高野 真維 2022/11/8 7:30

プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営するPR TIMESは10月28日、プレスリリースの可能性拡大に貢献した企業と担当者を表彰する「プレスリリースアワード2022」の受賞企業10社を発表した。

クラダシ、池部楽器店、nakatxといったECを手がける事業者を多数選出した。

総エントリー1412件から受賞企業10社を選出

「プレスリリースアワード」は、 PR TIMESが2021年から実施。1年間に日本国内で発信されたプレスリリースを対象にエントリーを受け付け、社会性・公共性・共感性・将来性などの視点から、プレスリリースの可能性拡大に貢献したものを審査・選考し、表彰している。2022年の総エントリー数は1412件。

「プレスリリースアワード2022」の審査員8人はメディア関係者をはじめ、パブリック・リレーションズに関する見識を持つ人々で構成したという。受賞企業は次の通り。

インフルエンス賞

発信と活用により社内外へ最も広く好意的な影響をもたらしたプレスリリースに贈る賞。

受賞企業は老舗缶メーカーの側島製罐(そばじませいかん)。次のプレスリリースが受賞対象になった。

受賞理由は「ビジョンの下でとても真摯(しんし)にものづくりしてきた様子が伝わる、リブランディングの好例」などとしている。側島製罐は愛知県に本社を置く明治創業の製缶メーカー。

ソーシャル賞

社会とのつながりを表現し深めることに最も貢献したプレスリリースに贈る賞。受賞したのは池部楽器店。次のプレスリリースが受賞対象になった。

受賞理由は「募金活動の実施をはじめ、何よりも、音楽を楽しむ/楽器を奏でる経験そのものを、反戦・平和意識と結びつけ、音楽ファンにとって戦争を『自分事』として捉える機会を与えたのではないか」などとしている。

パブリック賞

情報の平等と信頼を実現することに最も忠実なプレスリリースに贈る賞。受賞企業はファブラボ広島安芸高田。次のプレスリリースが受賞対象になった。

受賞理由は「子どもたちが集めたボトルキャップが直接ガチャガチャの景品に変換されるという体験を分かりやすく説明している。プレスリリースの中で自動再生されるミニ動画が、見る人の目を楽しませる」などとしている。

エンパシー賞

受け手の心を動かし共感を育むことで最も飛躍したプレスリリースに贈る賞。フードロス削減に向けたECサイトを運営するクラダシが受賞した。次のプレスリリースが受賞対象になった。

受賞理由には「私たちのバレンタインは2月15日から始まります。」というコピーの秀逸さなどとしている。

ヒューマン賞

プロダクトや社員、顧客に対する愛と情熱が最も感じられるプレスリリースに贈る賞。公益財団法人筑波メディカルセンターが受賞した。次のプレスリリースが受賞対象になった。

受賞理由は「病院の家族控室が、クラウドファンディングの力を借りて温かみのある空間に生まれ変わった。リリースでは、支援にかかわった人たちの問題意識や思いをインタビュー動画などにまとめ、取り組みを改めて発信。プロジェクトの開始時だけでなく、終了後にもメッセージを発信することの意義を感じた」などしている。

ストーリー賞

人に語りたくなるストーリーを最も有しているプレスリリースに贈る賞。つまようじメーカーの菊水産業が受賞した。次のプレスリリースが受賞対象になった。

受賞理由は「さまざまな表現手法を駆使したプレスリリースの柔軟な活用法として、また広く人の心を揺さぶる家族と事業の物語の表現として、人に語りたくなるストーリーを持ったプレスリリースであり、印象に残った」などとしている。

特別賞

PR TIMESが表彰したいプレスリリースや発表者の行動を讃える賞。受賞企業は次の4社。

nakatx

和歌山グルメのネットショップ「チキンナカタ」を運営し、猫専用のこたつ付きみかんを販売するnakatxが受賞した。次のプレスリリースが受賞対象になった。

受賞理由は、「数種の猫のタイプの写真を使うことで、より理解や興味を深めることにつながっている。一度見たら、このビジュアルを人に是非見せたいと思う作品」としている。

ひさだアートインダストリー

ひさだアートインダストリーによる次のプレスリリースが選出された。

受賞理由は「流行の言葉に流されることなく、地域のお店だからこその視点をもち、かつそれを丁寧に言語化し、発信する姿勢は、大変目を引くものだった。なぜ持ち込み容器にしないのか、衛生面への配慮とその説明も説得力がある」。

Creative Project Base

Creative Project Baseによる次のプレスリリースが選出された。

受賞理由は「日本全体の課題であるイシューを、非常に素晴らしい取り組みによってシンプルに伝えている。国内向けのプレスリリースでありながらも、国外を見据えた内容で大変好感が持てる」とした。

ettü(エトュ)

クラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」を利用して自社商品の応援購入を募ったettüの、次のプレスリリースが選出された。

受賞理由は「何を贈ったらいいのか迷いがちな『出産祝い』をタイトルに入れ、『あなのあいた靴下を贈ろう』のコピーを付けた画像で読み手の関心を引き付けてる。あながあいていることで、靴下を履かせやすいメリットにも訴求。さまざまな気づきを与える内容になっている」などとした。

SDGsに関連した発信やイベントに関連するリリースが増加傾向

PR TIMES MAGAZINE編集長兼プレスリリースアワード2022運営責任者の丸花由加里氏は、今回のアワードを振り返って次のようにコメントを発表している。

昨年のエントリー(応募対象:2020年10月1日~2021年9月30日)は新型コロナウイルス感染症にまつわる発信が多く見られたが、今回のエントリー(応募対象:2021年9月1日~2022年8月31日)は、SDGsに関連した発信やイベントに関連するエントリーが増え、私たちを取り巻く環境が変わっていることを物語っている。

単なるニュースの発信でなく、受け取り手に共感や人に行動を促すものが多数。近年よく発信されるクラウドファンディングや資金調達に関する発表や新商品・新サービスの発表にも必ずと言ってよいほど、発表にまつわるストーリーや担当者の想いが書かれている。発信の目的やこだわり、発信後の効果などのエントリー企業から寄せられたコメントからは、発信1つひとつに対する熱量を感じることができた。(丸花氏)

「プレスリリースエバンジェリスト」表彰式も同日開催、ユーグレナの広報宣伝部長など選出

「プレスリリースエバンジェリスト」の表彰式も実施した。「プレスリリースエバンジェリスト」の定義は、「プレスリリースへの愛と知識と経験を持ち、プレスリリースの活用を周りへ広める、PR TIMESが公認する個人」。

EC業界からは、ユーグレナの広報宣伝部長を務める北見裕介氏や、フェリシモの広報部に所属する中島健太郎氏などを選出した。

選出された「プレスリリースエバンジェリスト」9人
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