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前回はASPの管理画面の登録について解説しました。ASPの管理画面の登録が完了してプログラムがスタートしたら、あとはアフィリエイターからの提携申請を待つばかりです。でもその前に決めておかなければならないことがあります。それは、アフィリエイターからの提携申請を「自動承認」するか「手動承認」するかです。

2,000のアフィリエイターと提携関係を目指す理由

ここまでの連載で、アフィリエイトが難しいと思われてしまいそうですが、実は運用はとてもシンプルです。商品を紹介してくれるアフィリエイターの数、つまり「提携数」を増やすことと、提携してくれたアフィリエイターの「稼働率」を上げること。アフィリエイト運用はこの2つしかないからです。

アフィリエイトの運営は「提携数を増やす」と「稼働率を上げる」の繰り返し
アフィリエイトの運営は「提携数を増やす」と「稼働率を上げる」の繰り返し

まずは母数である「提携数」を増やす必要があります。商材やサービス、報酬率、知名度、選択したASPの規模によりさまざまですが、まずは1年で2,000サイトと提携することを目標にしましょう。

なぜなら、提携数が2,000サイトとなった時、実際にバナーやテキストの広告素材を貼ってくれる(稼働している)アフィリエイトサイトは200〜400サイト。そこから毎月コンスタントに成果が上がるのは、上位20サイト程度しかないからです。

提携している2,000サイトのうち、1,600サイトは稼働していない。稼働している400サイトのうち、上位20サイトが売上を支える。
2,000サイトと提携しても売上を支えるのは上位20サイト

「え、それだけ?」と思ってしまうかもしれませんが、ほとんどの広告主でこの数字は当てはまり、上位の数サイトが全体の売上を支えています。

ですので、まずは母数を増やさないと上位のサイトも限られます。まずは「提携数」を増やす必要があるのです。

自動承認と手動承認、メリットとデメリット

広告主は運用開始時に、アフィリエイターからの提携申請を自動で承認する(自動承認)か、手動で承認(手動承認)するかの選択をします。

自動承認とは提携申請を自動的に承認する機能で、ほとんどのASPで標準機能です。手動承認とは広告主側の審査が終わるまで、承認を保留する機能です。

表 自動承認と手動承認のメリット・デメリット
メリット デメリット
自動承認

・アフィリエイターが「提携したい」「とりあえず提携しておこう」と思ったタイミングで申請できて、すぐに広告素材を利用できる。
・承認作業をしなくてよい。

・ASPによってはアフィリエイターの質が安定していない。
・ASPに登録されている全アフィリエイターからの提携が承認されるので、「一部カテゴリーだけ除外したい」といったことができない。
手動承認 ・サイトを確認してから承認できる。
・NGカテゴリーなど、ルールに沿ったサイトのみと提携することができる。
・承認作業が毎日必要になる。
・ASPによっては副サイト※が100サイトまで登録できるので、すべてチェックするのに時間がかかる。

副サイト……通常は1つのIDにつき1サイトですが、1つのIDで複数サイトを登録できるASPもあります。複数のサイトを同一IDで管理している場合、最初に登録したメインサイト以外を「副サイト」と呼びます。

可能であれば自動承認をおすすめします。なぜなら、アフィリエイターは記事を書いて「さあ、リンクを取得しよう!」と思った時に提携申請を行うことが多いからです。アフィリエイターは提携申請を行う時が、一番モチベーションが高まっている時です。自動承認でなかったために、すぐにバナーやテキストのリンクが取得できず、記事を書くのを止めてしまう……ということもあります。

ですが、企業によっては手動承認にしなければならない場合もあります。その場合はとにかくアフィリエイターを待たせないよう、素早く承認作業を行うしかありません

筆者が運用担当だった時は、一部のカテゴリーとの提携を見送るために手動承認を行っていましたが、毎日出社時と帰社前の計2回、土日もログインできる環境がある限り手動承認作業を行っていました。

特にアフィリエイターは副業の方が多く、土日しか作業ができない人もいます。せっかく作業をしようと思った時に、承認をこちらの都合で止めてしまうのはもったいないことです。提携承認作業は、数をためてしまうと確認に時間がかかりますが、毎日作業をしていれば数10件のチェックで済みます。毎日承認作業を行うのがコツです。

ですが、通常業務を行いながらの承認作業は、やはり大変です。そこで、提携申請があったサイトをいったんすべて自動承認することをおすすめします。そして、後日、否認の基準に抵触するサイトを提携解除していくのです。

このルールで運用する場合は、前回ご説明したプログラム詳細の承認基準に、

アフィリエイターの皆さまの利便性を考慮して自動承認とさせていただいておりますが、年齢制限のあるコンテンツを掲載しているサイト、競馬やパチンコなどギャンブルを扱っているサイト、情報商材を扱っているサイトからの申請は、承認後にお断りをさせていただいております。

というように承認ルールを明記しておきます。

アフィリエイト別レポートなどで、承認を行ったサイト情報を日別で確認し、NGカテゴリーがあれば後から解除していきます。「アフィリエイターを待たせない」という意味で個人的におすすめです。

