって消費者を引き付け、商品やサービスの良さを伝えていきましょう。2018年は、楽しいグラフィックと動きのある商品写真がコンバージョンに寄与するでしょう。MailChimpColorescienceChewyなどが良い例です。

倉庫で撮影したような写真を使用しているなら、すぐに止めましょう。Z世代やミレニアル世代は、ブランドの透明性を求めています動きのない、非現実的な写真や商品情報の不足は、売り上げに悪影響を及ぼします。関わるブランドに関して、すべての点で透明性を求める消費者のために、画像や商品詳細も変更しなくてはいけないのです。

テスト

消費者のニーズと希望にあわせて商品を開発するように、Webサイトも同じアプローチで作りましょう。キャッチコピーやレイアウト、画像以外に、Webサイトに関わる多くの部分をテストすることで、消費者に何が響いて、どうすればコンバージョン率が上がるのかを見極めることができます。良いと思っていることが、必ずしもうまくいくとは限りません。ですから、Webサイトを大きく変える前に、テストすることが重要なのです。

プロのアドバイス

購入につながっていないページもテストしましょう。見込み客がWebサイトのどのページから入ってくるかわかりません。多くの企業がこの点を見逃して、機会を損失しています。たとえば、Coinlookupの404ページは、昔のユーザーや古いURLをも見込み客に変えるすばらしい事例です。

Coinlookupの404ページ

まとめ

2018年、セールスファネルを改善するための方法は数百以上あるでしょう。改善プロジェクトを進めるうえで重要なのは、データと分析の2つです。この2つが、意思決定を下す際に大切になります。データを見れば、勘に頼ることなく、リサーチ結果や業界トレンドに基づいた決断ができます。そしてさらに、分析を加えれば、データに基づいた決断が正しかったのかどうか確認できるのです。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア「Internet RETAILER」の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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Internet RETAILER

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