瀧川 正実 2022/1/17 11:00

インターファクトリーが1月17日に提供を始めた中小規模EC事業者向けのECサイト構築サービス「ebisumart zero」。サービスのテーマは“事業成長”。中堅・大規模EC事業者向けのクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」の技術とノウハウを活用しており、「ebisumart zero」から「ebisumart」の移行を低コストで簡易的にできるようにしている。「事業拡大を見据えてこれからECを始める」「ローンチ段階はコストを抑えて将来的にはEC事業を拡大する」といった事業者をターゲットに、「ebisumart zero」を展開していく。

「ebisumart」へのスムーズなシステム移行で成長支援がテーマ

「ebisumart zero」は中小規模EC事業者向けだが、無料のショッピングカートASP、その上のレイヤーであるカートASPやECプラットフォームとターゲットを異にする。

新型コロナウィルス感染症拡大で多くの問い合わせがあったが、以前より「無料カートASPから乗り換えたいが、現在の事業規模と『ebisumart』が合わない」「最初はスモールスタートし、将来は拡大していきたい」といった意向で、「ebisumart」の導入を見送った企業は少なくない。(高橋亮人執行役員兼システムソリューション部長)

インターファクトリー 高橋亮人執行役員兼システムソリューション部長
インターファクトリー 高橋亮人執行役員兼システムソリューション部長

まだ規模感が合わない、将来成長させたいが最初はスモールスタートしたい――。EC事業へ投資していく企業に対して、事業成長を見据えたECサイト構築・運用の環境を整えられないか。こんな視点で着手したのが、新サービスの開発プロジェクトだった。

クラウドコマースプラットフォーム「ebisumart zero」のテーマは成長。通常、スモールスタートのECサイト構築・運営には、ショッピングカートASPを使用するケースが多い。事業規模が拡大すると、パッケージなど今まで使っていたASPより上のレイヤーにあたるECサイト構築サービスに移行することがほとんど。

「ebisumart zero」のターゲット
「ebisumart zero」のターゲット

そこで直面するのがシステムの乗り換えだ。商品・カテゴリやコンテンツ、顧客データといったデータ移行、デザインの引き継ぎなど、システムの乗り換えにはかなりのコストと労力を要する。

消費者から見ると、CX(カスタマーエクスペリエンス)が阻害される点もある。たとえばアカウントのリセット。顧客データの移行に伴いアカウントがリセットされるため、改めて会員登録をしなければならないといった手間が発生する。

「ebisumart zero」はこうした課題を解決する、スモールスタートしたい中小規模事業者向けECサイト構築サービスとして展開するため、「ebisumart」の基盤で開発。カスタマイズなど柔軟に、より規模を拡大して運営する際には「ebisumart」へスムーズにシステム移行できる環境を用意した

たとえば、「ebisumart zero」から「ebisumart」へシステム移行する場合、アカウントリセットは発生せず、消費者が改めて会員登録するといった手間も発生しないという。設計などの手間、データ移行の労力なども抑えることができるとしている。

機能について

「ebisumart zero」は「ebisumart」よりもカスタマイズ性が低く、一部機能を制限している

たとえばメルマガ会員は5万アカウント、商品点数は3万点、会員数は15万アカウントまでといった制限がある。

一部機能は制限があるものの、「ebisumart」の基盤で動いているので、機能やセキュリティ基準は時流に合ったもので、費用も安く利用することができる。(高橋氏)

初期費用は10万円、月額費用は保守費用として5万円。受注手数料として1受注あたり50円がかかる。

「ebisumart zero」と「ebisumart」の機能比較
「ebisumart zero」と「ebisumart」の機能比較

「ebisumart zero」は「ebisumart」と同じプラットフォーム上で動いているので、安価に移行することが可能。機能に制限があるが、事業が成長すれば「ebisumart」へ乗り換え、カスタマイズを利用してやりたいことを実現してもらいたい。(高橋氏)

カートや商品ページなどをHTMLで自由にデザインすることが可能。1月17日時点では5つのデザインテンプレートを用意した。初期費用の10万円には、デザインの調整費用が入っているという。

「ebisumart zero」の機能補完はアプリマーケットで

「ebisumart zero」はノンカスタマイズプラットフォームのため、拡張性に課題がある。それを解決する手段として、アプリマーケットを採用する方針。

パートナー企業が、「ebisumart zero」利用企業に求められるアプリを開発し、販売できるようにする

多くのパートナー企業が参画できるようにし、「ebisumart zero」の拡張性を補完していく。

「ebisumart zero」のトップページ
「ebisumart zero」のトップページ
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