ネッ担まとめ

昨今のECは売上に直結しない仕事が増えているように思います。かとってやらなければとショップ全体の品質が落ちていくことがあるので悩ましいところ。「リテールメディア」はそんな悩みを解決してくれるかもしれません。

2022年に知っておきたい用語「リテールメディア」とは?

リテールメディアはECサイトの次の収益源になりうるのか? CriteoのMabaya買収から考える | REWIRED
https://rewired.cloud/criteo-mabaya-retailmedia/

ものすごーくざっくり言えば、リテールメディアとは、Eコマースサイト、特にリテール(小売:直販ではない)を行うショッピングモール的なサイトやアプリに広告を掲出できるサービス全般を指します。

(中略)

ECサイト内で検索したり、特定の商品カテゴリを見ている時に隣に表示されている関連広告、あれが自社のメディアでもできてしまうというものです。

2022年最初のまとめは、悪質な広告・プライバシー問題を解決する「リテールメディア」の話から。まずは「リテールメディアとは何ぞや?」の説明です。

小売業の広告販促DX「リテールメディア」の始め方 | Biz Drive
https://bizdrive.ntt-east.co.jp/articles/dr00041-010.html

リテールメディアとは、小売業者が持つ会員基盤を活用して消費者の購買データや行動データを広告配信に利用する新たなビジネスモデルのことです。主な広告主であるメーカーは消費者に対して、スマートフォンアプリや店頭サイネージ、ECサイト上などで、購買行動に合わせた精度の高い広告を配信することができ、小売業者はそれによる広告収益を得ることができます。

昨年の記事から引用しました。リテール=小売りの場をメディアをして活用していこうということです。小売りの場所なので店舗やアプリなども対象になってきて、小売業者の持つ会員基盤のデータも活用していきます。言葉だけを見るとオウンドメディアのように自社のメディアで小売りをやるように感じてしまいますが、そうではないことに注意です。

このリテールメディアが2022年にどうなるのか? という記事も紹介します。

ポストCookie時代に、リテールメディアが最も成長率の高い広告セグメントになる3つの理由 | REWIRED
https://rewired.cloud/retail-media-the-highest-growth-ad-segment/

一部の大手広告主を中心に、多くのブランドが Google や Instagram といった、プライバシー規制に対して何らかの手段を持つメガプラットフォームへの依存体質を抜けるための選択肢を常に模索しています

  • ウォルマートは Walmart Connect によってリテールメディア戦略で一定の成功を収めている。2021年全体で広告事業の売上が 15.5 ドル(約1,800億円)に達したという報告もある
  • リアル店舗でのマーケティングは対峙する相手が確実に人間なので、ボットやフラウドの心配がない
  • 購買の瞬間にレコメンドできるので購買のコンテクストに連動したターゲティングができる

リテールメディアはアメリカではすでに動いていて、ウォルマートでは1,800億円の売上になっているそうです。メリットは売上だけではありません。ネット広告につきものの悪質な広告とプライバシーの問題も解決してくれるのです。

これは日本でも同じで、いろいろと問題はありつつもGoogleやInstagramは効果が出るので仕方なく出稿しているという事業者も多いはずです。プライバシーの問題はファーストパーテCookieとあわせて、何をどうすればいいのかわからないことになっていますし、それに対応するために売上に貢献しない設定をしているのも無駄に感じます。

このあたりに対応しないといけないの? と思っている人は、日本ではEC周りの規制がどんどん厳しくなっていることを知っておかないといけません。

2021年に施行されたデジタルプラットフォームにおける取引の透明性と公正性の向上を図る「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(取引透明化法)では、ECモールとアプリストアを指定。

今後、透明化法の対象にデジタル広告市場が追加される見通しです。

消費者庁の「アフィリエイト広告等に関する検討会」では今年度中、報告書を通じてアフィリエイト広告の運用などに関する考え方を公開する方針。商品・サービスの「供給主体性」の解釈を明確化し、一体的な事業活動が認められる関連事業者も規制される方向とみられています。

関連して、公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)は、アフィリエイト広告の運用などに関するガイドラインを策定するとしています。

今年6月に施行される改正特定商取引法では、悪質な定期購入事業者を規制するために、ECサイトでの申し込み最終段階で「販売価格」「期間」などの表示を義務づけています。
ネットショップ担当者フォーラム通信 2022年1月14号より

ネッ担メルマガの瀧川編集長のコメントです。読んだだけでいろいろ厳しくなる感じが伝わってきますよね。自社で出稿している広告は何とかコントロールしたとしても、モール側のルールが変わってしまうとそれに対応しないといけません。もちろんデジタルプラットフォームはモールだけではなくてGoogleやFacebookなども入ってきますので、そこも影響を受ける可能性があります。

