ネットショップ担当者フォーラム編集部 2019/5/27 7:00
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通販サイトのランディングページ(LP)、商品画像、バナー、HTMLメールなどの制作業務における「校正」「修正指示」「確認」といった作業は、制作を行う現場担当者、確認を行う責任者ともに負担が大きい。毎日作業に忙殺される担当者や責任者は、どうすれば効率化できるのか?

今回、クリエイターズマッチが3月にリリースしたクリエイティブ業務の効率化ツール「AdFlow Proof」をEC事業者に使ってもらい、「校正」「修正指示」「確認」といったECの作業がどのように変わるのか試してもらった。ツールの活用によるクリエイティブ業務の効率化の可能性を探る。

EC事業者のクリエイティブ制作では何が課題?

今回「AdFlow Proof」を試用したのは、「神戸魔法の壷プリン」「神戸苺トリュフ」「神戸半熟チーズケーキ」などで知られるスイーツ専門店「神戸フランツ」のクリエイティブ担当者とEC事業の責任者。

「神戸フランツ」のサイト
神戸フランツ」は実店舗も運営する有名店舗

「神戸フランツ」は自社ECサイトのほか、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどでスイーツを販売。大手モールのアワードを幾度も受賞するなど、EC業界の有名店でもある。そんな「神戸フランツ」EC事業の責任者 中林慎太郎氏は、現場や責任者の問題点についてこう説明する。

EC業界の変化は著しく、2割の業務が終わってもすぐに新しい業務が2割増えるようなイメージ。そのため、現場担当者も僕も日々の業務に忙殺されてしまっている。多くの店舗がそのような状況だと思う。(中林慎太郎氏)

EC事業部責任者の中林慎太郎氏
EC事業部責任者の中林慎太郎氏

クリエイティブ制作をすべて内製している「神戸フランツ」では、“神戸フランツ”というブランドイメージを統一するため、LPや商品写真などのクリエイティブは、すべて中林氏の最終チェックを通さなければ公開しないルールを設けている。責任者の目でクリエイティブの統一性を維持できる側面はあるが、一方で課題もある。たとえば中林氏が業務に忙殺されてしまうと、制作したクリエイティブが「チェック待ちの状態」になってしまい、現場担当者の業務に支障が出るという事態も。

現場側でも次のような意見があがっている。

優先度が高いキャンペーン系のページ制作に忙殺されてしまい、変えたいと思っているLPに手を付けることができない。(「神戸フランツ」の制作担当者)

責任者である中林さんは忙しいため、なかなかつかまらないことがある。チェックの催促をするのに気を遣ってしまう。(「神戸フランツ」の制作担当者)

「校正」「修正指示」「確認」は社内チャットツール「Chatwork」を使っているものの、スピーディーに責任者のチェックを受け、チェック漏れを完璧に防ぐといったところまでは至っていないという。

中林氏の「Chatwork」上ではさまざまなやり取りが同時進行し、チャットの会話がタイムライン形式ですぐに流れていってしまうケースがある。フラグを立てるなどしてチェック漏れを防ぐ対策をしているが、チェックを後回した際にはタイムラインを過去にさかのぼって確認しなければならないため、業務効率という視点ではあまり芳しくない。

また別の問題も。中林氏は言う。

ECサイトは365日運営されているので、毎年やっていることは同じ。バレンタインデー、ホワイトデー、母の日、父の日、お中元……昨年の季節イベントに関するクリエイティブをデータベース上から引っ張り出せるようになると、EC企業はとても助かると思う。現在のところ、中小企業でも容易に利用できるツールを探すことはできなかった。

業務管理ができて、昨年の作業を振り返ることができるツールがあれば、季節イベントごとに作業が発生する現場や責任者、双方にとって有用だと思う。(中林氏)

「AdFlow Proof」がECのクリエイティブ制作で解決できる課題

ECサイトのクリエイティブ制作における現場や責任者の課題を解消できるのか体験してもらうため、「神戸フランツ」に利用してもらった「AdFlow Proof」について説明しておこう。

「AdFlow Proof」は、ECサイトなどにおける動画、バナー、カタログ、パンフレット、提案書など、あらゆるクリエイティブの校正・修正指示業務を効率化するオンラインレビューツール。修正したいクリエイティブに四角やポイントなどの図形やテキスト、マーカーなどで注釈を書き込むことができ、編集・修正したい箇所を社内のチームはもちろん、外部の制作会社やデザイナーと共有し、校正・修正の抜け漏れゼロを実現するという。

