スマホEC時代の新しいカゴ落ち対策。入力スピードや離脱軽減に役立つフォームの「1画面1質問」形式、知ってますか?
ECサイトのカゴ落ち対策はEC実施企業が抱える永遠の課題です。スマートフォンで買い物をする消費者が増え、EFO(エントリーフォーム最適化)に苦心する事業者は少なくないでしょう。スマホで買い物をするユーザーにストレスなく個人情報を入力してもらうためにどうすればいいのでしょうか? 1画面に多数の入力フォームを掲載する一般的なエントリーフォームではなく、1問1答形式の入力フォームが最近、注目を集めています。
消費者の26%がカートのフォーム入力でつまずいている
ECサイトにおいて、消費者が商品をカート(買い物かご)に入れた後、決済せずにサイトから離脱することを「カゴ落ち(カート離脱)」と言います。
実店舗であれば、消費者が買い物かごに入れた商品を、決済しないということは少ないですが、ECサイトにおけるカゴ落ち率は、なんと平均69.57%にものぼることがわかっています。
カゴ落ち率を下げることは、ECサイトの売上アップと直結します。では、消費者がカゴ落ちする理由は何なのでしょうか?
Baymard Institute(ベイマード・インスティテュート)の調査によると、消費者の55%が、配送料、消費税、手数料といった追加コストの高さをカゴ落ちの理由にあげています。
この中で注目すべきは「チェックアウトプロセスが長すぎた/複雑すぎた」という理由が3番目に多いこと。つまり、カートステップの問題が26%を占めているという点です。
1位の「追加コストが高すぎた」という点を改善するには、全体の利益構造含めたサービス内容の見直しが必要ですが、カートステップの問題であればすぐにでも改善可能です。その手法としてよく知られているのが「EFO(エントリーフォーム最適化)」です。EFOのツールは数多く存在しますが、メインの機能は「入力支援」です。
- 漢字の名前を入力すると、ふりがなが自動で入力される
- 郵便番号を入力すると住所が自動で入力される
- 半角/全角が項目によって自動で変換される
上記のようなフォームの入力を支援する機能を追加することにより、カゴ落ちを防止が期待できます。
スマホでのフォーム入力に最適化した「1画面1質問」形式
ですが、こうした入力支援だけでは「チェックアウトプロセスが長すぎた/複雑すぎた」という離脱理由の解決には不十分です。
最近ECサイトで導入され始めているのが、「1画面1質問」形式にデザインが変わるEFOツールです。ここ数年、スマートフォン利用者がPC利用者を上回るECサイトが増えている中で、「1画面1質問」はスマートフォンでの入力に最適化したものです。
「1画面1質問」とは、その文字の通り入力項目が1画面に1項目表示され、その入力が完了したら「次へ」ボタンをタップし、次の項目が表示される形式です。画面に表示される情報を少なくシンプルにすることで、その情報の入力のみに集中でき、フォームが「長すぎる」「複雑すぎる」といったストレスの緩和が期待できます。
画面下には全設問数と現在の項目番号を示すプログレスバーが表示されているので、進捗状況を確認できます。また、エラーが発生すると次ページに進めないため、「すべて入力した後にエラー箇所に戻って入力し直す」といった従来型のフォームによくあるイライラもありません。
「1画面1質問」の導入でCVR123%改善した事例も
実際に「1画面1質問」のEFOを導入した企業で、入力支援のみのEFOツールを利用していた時と比較して、入力完了率が123%改善されました。
特筆すべきは、入力項目数が同じで、画面数が増えているにも関わらず、入力開始から完了までの入力時間が110%も改善されたことです。消費者がサクサクを入力できていることが、数字からもわかります。
昨今の社会情勢から、初めてECを利用するシニア層も増えている中、カゴ落ち対策は急務になっています。こうした対話型入力フォームは最近、さまざまな企業がEFOツールとしてリリースしています。「対話型入力フォーム 」「対話型フォーム」といったキーワードで検索し、ぜひチェックしてみてください。