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2011年からニューヨークなどに宅配ロッカー「Amazon Locker」を設置している米国アマゾン。今度は無人機「ドローン」を飛ばして宅配をしようとしていることはご存知ですよね?(無人機「ドローン」についてはこちらの記事を参照

なぜ、米国アマゾンこのようなことに取り組んでいるのでしょうか? それは、米国アマゾンを取り巻く米国宅配業界の状況がそうさせているのです。

私は今年6月、米国の流通業界を視察するツアーの一環で、世界最大級のECイベントに3年連続で参加。また、米国企業および実店舗など50以上を訪問してきました。そうしたことと、米国宅配業界を取り巻く環境を踏まえ、米国アマゾンが今後取り組むと考えられる配送部門の戦略などについて今回は説明します。

UPSの宅配市場独占で、アマゾンは宅配の自社コントロールに乗り出すことに

アマゾンがECを開始した当時のECサイトの画面

米国アマゾンが最初に立ち上げたECサイトのインターフェース

アメリカで、東海岸から西海岸に物を配送するためにかかる時間は、通常宅配で7日程度。飛行機を使えば翌日には到着しますが、配送料が高い。そのため陸送を使うのが一般的です。

日本では馴染みのある時間帯指定ですが、実は米国にはありません。そのため、日本では指定した時間枠で2時間程度待てば商品が届けられますが、米国では丸1日待たなければなりません。

その宅配を取り巻く市場環境を説明すると、私の感覚ですが、BtoCの宅配市場はユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)が9割近いシェアを握っている状況です。UPSは日本で例えるとヤマト運輸のような企業で、大手のFedExは佐川急便です。

UPSはBtoCで9割のシェアを持っているためほぼ独占状態。これだけのシェアを握っているので、配送料金の値上げが簡単に行える立場にあります。

そのため、アマゾンやeBayをなどの通販企業にとって、配送料金を抑えることができないことから、自社の収益がUPSに左右されることになるのです。別の観点から見ると、宅配に関する部分が収益のボトルネックになっているということ。収益を左右する大事な部分をUPSに握られているのです

そのため、アマゾンはUPSを利用しない配送手段を模索し続けているのです。2011年から始まったアマゾンロッカーや地場宅配業者の活用、物流センターの多拠点化などは、すべて自社で宅配をコントロールするためなのです。アマゾンは顧客中心主義なので、顧客視点ということも大きいのですが、私の考えも的を外していません。

今後5年度商用ドローンが7500機も飛ぶ米国、アマゾンは自社トラックでの配送も

これから米国アマゾンは宅配部分をどのようにコントロールしていくのでしょうか?

昨年、日本でも報道されたドローンについて、国内の多くの人が「夢物語」と捉えているでしょう。しかし、米国では今後5年で商用のドローンが7500機も飛ぶと言われています。

米国で報道されているニュースの論調では、アメリカの運輸省の下部機関で、航空輸送の安全維持を担当する連邦航空局「FAA」(Federal Aviation Administration)は、無人のドローンが旅客機などの有人飛行機と「共存できる」法律を2015年までに作ろうとしています。

また、オーストラリアでは、すでにドローンの使用を許可された企業があり、すでに飛んでいるという現状があります。間違いなく、2015年には、アマゾンプライムエア(Amazon Prime Air)という名のドローンが飛ぶことになり、米国ではドローンによる商品配送が行われるようになるでしょう。

加えて、自社の車両で、アマゾンのフルフィルメントセンターから各家庭に商品を届けることも米国アマゾンは将来的な展望として考えているようです

アマゾンフレッシュ(Amazon Fresh)をご存知でしょうか? 「アマゾン」のロゴがある緑色の小型トラックが、アマゾン・ドット・コムの生鮮食料品宅配サービスで、今は地域を限定して展開していますが、自社のトラックで直接商品を届けます。

実はその「アマゾンフレッシュ」を支える車両の横には、「Computer(コンピューター)」「Office Product(事務用品)」と記載されています。将来は生鮮食品だけでなく、他の商材も自社のトラックで配送するのかもしれません

日本のECや通販を行う企業も、米国同様、日本の宅配会社の寡占化が進めば、自社の収益を自分でコントロールすることができなくなります。そのことを踏まえると、いかに自社でコントロールできる配達手段を、単独もしくは共同で創り出すことの重要性を理解いただけるのではないでしょうか。


セミナー情報

このような話を含め、2014年7月2日に、米国で開かれた世界最大級のECカンファレンス「IRCE」やイー・ロジット主催の米国流通物流視察ツアーで得たことを報告するセミナーを開催します。リアルとネットの流通から俯瞰した現在の米国の状況と、そこから考える日本の未来を学んで下さい。

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角井 亮一

株式会社イー・ロジット

角井 亮一

株式会社イー・ロジット
代表取締役

1968年(昭和43年)10月25日生まれ。上智大学経済学部経済学科(田中利見ゼミ)を3年で単位取得終了し、渡米。ゴールデンゲート大学からマーケティング専攻でMBAを取得。帰国後、船井総合研究所に入社。その後不動産会社を経て、家業の物流会社、光輝グループに入社。
光輝グループでは、日本初のゲインシェアリング(成功報酬型アウトソーシング、東証一部企業)を達成する。
2000年2月14日、株式会社イー・ロジット設立、代表取締役に就任。現在170社以上から通販物流を受託する国内NO.1の通販専門物流代行会社であり、物流人材教育研修や物流コンサルティングを行う会社。
現在、日本語だけでなく、英語、中国語(簡体、繁体)、韓国語でも書籍を累計13冊以上出版している。

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