Amazonがビジュアル検索とショッピングSNSに力を入れている理由とは?
Amazon(アマゾン)はホーム関連グッズとアパレルカテゴリーで、画像によるブラウジングと商品検索を可能にし、オススメの商品ページにソーシャル共有プログラム「Spark」(編注:画像を中心としたアマゾンのSNS)を統合しました。
アマゾンは米国向けの自社サイトにビジュアルマーチャンダイジングと、商品レコメンドツールを取り入れることで、消費者のブラウジングや買い物方法を変えようとしています。
アマゾンは「Scout」と呼ばれるブラウジング方法を導入しました。消費者は大量の商品写真のなかから、興味のある商品を親指の向きが違うアイコンを使って「好き」か「嫌い」か振り分けることができます。親指が上向きの「好き」ボタンを押すと、すぐにページがリロードされ、類似商品が表示されます。検索ツール「Scout」を紹介する動画のなかで、アマゾンは「『Scout』を使えば、テキストを必要とせず、ビジュアルだけで買い物ができます」と説明しています。
アマゾンが注力するホームグッズとアパレル
現在、「Scout」の検索機能が使えるカテゴリーはまだ限られており、家具、ホームデコレーション、照明、キッチン、ダイニング、パティオ、寝具、女性用の靴でしか利用できません。
たとえば、ホーム用品を取りそろえるアマゾンホームのランディングページに飛んだ消費者は、上部のナビゲーションから「Scout/Style Explorer」と書かれたボタンをクリックすれば、「Scout」を使うことができます。画面下の「YOUR JOURNEY」と書かれたバーには、ブラウジング中に消費者がクリックした商品が表示されます。
ホームグッズとアパレルは、アマゾンが力を入れているカテゴリーです。アマゾンはこれまでに70近いアパレルのプライベートブランドを立ち上げ、ホームカテゴリーでも昨年、RivetやStone & Beamといったプライベートブランドを打ち出しました。
女性用ハンドバックや洋服、おもちゃなど、他のカテゴリーにも「Scout」を追加する予定です。
モバイルで注目されるビジュアル検索
消費者がモバイルデバイスで買い物する機会が増えたため、テキストベースの検索ではなく、ビジュアルでの検索に小売事業者と広告プラットフォームは注目しています。
先月、10代向けのアパレルブランド、フォーエバー21がビジュアル検索とナビゲーションツールをサイトに追加しました。一方、画像に特化したソーシャルメディアのインスタグラムは広告の選択肢を拡大し、グーグルも先週、2つの画像をベースにした広告フォーマットを追加すると発表しました。
アマゾンは、モバイルアプリでは2017年初頭から利用可能だった「Spark」を、PC用サイトにも統合。「Spark」は「Pinterest」のようなソーシャル共有プログラムで、アマゾンのプライム会員は好きな商品を集めて、一般向けに公開できます。
デスクトップのサイトでは、「毎日何か新しい商品を」と書かれた「Interesting Finds」と呼ばれるビジュアルブラウンジングツールのなかに「Spark」が統合され、テキスト検索の上に表示されています。
「Interesting Finds」は1年以上も前からアマゾンに搭載されているビジュアルブラウジングのツール。「Scout」と同様、好きな商品にハートのマークを付けることができます。次回以降のサイト訪問時には、「新しい商品」のセクションのなかに表示されている商品は、より消費者の興味に即したものに改善されています。
Sparkの導入により、消費者は興味のあるカテゴリーをクリックすることで、表示される商品をよりカスタマイズできるようになりました。