Amazon(アマゾン)と競争するのではなく、圧倒的な販売力や集客力を持つアマゾンを自社サイトのPRのために利用することができます。その方法を説明しましょう。

小売業界は大きな変化に直面しています。変化の1つに、D2C(Direct to Customer)ECがあります。今の時代、D2Cチャネルが長期間にわたる顧客との関係構築に一番効果的と考えるブランドが多く、継続的な成功やカスタマーのロイヤルティアップに欠かせなくなっています

同時に、アマゾンの拡大を無視することは難しいでしょう。2017年に、アマゾン経由の流通額は全米EC市場の44%ものシェアを占めました。そして、多くの消費者にとって、オンラインで商品を買おうとする時、アマゾンが出発点になっています。

Amazonの流通額は、米国EC市場の44%を占める(2017年)
Amazonの流通額は、米国EC市場の44%を占める(2017年)
(編注:MAツール提供のspringbot社発表の資料を編集部がキャプチャして追加)
https://www.springbot.com/blog/ten-2017-ecommerce-stats-learn-use-2018/

実際、アマゾンはGoogle(グーグル)をも抜き去り、Web上で最も人気の高い商品検索エンジンになっています。アマゾンでの検索ボリュームは、グーグルの約3倍です。

ネット通販利用者の58%はアマゾンで検索をはじめる
消費者がオンライン上で商品検索をスタートするサイト
・アマゾン:58%
・検索エンジン:20%
・各社ECサイト:18%
・その他:4%
(編注:Market Track社発表の動画を編集部がキャプチャして追加)
https://markettrack.com/digital-shelf

アマゾンをマーケティングツールとして考える

オムニチャネル化が進むなか、D2Cを展開しているブランドは、アマゾンをマーケティングツールとして考えることができるでしょう。自社商品の認知度を高めるために、アマゾンが持つ巨大なリーチ力を利用するのです。アマゾンを販売チャネルではなく、PRツールとして考えれば、D2Cチャネルを最優先にしつつ、アマゾンが抱える何百万の顧客に自社製品を見てもらうことが可能です。

消費者のロイヤルティを高めるうえで、ブランドサイトは最もパワフルなツールになりますが、正しいやり方をすれば、アマゾンの巨大なマーケットプレイス内でブランドの認知度を高め、すぐ購入に結びつく消費者を自社サイトに送客することが可能です。

お客さま第一主義のナイキでさえも、競争力を保つためにはアマゾンでの存在を高める必要があるという判断に達しました(編注:ナイキは2017年にアマゾンと直接取引を開始した)。

ブランドはアマゾンの力を利用して、価格設定やブランド価値を管理しつつ、自社のD2Cチャネルに送客することが可能です。いくつかの戦術を使ってアマゾン顧客を自社サイトに呼び込み、より多くの選択肢やスペシャルキャンペーン、割引などを見てもらいましょう。それには、次の4つの方法があります。

  1. アマゾンを見込み客の獲得ツールとして利用する
  2. アマゾンの検索広告で露出を高める
  3. アマゾンストアで魅力的なブランドエクスペリエンスを提供する
  4. アマゾンをSEOの一環と考える

1. アマゾンを見込み客の獲得ツールとして利用する

ブランドは、戦略的にアマゾンでの掲載商品の数を絞ることによって、アマゾンを見込み客の獲得ツールとして利用できます。その後、消費者をより幅広い商品を提供している自社サイトに呼び込むのです。

ブランドは、アマゾンの膨大な数の顧客と検索トラフィックのおかげで、自社サイトに消費者の関心を向けることができます。この方法で、消費者との良好な関係を直接築くことができるのです。

たとえば、高級ヘッドフォンを販売するブランドであれば、最も手軽でベーシックなモデルのSKU(Stock Keeping Unit、商品管理の最小単位)のみアマゾンで販売し、他の商品(色やサイズが豊富な商品など)を自社サイトで提供することができます。そうすれば、最適な商品を探している消費者をブランドサイトに導くことができるのです。

2. アマゾンの検索広告で露出を高める

「アマゾンマーケティングサービス」(AMS)と呼ばれるアマゾンの検索マーケティングプラットフォームは急成長を遂げており、広告の収益でグーグルに迫る勢いです。商品検索でトップのアマゾンを、マーケティングツールとして利用する方法を考えなければいけません。

消費者が世界最大のECプラットフォームで商品を探している時に露出を高める方法として、スポンサー商品広告やヘッドライン検索広告は、すばらしい方法です。

アマゾンのヘッドライン検索広告
ヘッドライン検索広告のイメージ(画像はAMSの資料から編集部がキャプチャ)

3. アマゾンストアで魅力的なブランドエクスペリエンスを提供する

アマゾンは「アマゾンストア」と呼ばれる特定ブランドのランディングページを作ることで、ブランドがアマゾン内でより大きな存在感を出すことをやっと認めました。ランディングページでは、ブランドは大きな画像が動画、企業文化や歴史などを利用して、商品を紹介することが可能です。

リュックサックをD2Cで販売するDime Bagsは、アマゾンストアを利用して、ブランドの機能性や品質を上手に打ち出すことに成功しているブランドの1つです。

Amazonストアでは、ブランドオリジナルのページを作成できる(編注:編集部がDime Bagsのストアページをキャプチャして追加)

アマゾンストアは、厳選された商品ラインナップを紹介し、ブランドのビジョンやスタイルを伝えるのに強力なツールになり得るのです。

4. アマゾンをSEOの一環と考える

アマゾン内での商品検索ボリュームを考えると、非常に大きなSEO効果があると言えます。キーワードによっては、グーグル検索よりもアマゾンでのリスティングの方が上位に来ることもあるでしょう。このような状況を嘆くこともできますが、アマゾンでのリスティングを最適化し、ブランドの露出を高める機会と捉えることもできるのです。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア「Internet RETAILER」の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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