ページのキャプチャやPowerPointやExcelでの修正指示、バージョン管理、タスク管理といった、校正・確認業務にかかる時間を劇的に削減できる

導入前(10ステップ)
①URLを開く
②スクショする
③パワポを開く
④画像を貼り付ける
⑤修正指示を記入する
⑥ファイルを保存する
⑦メールを作成する
⑧ファイルを添付する
⑨メールを送信する
⑩修正タスクを確認する
導入後(4ステップ)
①「Proof」を開く
②自動キャプチャ
③修正指示を記入する
④修正タスクを確認する
「AdFlow Proof」導入前と後での現場作業の比較

現場スタッフも責任者も日々の業務に忙殺されているため「タスク管理の漏れ」「チェック漏れ」「忙しいのに作業量が多い」「多忙によるコミュニケーション不足」といった課題が発生する。それらの課題を「AdFlow Proof」は以下のような機能で解決できるという。

WebサイトはURLの入力で自動キャプチャ → スクリーンショット不要で作業効率アップ

URLを入力すると自動的にページをキャプチャし、すぐに校正・修正依頼ができる。ベーシック認証ページもキャプチャ可能。

Webページキャプチャ画面
URLを入力するだけで校正確認したいサイトのクリエイティブが「AdFlow Proof」上に表示される

修正指示は箇所を指定してコメントするだけ → 校正待ちなどの時間削減で作業効率アップ

PowerPointなどを使ってコメントを書く必要はない。校正したいファイルをアップした後、修正したい箇所を、囲み、ポイント、手書きオブジェクトなどで指定してコメントを入れるのみで修正依頼が完了する。校正戻しは宛先を指定すればメールで通知する。外部アカウントもゲストとして追加できる(10アカウントまで)。

修正指示のイメージ
修正指示のイメージ

タスク管理&チャット機能 → チェック漏れを防止

レビューコメントを自動的にタスク化し、ステータス管理が可能。タスクごとにチャットが可能で、認識のズレを防止する。タスク完了ボタンもある。

タスクごとにチャットできる
タスク管理とチャット機能を搭載し、チェック漏れを防ぐ

バージョン管理で先祖返り防止 → 制作物のバージョンを徹底管理

修正過程を管理でき、自動的に最新版が整理される。1案件で複数のファイル(ページ)を管理することも可能。

過去の制作物との比較
バージョン管理で過去の制作物との比較も容易にできる

プロジェクトごとに管理 → 過去の季節イベントの振り返りができる

プロジェクトごとにタスクを管理し、オンライン上で蓄積することが可能。昨年のクリエイティブおよび関連のやり取りを振り返りながら、今年のクリエイティブ制作にいかせる

タスク管理とステータス管理
プロジェクトの管理イメージ

「AdFlow Proof」を実際に触ってみた感想は?

初めて「AdFlow Proof」を使った「神戸フランツ」の現場担当者、責任者の目には、専用ツールを使った「校正」「修正指示」「確認」といった作業フローの業務効率化はどのように映ったのか。現場担当者、責任者の意見をそれぞれ紹介したい。

船井さん現場担当者 船井さんの感想
  • たとえば、楽天市場で公開するクリエイティブと他のモールに掲載するクリエイティブを並べてチェックするということもできるのでとても便利だと思う
  • 「Chatwork」ではタイムライン形式でやり取りが流れてしまう。校正や確認に関するコメントがタイムラインのように流れないのは有り難い
  • HTMLメルマガの校正確認にも利用できそう
長いLPを俯瞰する
「楽天市場」店の長いページ、各種LPなども、俯瞰して全体を確認することができる
片野さん現場担当者 片野さんの感想
  • プロジェクト名から過去の校正履歴を探せるため、過去のやり取りやクリエイティブを確認できるのは業務効率のアップにつながる
  • 長いLPの場合、全体が完成する前にクリエイティブをパーツごとに切り取り、校正確認を行っていた。「AdFlow Proof」を使えば、完成前でもパーツごとに修正しながら、同時に全体を俯瞰して確認できる
  • アラートを出せる機能があるということなので、上長に対して優先度を簡単に伝えることができそう
校正・確認イメージ
「AdFlow Proof」を使った校正・確認に関するやり取りのイメージ

