ECアプリを効果的に活用する方法をアプリ開発ツール「Yappli」の成功事例に学ぶ
スマートフォンの普及に伴い、ECサイトのアプリ化の重要性が高まっている。どのようなアプリを作ればECの集客や売り上げに効果的なのか。プログラミング不要のアプリ開発プラットフォーム「Yappli」を提供するファストメディアの金子洋平氏が、ECアプリの活用法について成功事例を交えて解説する。 写真◎Lab
各企業がECアプリに注力する3つの理由
金子氏はセミナーの冒頭、スマートフォンユーザーのネット接続時間に占めるアプリの比率が約7割に達していることや、国内のECモールのアプリ比率が年々高まっていることを示すデータなどを紹介。ECサイトをアプリ化するメリットを次のように説明した。
(1)アクティブ率が上がる
顧客に最も近いスマホのホーム画面にアプリアイコンを設置することができるので、ブラウザに比べて約10倍のアクティブ率(月1回以上の利用)が期待できる。実際に、リリース後1年半以上経過したアプリの利用率の平均値を計測したところ、当社のクライアント実績では約30%だった。
(2)利用時間が長い
アプリはウェブサイトよりもサクサク動作し、商品検索などが簡単に行えるため、ECサイトの滞在時間が長くなる傾向にある。ある調査では、ブラウザが1日平均約23分のところ、アプリはその4倍の約1時間30分という結果が出ている。
(3)到達率の高いプッシュ通知
プッシュ通知の開封率は平均40~50%とされ、平均的な開封率が約10%といわれるメルマガと比べて非常に高い。
アプリは顧客への接触頻度を増やし、買い物につなげていくことで、ロイヤルカスタマーを育てていくツールになると考えている。(金子氏)
人気ファッションアパレルECの成功事例
続いて金子氏は、プログラミング不要のアプリ開発プラットフォーム「Yappli」を利用しているEC事業者の成功事例を紹介した。アパレルメーカーのバロックジャパンリミテッドが運営するECサイト「AZUL by moussy」では、アプリ導入後、ECサイトの売上流入経路が大きく変化したという。
公式アプリリリース直後、売り上げに至るまでの経路は、ダイレクトや検索によるものが上位を占めていた。しかし、アプリの導入後しばらくすると、アプリ経由の流入が検索エンジンやダイレクト、ウェブ広告を抜いて最多になった。アプリを広告媒体とみなした場合、ROAS(広告経由の売上高を広告費で割った比率)は約3000%と高い成果を上げている。
アプリDLを促進する施策
アプリのダウンロード(DL)を促進するため、「AZUL by moussy」は次のような施策を打った。
- オンライン施策 …… FacebookやTwitterのコメント欄などからアプリのDLを促進
- オフライン施策 …… POPやレシートにアプリDLのためのQRコードを記載
- クーポンやポイントを付与するDLキャンペーンの実施
アプリのアクティブ化を促す施策
アプリをアクティブ化するために「AZUL by moussy」が実施した施策も説明。紙のカタログをめくるように、パラパラとめくれるルックブックを実装したほか、アプリからワンタッチで呼び出せるポイントカード機能や、画像やテキスト、絵文字などを使ったグラフィカルなプッシュ通知などを活用した。「プッシュ通知はメルマガよりも反響が早いため、リアルタイムのセールや再入荷通知などに有効」(金子氏)と言う。
プログラミング不要のアプリ開発プラットフォーム「Yappli」とは?
「Yappli」はアプリの開発と運用、分析などを行えるクラウド型のアプリ開発プラットフォーム。現在、200社以上の企業がEC、O2O、オウンドメディア、BtoBなどさまざまなジャンルのアプリをリリースし、ビジネスに活用しているという。
企業がアプリ開発に取り組む際の課題として、「作り方や進め方がわからない」「開発業者の技術力や品質に保証がない」「社内での運用に不安がある」「バージョンアップなどの追加費用が不安」「ダウンロードやサポートが不安」などがあり、アプリ導入の障害になっているという。
「Yappli」はそれらの課題を解決し、企業のアプリ開発を後押ししてる。金子氏は、「Yappli」が企業から選ばれる理由を次のように説明した。
【Yappliが選ばれる理由】
- 1か月以内にアプリをストア公開することが可能
- ウェブブラウザの管理画面で操作できる
- iOSとAndroidのアプリを一元化
- アプリの更新はいつでもどこでもリアルタイムで可能
- プッシュ通知がすぐに設定でき、即座にユーザーにアプローチできる
- クラウド経由で常に最新OSに対応し、新しい機能を利用できる
- 解析ツールの提供やカスタマイズなど、アプリに必要なものをワンストップで提供
「Yappli」を使ってアプリを開発した企業は、「アプリ経由の売り上げが200%ずつ増加」「開封率50%以上のプッシュ通知でリアルタイム集客が実現」「クーポン利用率が42%。約1か月で2万人以上が利用」「アプリ経由で月商1,000万円以上。CVRはスマホサイトの2倍以上」といった効果があがっているという。
金子氏は自社アプリをフルスクラッチで開発する場合、投資に見合った効果が得られない場合も少なくないことに言及した上で、「YappliはECの売上アップに効果的なプラットフォームであることが、データや実績で示されている」と説明した。
Yappliは他の開発会社に比べて安価に開発でき、開発期間も短い。素早く良いアプリを立ち上げて、PDCAを回すことで成功確率を高められるツールだ
そして、「スマートフォンが普及する中で各企業にとって、アプリは必須のマーケティングツールとなっていくでしょう」と話しセミナーを締めくくった。