決済手段の追加コストを10分の1に削減。GMO-PGが決済サービスに新接続方式「OpenAPIタイプ」を導入
GMOペイメントゲートウェイは、オンライン総合決済サービス「PG マルチペイメントサービス」をメジャーアップデートし、新たな接続方式「OpenAPIタイプ」の提供を開始した。
日数・工数を削減し、コストを従来の10分の1に
新たに追加する決済手段ごとの個別開発の日数・工数を削減し、追加コストを従来の10分の1(GMOペイメントゲートウェイ調べ)に削減できるようにした。
決済手段を増やす際、「開発リソースが確保できない」といった要因で導入が遅れるのが課題ではないか。こうした課題があることで、消費者のニーズをタイムリーに捉えられない。EC・オンライン決済、キャッシュレス決済をさらに加速させる時に阻害要因になっているのではないか。そう考え、新しい決済手段ということでアップデートを行った。
採用した「OpenAPIタイプ」とは
各決済手段のAPIをいくつかのグループに集約したAPIで提供する構造で、世界標準の「OpenAPI Specification(OAS)」に準拠した接続方式。「OpenAPI Specification」を用いたことで、エンジニアの学習コスト、コーディングやテストなどの開発工数、コードの保守性・再利用性向上による品質管理プロセスの効率化などが期待できるという。
決済手段選びはABテストの時代になる。コスト削減はもちろんだが、事業者にはいろいろな決済を気軽に試してほしい。最適な決済を試行錯誤できる環境を提供したかった。その先にいるユーザーがお気に入りの決済を使える状況が増える、ということを実現したい。
メジャーアップデートの背景
日本のキャッシュレス決済比率は年々上昇しているものの、2022年で36.0%と諸外国に比べて低い。日本政府は2025年までに4割程度、将来的には80%をめざしてキャッシュレス決済を推進している。
そのなかで、クレジットカード決済やコンビニ決済だけでなく、スマホ決済、後払いなど決済手段が多様化。GMOペイメントゲートウェイの小出氏は「決済手段の多さが日本の特徴。2008年は4種類だった対応決済手段が、現在は30種類を超える」と言う。
ECの支払いにおいてもオンライン・オフライン問わず利用できる決済手段のニーズが多様化。オンラインビジネスを行う事業者は、消費者ニーズに応えるためにさまざまな決済手段に対応する必要があるが、複数導入には決済手段ごとの個別開発が必要なため、費用や工数がかかるのが現状だ。
こうした背景を受け、さまざまな決済手段を一括で導入できるオンライン総合決済サービス「PG マルチペイントサービス」の接続方法を刷新し、「OpenAPIタイプ」の提供を始めた。
決済のテストマーケティングも実現できるように
ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」は、「PG マルチペイメントサービス」と連携している。「OpenAPIタイプ」の提供に際し、斉藤淳氏(ecbeing 上席執行役員 マーケティング本部 本部長)は、「さまざまな決済手段が提供されると、プラットフォームとしては都度対応していたが、決済ごとにルールが違うため対応に時間がかかっていた」と話す。
これまではコストを考えると決済面でのテストマーケティングができなかった。しかし、1つのOpenAPIを通じて提供できるので、ABテストを行えるようになる。テストマーケティングを行えるようになれば、決済のテストデータを蓄積できるため、プラットフォーム提供側としても、事業者に提どのような決済手段が良いか提案しやすくなる。(斉藤氏)