とにかく、売上に関係ない部分の手間は増える一方なのです。

結果的に、広告主にとってはブランド毀損が少なく、確実に人間に接触でき、成果も確認しやすい配信先になりうるので、規制やフラウドの問題が深刻化すればするほど、コマースに関連する広告費がリテールメディアに寄ってくる可能性が高まります。そして、リテールメディアはユーザーを確実に認識でき、購買データを手に入れることができるので、Publisher Trading Desk として広告配信の有力なエージェンシーになることができるのです。(これは前述の Walmart が既に成功させているモデルです)
https://rewired.cloud/retail-media-the-highest-growth-ad-segment/

ここを読むとリテールメディアはものすごくメリットがありますよね。というか、メリットしかありません。リテールメディア自体が巨大化しすぎると同じことの繰り返しになるかもしれませんが、今のところはそこまで考えなくてもいいでしょう。

リテールメディアの「メディア」についても新しい考え方が出てきています。「コンテキスト型コマース」という考え方です。

海外の先進事例に学ぶ新しいECのカタチ 顧客が期待するCXとは | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/10764

「コンテキスト型コマース」とは、ECに、SNSやゲーミフィケーション、音声、仮想現実、ライブコマースなどの“デジタルエクスペリエンス”を加えることだ。

(中略)

10年前のECは、とにかく便利に購入することが目的だった。しかし、近年ではECはスマホを通じてデジタル上のさまざまなコンテンツやサービスとつながり、さらに近年では家電や車などリアルなものとも連携をはじめている。いわばECは、「買い物をする場」から、「体験をする場」に変わりつつあるといえるだろう。それがまさに「コンテキスト型コマース」というわけだ。

ここだけを見るとSNSや音声で買わせるだけでしょ?と見えますが、消費者が体験するであろういろいろな場で買い物が発生するようになるということかと思います。その「いろいろな場」がメディアになるとすれば、Amazonなどが独自の音声配信サービスやライブコマースサービスを始めて、そこに広告が出るようになることなどが考えられますよね。

反対にSNSや音声配信側もコマースに入り込んでくるようになるはずですし、そうなってきています。まとめると、

  • デジタルプラットフォーマーたちが巨大になりすぎてプライバシーの問題が大きくなってきた
  • ネット広告での競争が激しくなって悪質な広告も増えてきた
  • 消費者は買い物をする場がECや店舗だけではなくなりつつある
  • 小売り側はこれらに対応するコストが増える一方だが売上が伸びるわけでもない
  • リテールメディアは上記の問題をすべて解決してくれるように見える

ということになると思います。個別の問題だけで見ると見えないことも、こうしてちょっと俯瞰してみると答えが見えてくるものもありますので、忙しく手を動かす前に考えてみてはいかがでしょうか? 一時的に売上が落ちたり横ばいになっても、その先は早いかもしれません。

EC全般

【2022年のEC業界予測】eコマースの成長鈍化、新しいビジネスモデルの構築、インフレ、Amazonへの圧力など | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9410

こちらは現実的に起こりうる問題。こうなった時に困らない準備を。

事業者の所在地と連絡先を、非公開にできるようになりました | BASE U
https://baseu.jp/24108

個人で売る人にとってはメリットがあるものの、悪質業者にもメリットがあるような……。

リフォームの注文を楽天市場で対応!10年前から実践している高山ガラス店の取り組みとは | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/13100

やったらうまくいきそうで面倒なことを実践している例です。

ECサイトの品切れページはランキングに悪い影響を与えるのか? | 海外SEO情報ブログ
https://www.suzukikenichi.com/blog/does-out-of-stock-hurt-rankings/

SEO面ではわからんでもないですが、それ以外のことを考えると後回しにしてもよさそうです。

テレビの役割に変化!?「コネクテッドTV」の利用実態に迫る | ウェブ電通報
https://dentsu-ho.com/articles/8033

これも「メディア」になってくるのは間違いないです。

食べログ、裁判でアルゴリズム「異例」の開示 評価透明化なるか | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20220112/k00/00m/040/153000c

プラットフォーム側はこういったことが増えてきますよね。

デジタルコンテンツ通じた悪質商法 若者からの相談増加 千葉 | NHK 首都圏のニュース
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20220112/1000074940.html

まったく違う商品が届くトラブル、“代引きへの変更依頼”に注意を | トレンドマイクロ is702
https://is702.jp/news/3924/

そして、いっこうに減らない悪質商法。規制強化につながります。

今週の名言

東大受験に合格するような優秀な受験生が、試験のときにやること。

それは、「一番難しい問題から目を通すこと」だそうです。

目を通した後は、一番難しい問題は脇に置いておいて、まず簡単な問題を解き始めると。

【コラム】仕事の依頼を受けたら、これだけはやっておきたい3つのこと | BIZPERA
https://www.biz-knowledge.com/211103-2/

今回はいろんな問題を取り上げました。いちばん難しい問題はどれでしょうか? まずはここに向き合いましょう。

筆者出版情報

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森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

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