森野 誠之[執筆] 2023/7/25 8:00

メルマガって何かと効果を求めがちなのですが、ユーザーは自分の好きなように行動していますから、コントロールしようとしても意味がありません。

メルマガは自社の都合ばかりを押し付けないようにしましょう

「なんとなく成果が出ない」から脱却。 メールを活用して商談獲得するためにやめるべきこと | Inside Sales Plus
https://insidesalesplus.com/blog/u4ubj4718

メールマーケティングサービスを提供する「配配メール」では、インサイドセールスチームが立ち上がってからの約3年間、様々なメール施策を行ってきました。成功もあれば、失敗もある…ということで、今回はあえて失敗例をもとに、安定的な成果を得るために私たちがやめたことについてご紹介します。

ECはメルマガを発行することが多いというかほぼ必須ですね。最初は調子が良くてもじわじわと効果が落ちて…ということも多いはず。そんな時は、この記事に書かれている3つのことを止めてみると良いと思います。

やめたこと①:比較検討「してもらう」ことを目的としたメール配信

つまり、メールによって検討が始まったわけではなく、検討が始まったタイミングにメールが届いていただけだったのです。

そのため、サービスに興味はあるがメールによって比較検討「してもらう」ことを目的とするよりも、顧客の検討が始まったタイミングを検知することを目的とする方が、再現性高く成果が出せるのではないかと考えるようになりました。

これはまさにそう。相手が検討しているときにタイミングよく届くから反応があるわけです。メールの内容などではなく、相手のタイミングにハマるときに送信するのが重要ですね。もしくは、決まったときに配信しているとか、興味を持ってくれて気にしてくれるメルマガを送るか。とにかく、「ユーザーはこちらの思う通りに動いていない」ということ忘れないようにしましょう。

やめたこと②:休眠・失注顧客への一斉配信

配信対象者を「過去に配配メールについて説明したことがある顧客」に絞り、「配配メールの◯◯機能を使ったメールマーケティングの成功事例」といった、よりサービスに近い具体的なノウハウをお送りするようにしたところ、結果として、メールの反応率(クリック/開封数)が約1.5倍改善しました。

これ、本当に意味がないです。そもそも一斉配信に向いているのは割引とかのお得な内容ですし、休眠・失注のネガティブなマインドの人に送ってもうまくいきません。ちょっとへりくだって、「改めてコミュニケーションを取りたい」という意思を見せることが大切です。リアルの付き合いならそうするはずなのに、メールになった途端、効果を求めてしまうことが多いので、注意したいところですね。

やめたこと③:クリック者全員への追客

追客方法も見直すことにしました。過去の案件を分析する中で、受注に至りやすい顧客には2つの共通点があることに気づきました。1つはリード獲得から2年以内であること、2つ目は過去に配配メールの資料請求に申し込んでいないことです。

メール配信後の追客条件として、①リード獲得から2年以内であること、②過去Webサイトから問い合わせをしていないお客様を設定して、追客するようにしました。

「追客」という表現も微妙ではあります。追いかけられて楽しいユーザーはいないですから。接点維持というか忘れられないためにコンタクトを取るのであれば、おのずとやることは見えてきます。2年などの期間の区切りはあくまでもわかりやすくするためのものなので、相手を思い浮かべながらメールを送りましょう。

今週の要チェック記事で取り上げている最初の2記事もメールマーケティングの記事です。2記事に共通しているのは「メルマガ自体が楽しい」ということ。メルマガが楽しければ送り方も考え方も変わります。紹介した記事と比較しながら読んでみてください。

今週の要チェック記事

平均開封率60%!「PostCoffee」のメールが愛される理由 | メルラボ
https://mailmarketinglab.jp/postcoffee/

楽しんでもらえるメールを書けば、それを楽しみにしてくれるお客さんも増えてきます。

「メルマガ開封率は35%」ハチミツECのみつばちのーとが行うファン化とリピート施策とは? | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/9256

「若造がこだわってハチミツを作っている」。この強みを生かしたメルマガが効果的とのこと。

地方ECが町おこしの鍵!情報発信×ECで鹿児島の地域活性化への道を拓く | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/38058

オウンドメディアという言葉が軽く感じられる記事。本気で伝えることに取り組んでいます。読んでほしい。

物流費の値上げ、ヤフーの戦略転換、改正特商法の施行、相次ぐ個人情報の漏えい【2023年上半期の通販・EC業界まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11131

2023年も上半期が終了。Yahoo!さんの方針転換は大きな話題になりました。

「ヤフオク!」「PayPayフリマ」が2023年秋に名称変更 「Yahoo!オークション」「Yahoo!フリマ」に | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/9266

前述の記事に関連して。どこに落ち着くのでしょうか…。

自社ECで役立つGA4の基礎と活用法とは? UAとの違い、注意点、レポートの活用法などを運営堂の森野氏が解説! | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11151

なにかと数値が合わないことがありますが、精度は気にせずに傾向を見ましょう。

2023年度「国内消費者意識・購買行動調査」 | デロイト トーマツ
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/consumer-business/articles/cp/consumer-behavior-survey.html

リアル回帰ではなくて、ネットとリアルの両接点を活用しないといけないということ。

楽天グループが新キュレーションメディアを本格展開、クーポン特化の「人気のクーポン獲り放題!わくわくクーポンランド」とは | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11186

「クーポンを利用する楽天会員は増加傾向にあり、2018年から2022年の4年間で約2倍に伸長している」とのこと。

オンラインショップの信頼度と密接に関係する購入率 改善に役立つ10のコツを紹介 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/13087

超基本! でも、できていないところが多いです。基本をしっかりやりましょう。

【futureshop】新機能登場!SKUごとに価格を設定できるようになりました | futureshop
https://note.com/futureshop_tips/n/n6d7517d95919

柔軟な価格設定ができるようになりました。

今週の名言

「イヤなやつがいない職場」ってどうやってつくるの?―――行雲代表・犬養拓さんインタビュー | Agend
https://agend.jp/media/koun-inukai/

もともと「イヤなやつがいない職場をつくるぞ」と明確に言語化したり、伝えていたわけではないのですけど、気持ちよく働けるように考えていたら、こういう環境になっていましたね。

モチベーションが高い組織は外から見ても生き生きして見えます。ネットショップも同じです。モチベーションを高く保っていれば説明文やメルマガにも反映されて、良いお客さんが増えてくるはずです。

筆者出版情報

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森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税

この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

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