否認の基準と注意点

否認するサイトの基準には、下記のような項目があります。

  • NGカテゴリー……年齢制限のあるコンテンツや、ギャンブルなどを扱うサイトをNGとする。
  • 著作権の侵害……芸能人の写真を報道媒体から勝手に流用しているなど、著作権についての知識や認識が不足しているサイトをNGとする。
  • リスティング広告を利用した集客……リスティングなどで活用されている、1枚LPのテンプレートを利用したサイトを承認しないようにすることで、ある程度リスティングサイトと提携するリスクを除外する。
  • ポイントサイト……クリック報酬を導入している、値引きにもつながるという理由でポイントサイトとの提携をNGとする。
  • 法人限定……個人アフィリエイターと提携せず、法人のみと提携する。
  • 個人限定……ポイントサイトを含む法人サイトと提携せず、エンドユーザーに近い個人で活動するアフィリエイターとだけ提携する。
  • アクセス数など、数値での指標……アフィリエイトサイトはネットショップと集客方法が違うので、アクセス数だけで測るのはあまり意味がない場合も。

ASPによっては上記のようなサイトをあらかじめネットワーク内に入れないという運用をしているところもあります。承認作業を簡単にするために、ASPを選択する際の検討事項にするのも良いでしょう。

提携申請をしてくれたアフィリエイターのサイトが、成果につながりにくそうなサイトであったり、初心者で作りがつたなかったりすることもあるかもしれません。しかし、それを理由に拒む必要はありません。なぜなら、クリック報酬を付けている場合は別ですが、提携しているだけなら支払いは発生しないからです。それに、もしかすると自社のユーザーだったり熱心なファンだったりするかもしれませんし、今はつたなくても、将来アクセスを集めるサイトに育つかもしれないからです。

広告主が想像する以上に、アフィリエイターは「否認された」ということに傷つき、本来はファンやユーザーであったとしてもマイナスの印象に変化してしまうことは多々あります。拒否された理由が分からなければなおさらです。プログラム詳細で事前に「提携するための条件」を明示しておくことが重要です。

担当者が複数人いて、承認作業を交互に行う場合も注意が必要です。担当Aは承認するけれど、担当Bは厳しめなので否認する……ということがあってはいけません。アフィリエイター同士は横のつながりがあり、広告主のあいまいな対応は共有されます。ルールに沿った運用を心がけましょう。

すでに運用している方はここにご注意を!

ここで、すでにアフィリエイトの運用をされている方に、ぜひ注意していただきたいことがあります。

①担当者の変更などで、広告主管理画面に長期間ログインしていない場合

「管理画面にログインしていないのにASPから毎月請求があり、成果も一定数上がっている」という場合は注意が必要です。自社のプログラムが自動承認なら良いですが、実は手動承認で、すでに提携済みのアフィリエイターだけが稼動しているといったことがあり得るからです。

この場合、新しく提携申請をしてくれたアフィリエイターは、御社のアフィリエイターとして活動できない状態で待たされ続けています

②代理店や運用代行会社に作業を依頼している場合

作業範囲を決めてお任せしているなら良いですが、レポートしかチェックしていない場合は要確認です。一部のアフィリエイターとだけ提携して、一般のアフィリエイターとは提携せずにそのまま放置して、承認拒否をしている場合があります。

どのようなルールで提携承認を行っているのか、プログラム詳細に「承認に関するガイドライン」(前回参照)を記載しているか、任せきりにせず確認しましょう。

「なかなか承認されない」「承認を放置されて、結局、明確な理由がないのに承認拒否された」という声を、アフィリエイターからよく聞きます。しばらく管理画面にログインしていない、代理店や運用代行会社に任せている場合は確認しましょう。

放置→拒否は最悪のパターン

ASPによっては、承認作業が行われなかった場合、45日や3か月などの期間で自動的に提携申請が差し戻しされる「自動差し戻し」、つまり「提携拒否」が行われることがあります。

ずっと提携されないまま放置されるのも辛いことですが、せっかく御社に興味を持ってわざわざ「提携したい!」と手を挙げてくれたアフィリエイターに対し、待たせたあげくに拒否をするとなると、気持ちの良い対応とはとても言えません。

拒否されたアフィリエイターは、御社の商品のファンや、積極的に紹介しようとしてくれていた人かもしれません。結果として、拒否をした広告主に対して良い印象を持つことはないでしょう。提携承認作業を放置して拒否をするぐらいなら、最初から自動承認にしておくことをおすすめしたいです。

◇◇◇

アフィリエイターとのお付き合いは、「人 対 人」です。お断りする場合は明確なルールを持って、まずはできる限り多くのアフィリエイターと提携関係になることを目標に運用することをおすすめします。

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鈴木 珠世

鈴木 珠世

コミュニケーション・マーケティング コンサルタント

2004年よりギフトメーカーのWebショップ担当を経験。「モノを売る楽しさ」「アフィリエイトの楽しさに目覚め、2008年よりファンコミュニケーションズ、そしてリンクシェア・ジャパンにて、ネットショップ運営者やアフィリエイトサイト運営者に向けた教育・啓蒙活動に従事。その後、売れるネット広告社にて新規媒体営業と通販事業者向けのコンサルティングを行う。

日本アフィリエイト協議会による、アフィリエイト業界関係者が選ぶ「アフィリエイト業界MostValuable Player(MVP)」2012、2013、2014の3年連続の受賞など、受賞歴も多い。共著にて「成功するネットショップ 集客と運営の教科書」を出版。

現在フリーにて、ネットショップ(通販企業)向けのコンサルティングを開始。

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