Digital Commerce 360 2018/10/18 7:00

Amazon(アマゾン)のマーケットプレイスが複雑さを増すなか、ビジネスを成功に導くには、強固なポートフォリオ分析戦略をとることが、さらに重要になってきています。

アマゾンのマーケットプレイスは、オンライン事業者にとってますます重要な場所になっています。昨年、全米のeコマース消費1ドルにつき、44セントはアマゾンで使われていました。2020年には1ドルにつき58セントをアマゾンが占めると予想されています。現在、商品検索の半分以上はアマゾンの検索窓から始まります

ネット通販利用者の58%はアマゾンで検索をはじめる
消費者がオンライン上で商品検索をスタートするサイト
・アマゾン:58%
・検索エンジン:20%
・各社ECサイト:18%
・その他:4%
(編注:Market Track社発表の動画を編集部がキャプチャして追加)
https://markettrack.com/digital-shelf

アマゾンを通じて販売すれば、得られる収益機会は大きくなりますが、多くのオンライン事業者が理解していないことがあります。アマゾンで成功するには単に商品をおすすめしたり、Buy Boxを獲得したりするために価格を調整する以上の、大変洗練されたアプローチが必要だということです。

編注:アマゾンのBuy Box(日本ではショッピングカートボックスと呼ばれる)を獲得した事業者は、一番目立つ位置に「カートに入れる」ボタンが掲載される。

アマゾンのマーケットプレイスが複雑さを増すなか、ビジネスを成功に導くには、強固なポートフォリオ分析戦略をとることが、さらに重要になってきています。カタログを管理する包括的なアプローチを取ることによって、小売事業者もブランドも数字のなかに価値あるインサイトを見いだすことができると同時に、リスクを特定し、生産性を高め、ビジネスにとってもっとも重要な分野に注力できるようになるのです。

以下にご紹介するのは、小売事業者とブランドがアマゾン内で成長し、ストアの可能性を最大限に生かすためのポートフォリオマネジメント戦略です。

売れていない商品を動かす

販売事業者がアマゾンの「セラーセントラル」にログインすると、売れ筋商品とそうでない商品がすぐにわかります。しかし、ビジネスの成長に関係のある商品がどれなのか見極めるには、さらに詳しく見ていく必要があります。

まず、売れていない商品を2つのグループに分けましょう。在庫があって売れていない商品と、在庫もなくて売れていない商品に分けるのです。在庫がない商品に関しては、長期間動きがなく、今後も売れる見込みがないのであれば、その商品は清算した方がいいでしょう。3~6か月ごとにレビューをし、売れていない商品にコストがかかっていないかどうか確認しましょう。

在庫がある商品に関しては、どうして売れていないのかを突き止める必要があります。トラフィックやコンバージョンに関係があれば、Buy Boxのシェアが低いことになります。コンテンツや画像を強化して、毎月の動きをモニタリングしましょう。

2:8の法則を活用する

2:8の法則とは、20%の商品の売り上げが、全体の売り上げの80%を生み出すという法則です。売れ筋商品数はビジネスの大きさや商品カテゴリーによって変わりますが、プライオリティとなる商品は簡単に決定できるでしょう。

ビジネス戦略において2:8の法則を活用するために、売れ筋商品に注力しましょう。そうすれば、時間をより効果的に使うことができるようになります。

実現可能な売り上げと利益幅を設定する

目標設定を行うとき、売り上げと利益幅を切り離して考えてはいけません。両方を注意深く分析してください。目標を決めるうえで、ポートフォリオを5つの視点で分解してみましょう。

1. 売り上げが大きく、利益幅も大きい

売り上げは販売数か金額を示しています。売り上げが大きく、利益幅も大きい商品は、常に十分な在庫を確保しておく必要があります。商品調達が間に合わない場合は、価格を上げて最大の利益幅を確保することも可能です。これらの商品は定期的に見直し、Buy Boxでのシェアも確認しましょう。

2. 売り上げは大きいが、利益幅は小さい

アマゾンでビジネスを展開する場合、ワンパターンの戦略では通用しません。しかし、利益幅が小さくても目標を達成できる可能性があれば、売り上げは大きいけれど、利益幅が少ない商品も検討する必要があります。

3. 売り上げは小さいが、利益幅は大きい

このような場合、なぜその商品の動きが遅いのか理由を突き止めることが大切です。見せ方の問題なのか、コンバージョンが課題なのか? 広告を増やして、価格を調整すれば、売り上げを効果的に伸ばせるかもしれません。

4. 売り上げが小さく、利益幅も小さい

販売事業者はまず、これらの商品がビジネスのなかでどのような位置付けにあるのかを考え、売り上げも利益幅も小さい理由を理解しなければいけません。それらがわかったうえで、どのような広告キャンペーンや露出を行い、競合の動きはどうかなど、他の要素も分析しましょう。

5. 利益を生まない

損失を出している商品です。清算できていない場合は、価格を上げるなどの対策を考えましょう

上記のような商品管理をすることで、貴重な時間を効率的に使うことができるようになり、ビジネスの成功に寄与する部分にリソースを割くことが可能になります。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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