渡辺 淳子[執筆] 3/18 8:00
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集客したユーザーを購入につなげるには、ECサイト来訪後の商品の「見せ方」「商品の探しやすさ」といった買い物体験が重要となる──。900社以上のWeb改善に取り組んできたビジネスサーチテクノロジの飯田海道氏が、ECサイトにおける適切な商品の「見せ方」「探しやすさ」、少しの工夫で大きな成果を得るためのポイントを豊富な事例を交えて解説した。

約80%がサイト訪問直後に離脱

約80%のユーザーは、サイトを訪問した直後に離脱すると言われている。つまり、サイト訪問直後のユーザーに「いかにサイトにとどまってもらうか」「購入意欲を維持してもらうか」、そして「目的の商品への適切な誘導」がECサイトの勝負どころとなる。

およそ80%のお客さまはサイト訪問直後に離脱してしまう。離脱率が高い低いと一喜一憂するのではなく、お客さまにいかにサイトにとどまってもらうかを考えるのがEC サイトの運営における最初の勝負と言える。(飯田氏)

ビジネスサーチテクノロジ マーケティング部 マネージャー代理(ジーニー CVG事業本部 マーケティング部 CMO) 飯田海道氏
ビジネスサーチテクノロジ マーケティング部 マネージャー代理(ジーニー CVG事業本部 マーケティング部 CMO) 飯田海道氏

では、サイト訪問直後の離脱を防ぐ策は何だろうか? その答えの1つがサイト内検索の最適化だと飯田氏は語る。

理想的なサイト内検索とは

ビジネスサーチテクノロジは20年もの間、サイト内検索を中心にWeb改善を行ってきた企業だ。そんなビジネスサーチテクノロジが考える「理想的なサイト内検索」が次の図である。

ビジネスサーチテクノロジが提唱する理想的なサイト内検索
ビジネスサーチテクノロジが提唱する理想的なサイト内検索

必ず設置するべきなのが画面トップの検索窓。CVアップに直結すると考えられているのが「ホットワード検索」だ。また、「検索結果タブの切り替え」では商品だけでなく、コンテンツの検索結果も表示できるようにすることが重要になる。来訪者は商品を見に来るだけでなく、商品購入に必要な情報を得るために訪問していることもあるからだ。

「よくある質問」を商品検索結果と同時に表示することも重要だ。関連コンテンツを検索結果として表示するうえでポイントとなるのが情報の「鮮度」。新しい情報、需要のある情報をきちんと表示することが必要になる。

こうした機能が網羅されていることが、ユーザーにとって使い勝手がよく、CVが高くなりやすい検索結果のページと言える。

サイト内検索で商品が見つからないと66%が他社ECで購入

ビジネスサーチテクノロジが実施したEC利用者へのアンケート調査によると、オンラインショッピングを行う際に「サイト内検索」を利用するユーザーは90%にのぼった。ところが、サイト内検索を利用しても商品が見つからなかったことがあるユーザーは86%に達しており、約9割が欲しい商品を見つけられなかった経験を持つ。そして、サイト内検索で商品が見つからなかった場合、8割以上がそのサイトでの購入を諦めて離脱している。しかも、66%が「他のECサイトで買う」と答えているのだ。

ECについてのアンケート結果(ビジネスサーチテクノロジ調べ)
ECについてのアンケート結果(ビジネスサーチテクノロジ調べ)

つまり、時間やお金をかけ集客し、来訪してもらったユーザーなのに、サイト内検索が最適化されていないために目当ての商品が見つからず、競合他社のECサイトに移ってしまうという結果になり得るのだ。そうならないよう、スムーズな導線でユーザビリティを向上する「サイト内検索の改善」が重要になる。

EC市場の「今」とユーザの購買行動の変化

では、ECサイトにおいて検索性能の向上が重要になった背景は何だろうか? 飯田氏は次の3点をあげた。

① EC市場の競争が激化した

日本のEC消費はコロナ禍で拡大したが、EC化率も増加を続け今や飽和状態にある。一度訪れたユーザーにスムーズに商品購入の意思決定をしてもらわなければ、他店舗に流れてしまう

② ユーザーの情報収集が多様化した

消費者の購買行動は複雑化し、情報収集も多様になっている。Webで情報収集をしてから実店舗で商品をさらに確認し、実店舗やWebで購入する場合もあれば、実店舗で商品を認知してからWebでさらに情報収集し、Webで購入する場合もある。「実店舗を訪れるユーザーの約8割がWebで事前に情報収集を行っている」という調査結果もある。

ユーザーはサイトに来てから回遊して商品を選ぶと考えがちだが、ユーザーの大多数はECサイトを訪問する前に買うものが決まっていて、それを見つけるためにサイトを訪問していると考えた方が良い。それを裏付けるデータとして、下図がある。ECサイトでは、価格メリットだけでなく、商品を見つけやすいことも重要なのだ。

ECサイトを利用する際の重視点(出典:ショッパーマーケティング・イニシアティブ「EC生活者調査」)
ECサイトを利用する際の重視点(出典:ショッパーマーケティング・イニシアティブ「EC生活者調査」)

③ ユーザーの購買体験に対する要求が上がっている

高級ブランドの販売員に求めること 全体(出典:IDA「アパレルに関する調査」)

