リピート顧客を増やして収益を最大化するためのマーケティングオートメーション活用の秘訣
通販会社が既存顧客の売上を増やすにはCRMの強化が欠かせない。しかし、社内システムの連携などがボトルネックとなり、効果的なCRM施策を十分に実践できていないケースが目立つ。
リピート顧客を増やし、通販の収益を高めるCRMを実現するために必要なことは何か。クラウド型の顧客育成CRM/マーケティングオートメーションシステム「カスタマーリングス」を約300社の通販事業者に提供しているプラスアルファ・コンサルティングの鈴村 賢治 取締役副社長が、成長企業が取り組んでいる最新のCRM施策、およびマーケティングオートメーションのトレンドを紹介した。 写真◎Lab
セミナーのポイント
- 成長企業がCRMで実践している4つのシナリオと行動
- 既存CRMシステムが効果的なマーケティングの足かせ
- あらゆるデータを統合し、ワン・トゥ・ワン・マーケティングの自動化を実現
成長企業がCRMで実践している4つのシナリオと行動
多くの企業が導入を進めているCRMシステム。しかし、「CRMシステムを導入し、さまざまな施策を展開しているが、思ったように効果がでていない」という声は少なくない。鈴村氏によると、急成長を遂げている通販会社は、次に掲げる4つのCRM施策を実施しているという。
①購買傾向に合わせた販促
購入履歴に基づき顧客を分類し、優良顧客に対するシークレットセールの実施や、過去の購入商品に合わせたレコメンドなどを行う。
②タイミングを逃さない販促
誕生日などの記念日にクーポンを配布したり、「平均購入間隔」で販促メールを送付したりする。
③行動に合わせた販促
Webのアクセスログなどを用いて行動履歴ベースのセグメントを実施し、閲覧履歴やサイト内の行動履歴に基づき、顧客の興味に合わせた販促を行う。
④嗜好に合わせた販促
アンケートへの回答などをベースにセグメントを実施し、購入動機や用途など、顧客の声に基づいた販促を行う。
現実には、こうしたCRMを実行できている企業は少ないと鈴村氏は指摘する。
多くの企業は顧客のセグメンテーションを実施した上で、顧客ごとに適切な販促活動を行いたいと考えている。しかし実際には、企業の9割はメールマガジンの一斉配信といったマス中心の施策にとどまっている。
また、顧客データは蓄積されているものの、それらのデータが社内に分散されていることから十分な分析を実施できておらず、統合的に顧客を理解することができていない。
既存CRMシステムが効果的なマーケティングの足かせ
効果的なCRMを実現、LTVを向上させるためは、「データの統合」「単純作業の自動化」「顧客の見える化」の3つが重要になるという。
①データ統合
社内に分散しているデータを現場が容易に取り扱うことができ、かつ、自由にマーケティング施策に生かせるプラットフォームを整える。購買データや顧客データなどが分散していると、必要なデータを抽出し、加工するだけで多くの困難が伴う。
②単純作業の自動化
人手を要していた単純作業をITによって効率化し、スタッフの時間をクリエイティブな業務に充てさせる。
③顧客の見える化
ブラックボックス化した分析過程を可視化し、「顧客の本当の姿」を理解する。
ただ、多くのマーケティングの現場では、これらの対応策を実施しようとしても、既存のCRMシステムが阻害要因となっているのが現状だ。
たとえば、顧客データと購買データが異なるデータベースで管理されている企業は多い。メール配信システムやBIツールなど、業務ごとに部分最適化された複数のシステムが存在し、各システムが連携していない企業も目立つ。
データが統合されていない企業においては、データの抽出から加工、分析、そしてメール配信まで、システム間の連携を手作業で行っており、そこがCRMのボトルネックとなっている。当然のことながら、複数のセグメントに対して個別にメール配信をしようとするならば、これらの作業を都度、人が行わなければならない。
こういった単純作業を自動化し、よりクリエイティブな作業へとシフトするのが、マーケティングオートメーション導入の目的となる。
あらゆるデータを統合し、ワン・トゥ・ワン・マーケティングの自動化を実現
効果的なCRMの実現に必要な一連の業務を、単一のシステム上で行い、CRM施策をワンストップで行えるようにするのが、プラスアルファ・コンサルティングが提供するマーケティング・オートメーションツール「カスタマーリングス」だ。カスタマーリングスは主に次の3つの機能から構成されている。
- 顧客を軸としたあらゆるデータを統合する「DMP機能」
- データを分析し“顧客の見える化”を実現する「BI機能」
- 分析結果を販促施策につなげる「キャンペーンマネジメント機能」
「これらの3つの機能が一体化することによってはじめてマーケティング・オートメーションが実現できる」と鈴村氏は強調する。
データ統合がCRMの基本に
鈴村氏はデモンストレーションを交えながら、カスタマーリングスの機能とその活用例を紹介した。
まず、カスタマーリングス上に顧客データや購買データを取り込むと、顧客の個人情報と購買情報がひも付いて1つの画面上で参照可能となる。それらのデータは複数のソースから取り込めるようになっており、Webのアクセスログやメールの閲覧ログ、アンケートへの回答といった複数チャネルのデータ統合が可能だ。オムニチャネル化に取り組んでいる企業の場合、実店舗とECサイトに別々に蓄積されたメールアドレス、電話番号、会員の氏名などをマッチングすることもできる。
カスタマーリングスは、流入チャネル・広告効果の分析、継続率分析、RFM分析、キャンペーン反応分析などを行うための豊富な機能を揃えており、分析結果をダッシュボード上で閲覧することが可能となる。
顧客像を把握しワン・トゥ・ワン・マーケティングへ
データの統合を自動化することで、顧客のセグメンテーションをはじめ、顧客に合わせた最適な販促施策のシナリオ設計や、アクションが簡単に行えるようになる。
例えば、顧客の年間購入金額、購入回数、初回購入日、最終購入日、購入時間等といったプロファイルや、性別、年代、新規購入、リピート回数などのユーザー情報に応じてメールの出し分けを行える。
マーケティング・オートメーションを実現
こうしたワン・トゥ・ワン・マーケティングを自動化することも可能だ。
初回購入の顧客に対するステップメールの自動送信や、クロスセルを目的とした特定の顧客へのレコメンド商品情報の自動挿入、かご落ちした顧客に対してリマインド購入を促すメールの送付といった施策を即時にかつ自動で行える。
メール配信についてはシナリオに基づいたABテストも可能。例えば、複数の異なるサブジェクトのメールを、設定した配分通りに送付し、開封率を参照して比率を自動的に調整する機能も搭載している。
これらの自動化機能によって、これまで手間と時間がかかっていたマーケティングにおける単純作業の時間を削減し、マーケティングで最も重要な「顧客の見える化」を実現するための分析に時間を充てられるようになる。
販促施策に対するレスポンスが可視化されれば、次の販促策のアイデアが創出されやすくなり、すぐに行動にもつなげられるようになる。そうした要望に応えるCRM/マーケティングオートメーションシステムがカスタマーリングスだ。
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