オイシックスは2012年に新たな物流センターを開設したのを機に、自社の食品通販・ECのノウハウを生かして三温度帯(冷凍・冷蔵・常温)の通販・EC物流を他社に提供する事業を開始した。現在、三越伊勢丹フードサービスなど3社がオイシックスの物流代行サービスを利用。今後さらに利用企業拡大を図っていく考えだ。
単価の安い商品も大量に梱包する物流ノウハウを提供
オイシックスが手掛ける物流サービスの特徴は、これまで自社で行ってきた物流のノウハウを活用し、単価の低い商品を多数ピッキングして箱詰めできる点。通販物流の場合、1商品だけの箱詰めを想定するケースが多く、単価の低い商品はセット売りなどで販売しなければない状況にある。
オイシックスでは1回の注文で平均15商品程度を消費者が購入しているため、多くの商品を1つの箱に梱包(こんぽう)する物流の仕組みを整備。物流代行サービスでも同様の仕組みを提供している。
「今まで単価の低い商品を売りたかったけれど、多数の商品をピッキングするため手間のかかる物流がネックになり、セット売りをしなければならなかったEC事業者もいるだろう。当社の物流サービスではこうしたニーズに対応し、今までと違った売り方を提案できる。他社との差別化を図るという点でも、利用価値は高いと考えている」(ソリューション事業部・川俣理晶副事業部長)
オイシックスの商品も併せて販売可能に
オイシックスが取り扱う商品を、導入企業のサイトで販売することができるようになることも、オイシックスの物流を使うメリットだ。
三越伊勢丹が運営する「エムアイデリ」では、オイシックスの商品も併せ販売している。「オイシックスの商品を合わせて販売することで、付加価値のある商品をまとめて購入できるなど、消費者にメリットを提供できる。また、賞味期限が短い商品を自社だけで売ろうとするとなかなか難しい。当社の商品と合わせて販売することで、賞味期限が短い商品も売りやすくなると考えられる」(同)。
ターゲットは食品を取り扱う事業者で、メーカーのEC参入にも対応していく考え。
「現在の物流センターは年商300億円まで対応可能なキャパシティを保有している。今まで以上に他社の物流を預かって、一緒に成長できればと考えている」(同)。
【物流サービス概要】
エリア | 物流センターの数 | 1拠点 | |
物流センター所在地 | 神奈川県 | ||
対応できる通販企業の所在エリア | 全国 | ||
自社の営業拠点があるエリア | 東京都 | ||
特徴 | 最も得意とする商材 | 食品 | |
物流センターの総面積 | 約6600㎡ | ||
契約中の物流センターの面積 | ━ | ||
契約可能な月間最低出荷個数 | 2000個以上を目安 | ||
メーンターゲットと想定している EC企業の出荷規模(月間出荷個数) | 4000個 | ||
年間の総出荷個数(通販荷物に限る) | 約360万件 | ||
現在の物流サービスの提供社数 (契約中の企業に限る) | 3社 | ||
主なクライアント(3社まで) | 三越伊勢丹フードサービス 他 | ||
対応商品 | 冷蔵対応の可否 | ○ | |
冷凍対応の可否 | ○ | ||
定温管理の可否 | ○ | ||
大型商品の取り扱いの可否 | 基本的に食品に特化 | ||
化粧品製造業免許の有無 | × | ||
医療機器製造業免許の有無 | × | ||
医薬部外品製造業免許の有無 | × | ||
発送 | 対応配送業者 | ヤマト運輸 | |
メール便の取り扱い | ○ | ||
当日お届け便の対応可否 | × | ||
あす楽、あすつく対応の可否 | 応相談 | ||
海外配送 | 可否 | 応相談 | |
対応エリア | 香港のみ | ||
使用便名 | ━ | ||
夜間作業の可否 | ○ | ||
休日作業の可否 | ○ | ||
365日出荷対応の可否 | ○ | ||
システム | 使用在庫管理システム | ASP使用 | |
WMSの提供の可否 | ASP使用 | ||
発送完了メール送信の可否 | × | ||
バーコード管理の可否 | ○ | ||
デジタルピッキングの可否 | ○ | ||
追加サービス | オリジナル段ボール提供の可否 | ○ | |
商品撮影の可否 | × | ||
採寸サービスの可否 | × | ||
ハンガー保管の可否 | × | ||
ギフト包装、のし対応の可否 | 応相談 | ||
福袋・セット商品の作成の可否 | 応相談 | ||
緩衝材提供の可否 | ○ | ||
検針サービスの可否 | × | ||
検品サービスの可否 | 応相談 | ||
返品商品への対応の可否 | 応相談 | ||
コールセンターの提供の可否 | 応相談 |