瀧川 正実 2019/4/15 8:00
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売上規模が大きいECサイトでは、コンバージョン率(CVR)が0.1%でも改善されれば売り上げに大きなインパクトを与える。通販ブランド「ショップジャパン」で知られるオークローンマーケティングもその1社。ECサイトの担当者は、“0.0何%~0.何%"というCVRの改善を積み重ね、EC売上の拡大につなげようとしている。「ショップジャパン」が決済サービス「Amazon Pay」を導入したのは2018年10月。その後、ECサイト全体のCVRは導入前と比べて1%も改善した。そんな「Amazon Pay」導入の理由や導入効果などを取材した。 写真◎吉田 浩章

個人情報の入力フォームの改善は0.0何%~0.何%の戦い

「ショップジャパン」は、大ヒットとなったエクササイズDVD「ビリーズブートキャンプ」、巻くだけで腹筋を鍛える家庭用EMS機器ブランド「スレンダートーン」、低反発マットレスの寝具ブランド「トゥルースリーパー」などを展開する通販ブランドである。

目の肥えたバイヤーが世界中のユニークな選りすぐり商品やアイデアを発掘し、オリジナル商品として改良を加え、テレビショッピング、eコマース、カタログショッピング、新聞広告、店頭販売などマルチチャネルで販売するビジネスを展開。その売上高は483億2700万円(2017年度 ※オークローンマーケティング単体)にのぼる。

さまざまなチャネルで商品を販売する「ショップジャパン」にとって、ECサイトは重要な役割を担う。ネットを頻繁に利用する人はもちろん、「地上波、BS、CSで放映するインフォマーシャルを見て」「新聞広告を見て」「実店舗で商品を見て」など、さまざまなメディアで「ショップジャパン」に触れた消費者が日々、ECサイトに訪れる

「ショップジャパン」の公式ECサイト
「ショップジャパン」の公式ECサイト

そのため、テレビや新聞などを見た商品を買うために訪れる“目的買いユーザー”は少なくない。こうしたビジネスモデルを踏まえ、ECサイトの運営担当者の1人である尾本千尋さん(Eコマース担当)は買い物の利便性、特に買い物カゴから決済までのページ改善に力を注いでいた。

尾本さんが3年ほど担当しているのがカート周りの改善。特に、EFO(入力フォーム最適化)の改善に注力してきた。

いかにコンバージョンを高められるかを考え、入力フォームの改善を繰り返してきました。それでもCVRの改善率は0.0何%~0.何%小さな改善を繰り返し、入力フォームの最適化を続けていました。(尾本さん)

Amazonの決済サービス「Amazon Pay」を知り、導入したのは2018年10月。その後、「Amazon Pay」の導入によって「ショップジャパン」のECサイトに大きな変化が起こる。想定していたよりも「Amazon Pay」を利用する消費者が多く、決済シェアで大きな割合を占めるようになったのだ。

ショップジャパン Eコマース担当 尾本千尋氏
Eコマース担当の尾本千尋さん

5か月間で「Amazon Pay」は決済シェア25%

導入から5か月後の2019年2月。ECサイト全体の決済に占める「Amazon Pay」の割合は25%を超えたわずか5か月間でクレジット決済に次いで2位、全体の4分の1を超えるシェアにまで広がったのだ。

「ショップジャパン」のECサイトは、他社のID決済サービスも導入している。他社のID決済サービスは一度、「ショップジャパン」のECサイトから離脱する移動フローを採用しているため、「ITリテラシーの高くないお客さまにとって、その仕組みが離脱の要因になっていたケースがあったのではないかと思います」(尾本さん)と言う。

一方の「Amazon Pay」は、ECサイトから他サイトに移動することなく決済手続が行える仕組みを実装できるのが特長でもある。「ショップジャパン」のECサイトもこの仕組みを実装し、顧客にシームレスな買い物環境を提供することができた。

外部サイトへの画面移動がないので、「ショップジャパン」の世界観を変えることなく買い物をすることができます。すべてECサイトの中で完結できるようになったのが大きな成果でした。(尾本さん)

「ショップジャパン」公式ECサイトの決済画面
「シームレスな買い物体験が提供できる」のが「Amazon Pay」の特長の1つ

「Amazon Pay」を導入した理由

そもそも、「ショップジャパン」はなぜ「Amazon Pay」の導入を決めたのか。尾本さんは次のように言う。「お客さまがほしいと思ったときに、住所などの個人情報を入力しなくても購入できるようにしたかった」。

「Amazon Pay」を知り、顧客にどのような価値が提供できるのかを調べた尾本さん。カート周りの改善担当として、「お客さまの個人情報などの入力の手間を省け、簡単に買い物ができる。大きな改善効果が得られるのではないか」と感じたと言う。

