Digital Commerce 360 2018/10/11 7:00

チェックアウトの最適化によって、Webサイトでもモバイルアプリでもコンバージョンを大きく伸ばすことができます。そんな優れたチェックアウトを提供するための5つの方法を紹介します。

チェックアウトの最適化は、eコマースが収益を上げ、すばらしいカスタマーエクスペリエンスを提供するために非常に重要です。現在、カート離脱率は75%以上で、そのうち約30%がチェックアウトのページで離脱し、収益につながっていない状況です。チェックアウトの最適化によって、Webサイトでもモバイルアプリでもコンバージョンを大きく伸ばすことができます

ショッピングカートでのカート離脱率に関する世界平均値(Barilliance調査)
カート離脱率(カゴ落ち率)の世界平均値やデバイスごとの平均値。モバイルでの世界的なカート離脱率の平均値は77.8%(画像は編集部が調査会社Barillianceの『Black Friday 2017 Cart Abandonment Stats』の資料から追加)。

オンラインショッピングは、急成長している業界です。顧客獲得とリテンションは、成長戦略において両方とも重要ですが、簡単で使いやすいチェックアウトシステムがあれば、両方とも叶えることができます。

最近の個人情報問題もあり、消費者は多くの個人情報を提供したがりません。このような状況から、オーダーを処理するのに必要な情報をもらいつつ、消費者が簡単にチェックアウトを完了できるようにするのが、効果的な戦略なのです。

ビジネスの形態によって最適化の方法は少し変わるかもしれませんが、顧客に素晴らしいチェックアウトを提供するために、今すぐ取り組める5つの方法を紹介します。

1. フレキシブルで、レスポンシブ対応の使いやすいショッピングカート

消費者が簡単でスムーズにショッピングカートに商品を追加したり削除したりできるようにしましょう。また、変更がなされたらすぐにページがアップデートされ、消費者がリロードしなくても変更が反映されるようにしてください。カートへの商品追加や削除がスムーズに行われないと、満足度が下がる、もしくは顧客を失うことになるでしょう。

さらに、チェックアウトシステムをモバイルデバイスに最適化しましょう。Forrester社の調査によると、全米の小売販売の3分の1以上がモバイル経由で行われています。小さいスクリーンでも問題なく動くチェックアウトページにすることが重要です。請求先と配送先の住所を自動で表示する機能があれば、消費者のチェックアウトプロセスが短縮され、より使いやすいページになります。また、できる限り多くの支払いオプションを設けておきましょう。

2. シンプルでわかりやすいページにする

チェックアウトの最中に邪魔になるような不必要なデザインを避けましょう。一般的に、シンプルデザインを心がけ、最低限必要な4つの要素、「チェックアウト」「配送情報」「支払い」「確認」のみを入れましょう

配送料や税金を最後のページで追加して、ギリギリまで金額を伝えないと、消費者は最後のページで離脱します。面倒なポイントが少なければ少ないほど、コンバージョン率が高くなる可能性が増えます。また、プライバシーの保護にも気をつけましょう。チェックアウトページは、HTTPSを利用してください。

3. ステップを最小限にとどめる

チェックアウトプロセスのステップは最小限にしてください。セフォラやソニーといった大きな小売事業者は、チェックアウトで8つ以上のステップを要求してきましたが、これらのブランドの需要は高く、世界中の消費者から信頼されています。一方、アマゾンは、既存の顧客が1ステップで買い物ができるよう、最小限までクリック数を減らしています

小さなスタートアップビジネスでは、チェックアウトは3~4ステップに抑えるのが良いでしょう。それ以上多くなると、離脱する消費者が増えます。また、進捗状況を視覚化することで、チェックアウトプロセスの全体像を消費者に見せることも大切です。それぞれのステージで、どんな情報が必要になるのかを消費者が理解すると同時に、いつでも注文を見直せるようになります。

Baymard Instituteの調査では、カート離脱理由の上位3番目に「長すぎる/複雑すぎるチェックアウトプロセス(28%)」が挙げられている
※編注:Baymard Instituteの調査資料を編集部がキャプチャして追加
https://baymard.com/lists/cart-abandonment-rate

4. 分析して最適化する

チェックアウトページのA/Bテストを行って、どちらのコンバージョンが良いかテストしましょう。スムーズで、速くて、トラブルのないチェックアウトプロセスを提供することが目標です。そうすれば、購入した後、将来またサイトに戻ってきてくれる可能性が高まります。一方、複雑で難しいチェックアウトには、まったく逆の効果しかありません。

たとえば、「いますぐ買う」ボタンを使って、追加情報の記入やカートの見直しをさせずに、すぐに支払いページに遷移させる方法を考えているとします。その場合は機能をテストして、実際にコンバージョンが上がるのか、それとも消費者は従来の方法を望んでいるか確かめましょう。

5. チェックアウトをすべて取り払う

ビジネスの種類によっては、サブスクリプションモデルを導入することも考えられるでしょう。サブスクリプションであれば、支払い情報を再入力する必要もなく、決まった間隔で商品を受け取ることが可能です。

1回の購入では顧客と長期的な関係を築くのは難しいですが、何度も顧客と接点を持つ機会があれば、自社のサービスを改善していくことができます。複数のサブスクリプションプランを用意すれば、それぞれに違ったプロモーションを展開できると同時に、収益と顧客価値を最適化するための価格戦略も立てやすくなります。

◇◇◇

ユーザーエクスペリエンスでは、すべての要素が大切で、どれもがコンバージョン率に影響を及ぼしますが、商品購入に至る最後のページであるチェックアウトページが鍵を握ります。

コンバージョン率、ショッピングカート離脱率、割引やプロモーションの成果など、ポイントとなる数値を理解することで、CPAを低く保ちながら、収益と顧客ロイヤルティを上げる最善の方法を見つけることができます。ビジネスで売り上げを伸ばすために、チェックアウトプロセスに投資をすることは長期的なリターンをもたらすのです。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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