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フジテレビが運営する「FODプレミアム」は、過去に放映した名作ドラマ、バラエティ、アニメ、映画などが月額888円(税抜)で視聴できるサブスクリプション型の動画配信サービスだ。最新作や「FOD」オリジナル番組などの配信も行い、利用者は右肩上がり。さまざまな動画配信サービスが浸透するなか、「FOD」はなぜ支持されているのか? その1つの要因にあげられるキーワードが「Amazon」だ。躍進を続ける「FOD」の裏側を取材した。

フジテレビの動画配信サービス「FOD」とは?

フジテレビが過去に放送していたテレビ番組やバラエティ、オリジナル動画などをメインにインターネット配信する「FOD」。Web、アプリなどで「いつでもどこでも手元のデバイスで視聴できる」をコンセプトにサービスを展開している。

事業の柱は2つ。1つは、最新ドラマ・バラエティを放送後から期間限定で視聴できる無料のコンテンツ配信サービス。2つ目が、最新作に加えて過去にフジテレビが制作したドラマ、バラエティ番組、アニメや映画など、数多くの対象作品が月額888円(税抜)で見放題になる定額課金のサブスクリプションサービス「FODプレミアム」だ。

フジテレビが展開する動画配信サービス「フジテレビオンデマンド(FOD)」
フジテレビが展開する動画配信サービス「フジテレビオンデマンド(FOD)」

期間限定で視聴できる無料配信サービスの視聴者を、収益源の柱となる「FODプレミアム」にいかにして移行できるかが「FOD」のビジネスの根幹。そこで大きなハードルとなっていたのが、「FODプレミアム」への登録を行う「会員登録」だった。

「FOD」は、リモコン操作で簡単にテレビを見たいといったユーザーがメインターゲットとなります。ユーザーがご自身で個人情報を入力しなくても、定額課金サービスを体験できる方法を導入したいと思っていました。(フジテレビ 総合事業局コンテンツ事業センター コンテンツ事業室 枝根聡樹氏)

「FOD」は2008年にWebでスタートし、2012年にリニューアル。当時、ガラケーからスマホへの移行期でもあり、手軽に番組を視聴できる仕組み作りを模索していた。そこで採用したのがオープンID戦略だった。

現在、「FOD」では3大キャリアのキャリア決済、楽天・ヤフー・Amazonなどが提供するIDログインサービスおよび決済サービスを導入している。

オープンID戦略を取り入れることで新規に個人情報を入力するハードルを下げるようにしました。デジタルを活用する人の購買率、継続率も高い。こうした傾向を鑑みて、オープンIDを使って簡単に登録・決済ができるサービス設計をめざしました。(枝根氏)

「FOD」ではさまざまなオープンIDのログイン、決済機能を導入している
「FOD」ではさまざまなオープンIDのログイン、決済機能を導入している

「Amazon Pay」導入を決めた理由

ただ、導入したオープンIDにも課題があった。たとえば決済手数料の料率。ある企業ではID決済の手数料に加えて、ポイント原資の負担もあった。

また別のIDログインおよび決済サービスでは、IDログインサービスと決済サービスの2段階登録という利用者の登録作業が必要となり、コンバージョンへのハードルが高く、離脱につながっていた。

こうした課題を解決するために導入したのが、Amazonアカウントに登録した情報を使い、Amazon以外の自社ECサイトなどでログインや決済を行えるようになる「Amazon Pay」だった。「Amazon Pay」は2015年のサービス開始から約4年で、利用事業者数は数千社に拡大しており、自社ECサイトからのニーズは高い。

また、初めて使うECサイトでIDとパスワードの登録を面倒に感じる消費者は増加している。「Amazon Pay」を導入すれば、新たにアカウント開設のために個人情報を入力しなくても、Amazonアカウントに登録されている情報を使って支払い手続きを完了することが可能。IDやパスワードを増やさなくて済むため、ECサイトの利用者にとって利便性が高い。

そして、導入したECサイトでは、その自社ECサイトを使う顧客に対して次のようなメリットを提供できるとされる。

  • 「Amazon.co.jp」のID/パスワードひとつで買い物できる
  • 住所やクレジットカード情報の入力が不要
  • Amazonアカウントへのログインと注文確定の最短2クリックで決済が完了する

そのため、「Amazon Pay」を導入したECサイトでは、①新規会員が獲得しやすくなる②CVR(コンバージョンレート)が向上しやすくなる③不正注文が防げるようになる④LTV(顧客生涯価値)が向上しやすくなる――といった効果を期待できる。「FOD」がめざす「使いやすいサイト」作りと方向性が合致した

フジテレビにとっては手数料も魅力的だった。「Amazon Pay」は初期費用と月額利用料が無料(カート経由で利用する場合は、カート会社での月額費用が発生する場合がある)。決済手数料は物販・サービスの場合4%、デジタル商材の場合は4.5%に設定されている。

普段、Amazonで買い物する優良なお客さまが「FOD」の会員になってくれます。手数料も他のID決済と比べて低いこともメリットでした。(枝根氏)

フジテレビ 総合事業局コンテンツ事業センター コンテンツ事業室 枝根聡樹氏
フジテレビ 総合事業局コンテンツ事業センター コンテンツ事業室 枝根聡樹氏

「Amazon Pay」導入でCVR、LTVが大幅に向上

「FOD」ではこれまで、オープンIDごとにキャンペーンを行っていたため、単純な比較はできないものの、2018年7月の「Amazon Pay」導入によって「コンバージョン数の増加は大きく改善した。会員の伸び率も大きな変化があり、従来比で約20%向上しました」(枝根氏)。