現場のクリエイティブ制作担当者から共通してあがったのは、「直感的でとても簡単に操作できる」という声だ。こうした現場担当者に対して、責任者である中林氏はどのような感触を得たのだろうか。

中林慎太郎氏責任者 中林慎太郎氏の感想

従来行っていたキャプチャの作業などがなくなり、小さな作業が簡略されていくので全体的に業務の効率化につながると思う。保存形式1つをとっても作業効率は上がるだろう。「Chatwork」を使った校正確認では、クリエイティブをJPG化しなければならないため、制作担当者はaiデータをいったんJPGで保存しなければならない。校正の確認作業はこの繰り返し。それがなくなるので、大きな業務効率化につながる。

リンクデータはアウトライン化すればaiデータをそのまま「AdFlow Proof」にアップして校正確認できるので、現場の作業負担軽減、およびチェックのやり方が劇的に変わると思う。

こうした業務効率化はもちろんだが、チェック漏れ防止機能がそろっているのは有り難い。さまざまなプロジェクトが同時進行していると、どこまで確認作業を終えたのかわからなくなる。タスク完了ボタンがあると、確認作業が終わったのかが可視化できるのでとても有効だと思う。(中林氏)

プロジェクト管理画面のイメージ
「AdFlow Proof」のプロジェクト管理画面のイメージ

「AdFlow Proof」のプレミアムプランでは動画レビューにも対応している。動画を再生しながら、気になる尺でコメントを入れることが可能。どの尺に修正指示があるか、直感的に修正指示ができるので、従来に比べて修正作業を簡素化できるという。中林氏も動画校正のこの機能を評価。「尺単位で修正を指示できる機能は動画を活用する企業にとってはとても便利だろう」と話す。

動画の修正指示のイメージ
動画の修正指示のイメージ

また、「AdFlow Proof」では過去のプロジェクトを振り返ることができるので、新しく入った新人制作担当者や外注先に自社の「トーン&マナー」の理解促進にもつながるといった効果もある。

◇◇◇

日々、ECサイト運営の現場で行われているLPや商品画像、バナー、最近は動画も含めた大量のクリエイティブ制作業務。「ツールを使うと業務効率や修正漏れといったリスクが低減することが、EC業界にはまだあまり広がっていない」(クリエイターズマッチ)と言う。 「AdFlow Proof」をクリエイティブ制作の現場に導入すれば、

「画面キャプチャを取るのが面倒」
「パワポやExcelへの貼り付けが手間」
「メールやチャットでの添付送信が面倒」
「ファイル便でのやり取りが手間」
「依頼通りに修正されたかわからない」
「依頼内容の対応の抜け漏れが心配」

こうした課題を解決することができる。クリエイターズマッチでは、ツールを使った「校正」「修正指示」「確認」といった作業フローの効率化を、現場担当者、責任者に体感してもらおうと、3日間の無料トライアルを提供している。

「AdFlow Proof」無料トライアル

編集後記
─ネットショップ担当者フォーラム編集長 瀧川正実

今回の記事を作成するあたり、編集部では「AdFlow Proof」を使って校正・確認業務を行ってみた。従来、Wordで初稿を提出し、変更履歴を使って修正指示などのやり取りを行っていたが、バージョン管理や視認性といったところで課題があった。

「AdFlow Proof」は校正指示の視認性が高く、バージョン管理といった課題が簡単に解決でき、「確認」「修正」にかかる作業量が大きく改善されると感じた。

中林氏が指摘するように、ECサイトの現場は日々の業務に忙殺されているケースが多い。

自社ECサイトのほかECモールに出店していれば、展開するチャネルごとにLPや商品画像などを制作するケースもある。また、モールで頻繁に行われるキャンペーンへの対応などもあるので、クリエイティブの制作業務は想像以上に忙しい。

今回はECサイトのクリエイティブに関する制作・確認・修正といった業務にフォーカスしたが、記事の校正業務も含め「AdFlow Proof」はさまざまなクリエイティブ制作者の作業負荷軽減、確認する側である責任者の負担を軽減する校正ツールといえよう。

実は校正業務で校正ツールが大いに役立つとは知らなかった。IT化が進む今、業務効率アップやクリエイティブの精度向上には、こうしたツールの存在をまずは知っておかないといけないと痛感した取材だった。

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