取扱高8000億円をめざすZOZOの今後の事業拡大方針とは
ファッションECモール「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは今後、中長期の目標として商品取扱高(その他商品取扱高を除く)8000億円を計画している。アクティブ会員数の増加と、1人あたりの購買頻度向上などによって計画達成をめざす。
2024年3月期の商品取扱高は前期比7.1%増の5369億円。中長期目標となる8000億円の達成には、前期比で49.0%の増加が必要となる。ZOZOの予想によると今期(2025年3月期)の商品取扱高は、同6.6%増の5722億円を見込む。
取扱商品高拡大に向けての取り組みとして、①より幅広い(顧客)層の取り込み②1人あたり購買頻度向上③コスメ事業の拡大――などによって実現する計画だ。
より幅広い(顧客)層の取り込みにおいては、ファミリー層の獲得に向けてキッズ向けアイテムを拡充。10代後半女性の取り込みを積極的に進める。
ZOZOのターゲット年齢は従来、18歳以上。近年は15歳以上まで引き下げるさまざまなプロモーションを実施していおり、若年層の認知拡大や新規顧客の獲得が進んでいるという。
1人あたりの購買頻度向上では、「ZOZOTOWN」、ファッションECアプリ「WEAR」の進化、ショップスタッフによるコーディネート連携数の充実(前年比1.4倍)、「ZOZOTOWN」で販売展開するショップスタッフの販売サポートツール「FAANS」のアカウント数拡大(同1.8倍)、在庫確認ができるブランド実店舗(2021年11月のローンチ時比較で4倍)などを計画している。
コスメ事業(ZOZOOSME)は2024年3月期に商品取扱高が「Yahoo!ショッピング」店を含めて113億円、アクティブ会員が占めるコスメ購買者の割合が23.6%に達した。ドラッグストア系のコスメブランドや韓国コスメブランの出店誘致、日替わりキャンペーンの実施などで、定期的に「ZOZOCOSME」でコスメを購入する仕組みの構築をめざす。
中長期目標である商品取扱高8000億円についてZOZOの澤田宏太郎社長兼CEOは、「少なくともこの規模までは成長させなくてはならない目標として設定した」と説明。「アクティブ会員数の増加、会員のファッション購買におけるZOZOシェアを高めることなど、性質が異なるアプローチが必要。どちらも同等の難易度」と話した、
アクティブ会員数の増加については既存施策を継続して、さらにその質を高めていく。会員によるZOZOシェアの向上については、従来と発想を変えた新たな取り組みを進めていく必要があるとしている。