アパレルに関する調査において、販売員に求めるものとして、「商品の種類を覚えておいてほしい」(33.3%)、「ブランドや商品のうんちくに長けていてほしい」(26.3%)などがあがっている。価格や主な機能だけでなく、そのブランドのストーリーや有名人の誰が使っているか、というような周辺情報を店員から教えてもらうことも、「買い物」体験としては重要なポイントになる。

上記は実店舗の例だが、昨今はWebと実店舗の垣根がなくなってきている。当然、ユーザーの心理として、ECにおいても接客への期待値が上がっていることが考えられる。

サイト内検索を改善して売り上げを伸ばしたECサイトの事例

ユーザーが知りたい情報を的確に得ることができるよう商品情報の充実化を図ることはもちろんのこと、スムーズに商品購入できるよう利便性を向上させることも重要な要素だ。

購入率の上がるECサイトに必要な要素
購入率の上がるECサイトに必要な要素

では、具体的にどう改善していくべきか。ユーザーの属性は「商品が決まっている人」と「商品が決まってない人」の大きく2つに分類できる。前者にはすぐに見つかるソリューションが、後者には比較検討や商品提案ができるソリューションが必要になる。

商品が決まっている人向けの事例

商品が決まっているユーザーには、「画像付きサジェスト機能」が効果的だ。「画像付きサジェスト機能」は、検索窓に入力された文字に対し候補語を表示し、入力ミスや商品名の間違いを防止して操作性を向上させる「サジェスト機能」に加え、画像とともに商品情報とリンクを表示する仕組み。クリックすれば直接商品ページに移動できるのでCV率アップが見込める。

画像付きサジェスト機能
画像付きサジェスト機能

VHリテールサービスが運営する「メガネスーパー」でも、この画像付きサジェスト機能を導入している。ビジネスサーチテクノロジの提供するサイト内検索ツール「GENIEE SEARCH」の導入で、検索経由のCV率がサイト全体と比較し約2.4倍になり、サイト内検索のユーザ利用数が128%に増加。検索利用者のPV数が約4倍となった

また、キッチン用品やインテリアを販売しているBRUNOでは、検索がスムーズになったことで、目的の商品だけでなく気になる商品への回遊を促すことができ、滞留時間を増やすことができた。

サントリーウエルネスでは、下図のように検索結果ページに商品の周辺情報をあわせて表示することで商品の購買率を上げたり、周辺コンテンツへの移動を促し複数買いを後押ししたりといったことを実現している。

サントリーウエルネスの事例
サントリーウエルネスの事例

商品が決まっていない人向けの事例

購入する商品が決まっていないユーザーには、比較検討や商品提案が重要になる。たとえば、カテゴリなど大まかな内容で検索した際の結果ページに、複数の商品を比較検討できる機能を付けるといったことが有効だ。

コスメブランドの「THE BODY SHOP」では、検索結果で「比較する」にチェックを入れると、気になった複数の商品を比較できる機能を実装した。

THE BODY SHOPの導入事例THE BODY SHOPの導入事例
THE BODY SHOPの導入事例

商品比較機能では、チェックを入れた商品が検索結果画面上で横並びになり、価格や口コミを確認できる。リアル店舗と同じように、気になる商品を並べて検討ができるわけだ。これらの機能の導入で、「GENIEE SEARCH」経由のCV率は通常の約10倍という成果を得ている。

また、「さとふる」では、絞り込み検索を充実させている。予算や産地など、自分の好みの複数条件で絞り込みながら検索することで、自分に合った商品を探すことができる。

相乗効果を生むナビゲーション

売り上げを伸ばすために一番効果があると飯田氏が語るのがレコメンドだ。商品検索とレコメンドを組み合わせることで、ユーザーの行動データに基づく新たな商品との出会いを提供できる。サイト内検索ですみやかに情報を提示し、それに対してクロスセル、アップセルをかけることが効果的という。

実店舗のスタッフであれば、「この商品が最近売れていますよ」とお勧め商品を出したり、「このパンツにはこちらのシャツがお似合いです」といった提案を行ったりしている。これをECでも実現することで、顧客に新たな商品との出会いを創出するわけだ。

こうしたレコメンド機能を導入することで、あるアパレルサイトでは全体の売り上げの1割以上がレコメンド経由になったという例もある。

飯田氏は最後に、次の4つのポイントに絞って今回の講演内容をまとめた。

・飽和状態のEC市場では「選ばれる」サイト作りが必要

EC市場は飽和状態で競合だらけ。1度来たユーザーにその場で意思決定してもらうためにはサイト作りが重要になる。そのため、「必要な情報が得られ、スムーズに商品購入できるECサイト」をめざしてほしい

・目的買いのユーザー対策を行う

ECサイトでは事前に「この商品が欲しい」と思ってやって来る目的買いユーザーが多いため、サジェストによって商品ページへ最短ルートで誘導できるCV率向上の仕組みを準備しておこう。

・検討買いのユーザー対策を行う

サイト訪問後に比較検討したいユーザーも一定数いるため、実店舗で可能な商品提案や商品の比較検討ができるよう、絞り込みや比較機能を導入しておく

・検索行動に基づいたレコメンド

「欲しい商品の購入」という目的を達成するまでがスムーズであれば、ユーザーのモチベーションは高い。そこで、検索に基づいたレコメンド機能によって衝動買いを誘うことで、1人あたりの購入額アップを狙える可能性がある。

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