新規客の獲得ペースの加速、コンバージョンレートの改善によって思わぬ効果も。「さまざまな指標が改善されたため、リスティング広告など販促キャンペーンが打ちやすくなった投下した予算の新規客獲得効率が上がったため、会員数の獲得ボリュームは2割増しになりました」(枝根氏)と言う。

フジテレビが最も効果的だったと考えるのはLTV(顧客生涯価値)の劇的な変化だ。サブスクリプション型で提供している「FODプレミアム」の継続利用率が向上したことで、LTVは約14%も改善した。「平均継続期間の伸びが顕著です」(枝根氏)。

「FOD」のサブスクを支える「Amazon Pay」の「Auto Pay」機能

「Amazon Pay」にはもう1つ、サブスクリプションビジネスを支援する大切な機能がある。

「Amazon Pay」の「Auto Pay」と呼ばれるその機能をECサイトに導入することで、購入者は初回の支払い手続き時に「以降の支払いをAmazon Payで行う」と設定することが可能になる。2回目以降は都度ECサイト上で支払いの手続きをすることなく継続して商品やサービスを注文できるようにするものだ。

また、「Amazon Pay」の「Auto Pay」を使えば、事業者は「自由に金額やタイミングを設定し、請求することが可能」「顧客へのサービス提供内容に応じて、決済の頻度や金額などのカスタマイズが可能」など、ビジネスモデルに柔軟に対応した決済方法を購入者に提供することが可能だ。

「FOD」ではこうした機能を活用し、「Amazon Pay」経由で「FODプレミアム」に登録した会員に対して「初回1か月無料」という無料トライアルキャンペーンを実施。会員登録のハードルを大幅に下げることに成功している

サブスクリプションの根幹はクレジットカード。以前、ケータイキャリア決済がメインだったころは、(ケータイ端末を切り替えるタイミングが多い)2年間で「FODプレミアム」をやめてしまう利用者が圧倒的に多かったんです。そのため、LTVも固定化されていました。こうした状況は現在、劇的に変わりました。「Amazon Pay」経由に関して、初回1か月無料を試したことで、2か月目以降も継続するユーザーがとても増えています。(フジテレビ 総合事業局コンテンツ事業センター コンテンツ事業室 部長職 野村和生氏)

「顧客へのサービス提供内容に応じて、頻度や金額などのカスタマイズ」できる「Auto Pay」機能を活用し、「Amazon Pay」でのお支払いを選んだ方には初回1か月無料サービスを提供している
「顧客へのサービス提供内容に応じて、頻度や金額などのカスタマイズ」できる「Auto Pay」機能を活用し、「Amazon Pay」でのお支払いを選んだ方には初回1か月無料サービスを提供している

LTVアップのための独自施策、Amazon顧客との高い親和性

「FOD」ではプレミアム会員向けに、映画やドラマ、バラエティといった番組以外のコンテンツを豊富に取りそろえ、会員のLTV向上につなげている。たとえば以下にあげたコンテンツがその一例。

  • 人気雑誌の最新号読み放題(135種類以上)
  • 電子書籍の購入額の20%分をポイント還元
  • 特定のマンガコンテンツの無料閲覧
  • 見放題対象外の動画や書籍の購入に使えるポイントを定期的に付与
動画コンテンツだけではなく、雑誌の見放題、電子書籍がお得に購入できる会員サービスも展開する
動画コンテンツだけではなく、雑誌の見放題、電子書籍がお得に購入できる会員サービスも展開する

自社の放映コンテンツから、他社のコンテンツまで会員向けに幅広くそろえています。特に「Amazon Pay」経由の会員は電子書籍の購買率が高い。普段、Amazonで電子書籍に触れている顧客が多く、抵抗なく電子書籍を購入してくれるのでしょう。(野村氏)

フジテレビ 総合事業局コンテンツ事業センター コンテンツ事業室 部長職 野村和生氏
フジテレビ 総合事業局コンテンツ事業センター コンテンツ事業室 部長職 野村和生氏

「Fire TV」の「FOD」を対応、リビング視聴ユーザーの獲得につながる

フジテレビは「FOD」への「Amazon Pay」導入と同時に、インターネットの配信映像などをテレビ画面で視聴できる「Fire TV」利用者向けに、アプリケーションの提供を開始した。

Amazonが提供するアプリ内課金(IAP)のAPIを活用し、定額課金サービスである「FODプレミアム」の申し込み手続きをアプリ内で行うことができるようにした。「テレビドラマなどをリビングのテレビで視聴したい人向けに展開しています」(野村氏)。

野村氏曰く、これはデバイス戦略の一環。「視聴者のテレビ視聴が多様化しているので、『FOD』はFire TVに対応することで、ネットでテレビを見る視聴者にアプローチできるようになりました」(野村氏)

「Fire TV」で「FOD」を閲覧するユーザーは「継続率が高く、たくさんの動画を視聴しています」と野村氏。

「Amazon Pay」経由の顧客ユーザーが増え、「FOD」は消費者のリビングにすんなり入り込む導線を作ることができました。これは他のオープンIDでは、実現できないこと。こうしたデジタル戦略を進め、「FOD」経由でテレビ占有率を取り戻していきたいと考えています。テレビ番組の持っているコンテンツとしての価値は少しも失われていないことを実感できています。(野村氏)

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瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

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