渡部 和章 2019/12/9 9:00

野村総合研究所(NRI)はICT(情報通信技術)やメディアに関する市場調査レポート「ITナビゲーター2020年版」をこのほど公表した。レポートでは「BtoC EC(消費者向けEC)」の2025年度の市場規模は27兆8000億円に拡大すると予測している。市場規模は2019年度の約1.4倍に相当する。

野村総研の推計では、2019年度の「BtoC EC」の市場規模は19兆5000億円。2020年度以降は20兆8000億円、22兆1000億円、23兆4000億円、24兆9000億円、26兆3000億円と成長が続く見通し。

また、消費者がインターネット上の情報を見た上で商品やサービスを購入する「オムニチャネルコマース」の2025年度の市場規模は、2019年度比で約1.4倍の80兆6000億円に拡大すると予測している。

野村総合研究所(NRI)はICT(情報通信技術)やメディアに関する市場調査レポート「ITナビゲーター2020年版」を公表、レポートでは「BtoC EC(消費者向けEC)」の2025年度の市場規模は27兆8000億円に拡大すると予測している
日本におけるオムニチャネルコマース市場とBtoC-EC市場について(NRIが公表した資料から編集部がキャプチャ)

「ITナビゲーター2020年版」はICT(情報通信技術)とメディアに関連する主要な5つの市場(デバイス/ネットワーク/コンテンツ配信/xTech/IoT)について、2025年度までの市場動向の分析と市場規模の予測を行ったもの。12月4日に一部資料を公表した。

「B2C EC」の定義

同社が試算した「B2C EC」の対象は、インターネット経由で一般消費者向けの商品やサービスを販売する市場。携帯電話端末やスマートフォンなど、携帯電話回線を介したインターネット経由の販売金額も含む。また、ホテル予約など、店頭で決済を行う場合でもオンラインで予約したものは含まれる。

自動車や不動産の見積もりをネット経由で行うなど、契約がネットで完結しないものは含まない。オンラインの金融サービスや音楽・映像・eラーニングといったデジタルコンテンツ、ネットを介した公営競技やオークションも含まない。

「オムニチャネル・コマース」の定義

「オムニチャネル・コマース」の定義は、最終的な購買経路がインターネット経由かリアル店舗かを問わず、一般消費者向けの商品やサービスを、インターネット上の情報を見たうえで購入、利用すること。「オムニチャネル・コマース」の市場規模には「B2C EC」の市場も含まれる。

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