「我社は変わる」。紳士服などのタカキューが事業再生に向けてECビジネスを大改革、その取り組みとは?
紳士服などを展開するタカキューが、事業再生に向けてECビジネスの大改革に着手する。EC専用新ブランドを投下するほか、EC物流の最適化を図っていく。
タカキューでは2022年2月期会計年度末に債務超過に陥り、上場廃止基準に係る猶予期間入り銘柄となっていた。2025年2月期会計年度末に純資産が10億7500百万円となり、上場維持基準(純資産基準)に適合する見込みに。事業再生へ向けて「2025年我社は変わる」をスローガンに掲げ、EC施策の強化など再成長に向けた取り組みを進めていく。

今秋からEC専用ブランド「DRAW」をスタート
タカキューは商品設計、廉価な価格帯で同質化した各ブランドを再定義する。ターゲットペルソナ・価格帯・テイストを明確に区別し、ブランドをポートフォリオ化。そのなかで、EC専用の新規ブランドも追加する。
計画するEC専用新ブランドの名称は「DRAW」。2025年春夏シーズンから広告し、秋冬シーズンに新規展開する予定。顧客層の拡大も狙いZ世代を中心としたメンズ・レディース・ジェンダーレスなカテゴリーで展開する。ファッション好きをターゲットに向けたカジュアルスタイルとした。
配送回数が多かったEC物流を改革
再成長に向けた実施施策に、EC物流の最適化を掲げた。従前はEC物流が最適化されていなかったため、物流センター・EC倉庫・実店舗の間で二重三重の配送が発生。店舗在庫から配送する場合、顧客に商品が届くまで配送が2〜4回発生するケースがあったという。EC商品については今後、EC倉庫からの直送に切り替え、配送費の大幅削減をめざす。2025年6月には完全移行する予定だ。
表示アルゴリズム変更などECサイト改善にも着手
ECサイト関連ではサイト改善などにも着手する。すでにECサイトの商品表示アルゴリズムの変更を実施。カテゴリーページの商品並び順を「新着順」から「おすすめ順(売上高の高い順)」に変更したところ、翌週には主要4品種で売り上げが前年比47%%増、全体で同20%増を達成したという。
レビュー機能も充実させる。自社サイトに購入した商品の評価、コメント機能をリリース。レビューを増やすことで購入率の増加を図る。
SEO対策も強化する。Hタグの構成を変更し検索結果の改善につなげたほか、訴求するキーワードからの記事を月2本/年24本作成するなどコンテンツを充実させる。
全体施策として、会員制度の変更を実施。値引割引を大幅に減らす一方で、ポイント制度を充実させる。頻発していたセール期間を縮小しするなど、大幅に変更するという。