「ショップジャパン」のECサイトは、インフォマーシャルや新聞広告などで商品を知りサイトへアクセスする新規訪問者も多い。だが、初めて訪問するECサイトでは、クレジットカード情報の入力に不安を感じる消費者は少なくない。そのため、新規顧客がECサイトにクレジットカード番号を入力するハードルが高いと言われている。また、スマートフォンではカード番号の入力ミスなどにより、離脱してしまうケースもある。

「Amazon Pay」は、Amazonアカウントに登録された配送先住所やクレジットカード情報を使い、Amazon以外のECサイトでログインや決済ができるID決済サービス。初めて利用するECサイトでも、Amazonアカウントでログインすることでクレジットカード情報などを入力する必要がない。

Amazonを利用する方は圧倒的にその母数が多いですよね。アカウントを持っているお客さまは「Amazon Pay」で、最短2クリックで購入できるようになります。それにAmazonアカウントで買い物ができれば、ショップジャパンに初めて訪問していただくお客さまにとってはとても安心できると考えました。(尾本さん)

“0.0何%~0.何%"というCVRの改善業務と日々格闘してきた尾本さんは、「Amazon Pay」の導入からのこの5か月間をこう振り返った。

ECサイトの訪問者の中には、カート内の入力フォームを見ただけで離脱するお客さまもいらっしゃいます。いかに入力しやすくするか知恵を絞り改善を積み重ねてきましたが、カート周りの改善効果はほんのわずかでした。「Amazon Pay」を導入する前と現在を比べたらその効果に驚きました。「Amazon Pay」の導入が、これまでなかなかできなかったカート内の離脱対策につながり、CVRが1%も改善されたんです。(尾本さん)

「ショップジャパン」公式ECサイトの決済画面
カート内での離脱を減らそうと、「Amazon Pay」のボタンをわかりやすい位置に配置していると尾本さんは説明する

「Amazon Pay」とは

ここで「Amazon Pay」をおさらいしておきたい。「Amazon Pay」を決済方法に選択した顧客は、ECサイトにクレジットカード情報や住所などをあらためて入力する必要がないため、事業者は会員登録時における顧客の離脱を抑制する効果が期待できる。

「Amazon Pay」が顧客に提供する価値として、次のような点があげられる。

  • 「Amazon」の IDひとつで買い物できる
  • 住所やカード情報を入力せずに買い物できる
  • 「Amazon Pay」へのログインと注文確定の最短2クリックで決済が完了する

「Amazon Pay」で決済したクレジットカードの情報は、EC事業者のサーバには保存されないため、仮にECサイトへの不正アクセスがあったとしても、カード情報の漏えいを回避できる。

また、「Amazon Pay」では、アカウントやクレジットカード情報の不正利用を24時間365日体制で監視しており、Amazonと同様の体制下にある。

不正利用の監視体制と同様に、テクニカルサポート体制も24時間365日対応。「新しい決済サービスを導入するとなると、さまざまな部署との調整が必要になりました。ただ、『Amazon Seller Central』に質問を送ると、すぐに対応いただけたので、開発もスムーズに進みました」。尾本さんはサポート体制をこう評価する。

ショップジャパン Eコマース担当 尾本千尋氏
Amazonのサポートもあり、「Amazon Pay」の導入はスムーズに進んだと尾本さんは話す

「Amazon Pay」は「購入したい気持ちを後押しする」

「Amazon Pay」を導入する企業が増えている背景には、新規顧客の獲得が期待できるという価値もある。注文確定画面に会員登録ボタンを配置し、新規会員登録を促進することもできるのだが、「ショップジャパン」はまだこの機能は実装していない。

まず、“簡単に購入できる"という買い物体験の提供を優先したため、自社のマーケティング施策への活用を控えてきた。決済全体に占める「Amazon Pay」の割合が4分の1を超え、スマホ経由の決済でも4分の1を突破。その状況を踏まえ、「『Amazon Pay』経由で会員登録も行えるようにすることで、マーケティング施策に生かしていきたい」と尾本さんは次を見据える。

「ショップジャパン」が扱う商品は比較的、高単価商材が多い。インフォマーシャルを見た際は「すぐ買おう」と思ったものの、カート内で個人情報を入力していると冷静になってしまい、結局は商品未購入に陥るといった消費者は少なくない。テレビショッピングにはそうした消費者が多いとされる。

こうした環境下で日々CVRの改善業務に従事していた尾本さんは、簡単に商品を購入できる環境の必要性を痛感していた。そのためか、尾本さんはインタビュー中、次の言葉を何度も口にしていた。

「Amazon Pay」を使えばさくっと商品を買うことができます。それは、消費者の購入したい気持ちを後押しする効果があると思うんです。(尾本さん)

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