ZOZOが2025年度に取り組む「幅広い層の取り込み」「1人あたり購買頻度向上」「生産支援」「コスメ拡大」「テクノロジーの収益化」

ZOZOの2025年3月期の商品取扱高は前期比7.0%増の6143億円。中長期目標となる8000億円の達成には、前期比で30.2%の増加が必要となる。ZOZOの予想によると今期(2026年3月期)の商品取扱高は、同1.5%増の6236億円を見込む。

鳥栖 剛[執筆]

5月7日 6:30

ファッションECモール「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは、中長期の目標として商品取扱高8000億円、アクティブ会員数1500万人達成をめざしている。幅広い層の取り込みや1人あたりの購買頻度向上などによって計画達成につなげる。

ZOZOが2025年度に取り組む「幅広い層の取り込み」「1人あたり購買頻度向上」「生産支援」「コスメ拡大」「テクノロジーの収益化」
ZOZOは取扱高8000億円をめざす計画(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

ZOZOの2025年3月期の商品取扱高は前期比7.0%増の6143億円。ZOZOによると、今期(2026年3月期)の商品取扱高は同1.5%増の6236億円を見込む。今後の拡大方針について、次の項目をあげる。

  1. より幅広い層の取り込み
  2. 1人あたりの購買頻度向上
  3. 生産支援
  4. コスメ拡大とその次
  5. テクノロジーの収益化(≒海外市場)
ZOZOが2025年度に取り組む「幅広い層の取り込み」「1人あたり購買頻度向上」「生産支援」「コスメ拡大」「テクノロジーの収益化」
今後の拡大方針として5つのトピックをあげた(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

より幅広い層の取り込み

若年層など特定ターゲットに狙いを絞り、想起を得るための施策を展開している。2024年にはK-POPファン向けのイベント「ASEA2024」の国内実施を「Presented by ZOZOTOWN」で実現。チケット購入者は25歳以下の若年層が半数を超え、女性比率は99%、ZOZOの新規会員獲得にも大きく貢献したという。2025年も5月に「ASEA2025」実施を予定している。

1人あたりの購買頻度向上

検索行動の変化の波をチャンスと捉え、ファッション特化のAIエージェント開発で新しいトラフィックにも適応していく。具体的な検索ワードがなくてもAIによる質問からユーザーニーズを深掘りし、生成AIと検索した内容を融合して回答できるようにしていくとする。

ZOZOが2025年度に取り組む「幅広い層の取り込み」「1人あたり購買頻度向上」「生産支援」「コスメ拡大」「テクノロジーの収益化」
AIエージェントにより顧客ニーズの深掘りを実現させる(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

「WEAR」では今後、AIエージェント機能を強化。ファッション診断を中心に、AIエージェント機能を強化する。今後アプリを刷新し「自分の好みのジャンルをうまく言葉にできない」ユーザーに、ファッションジャンル診断を提供し「ZOZOTOWN」への送客率増加を図る。AIエージェント機能はLINEにも搭載し、将来的には「ZOZOTOWN」本体にも実装する予定だ。

ZOZOが2025年度に取り組む「幅広い層の取り込み」「1人あたり購買頻度向上」「生産支援」「コスメ拡大」「テクノロジーの収益化」
WEAR、LINEにAIエージェントを実装し将来的にはZOZOTOWNにも実装する(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

生産支援

2025年3月期は生産型数は前期比119.4%増、生産枚数は17.8%増を実現。2024年8月からは障がい者などを支援するインクルーシブウエア生産の支援サービスの提供を開始した。さらなる拡大をめざしていく。

ZOZOが2025年度に取り組む「幅広い層の取り込み」「1人あたり購買頻度向上」「生産支援」「コスメ拡大」「テクノロジーの収益化」
生産支援事業は着実に成長を果たしている(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

コスメ拡大とその次

2025年3月期のコスメ流通額は前期比30%増の147億円だった。今後はカテゴリを増やしていく計画だという。海外在庫アイテムやその他ジャンルにも拡張していくという。

ZOZOが2025年度に取り組む「幅広い層の取り込み」「1人あたり購買頻度向上」「生産支援」「コスメ拡大」「テクノロジーの収益化」
コスメ事業の流通額は前期比30%増と大きく伸びた(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

テクノロジーの収益化(≒海外市場)

計測技術などを欧州にも展開を進めていくほか、英企業「LYST」の買収を通じて、海外展開において未開拓となっていた海外のEC・メディア領域へ進出、海外市場の開拓を進めていく。

ZOZOが2025年度に取り組む「幅広い層の取り込み」「1人あたり購買頻度向上」「生産支援」「コスメ拡大」「テクノロジーの収益化」
英企業LYSTの買収から海外のEC・メディア領域へ進出(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

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