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こんにちは。BtoB EC・Web受発注システム「BカートASP」を提供している株式会社Daiの鵜飼 智史(うかい さとし)です。当コラムのアイコンは“鵜”ですが、私は名字の通りの“鵜飼い”ではございません。ちなみにご先祖さまの系譜を見てみても "鵜飼い" にはたどり着かないようです……。

冗談はさておき、一般の消費者を対象としたネット通販、つまりBtoCのeコマースに関しては、連日さまざまなニュースが飛び交っていますが、法人や事業者を対象としたBtoBのeコマース(以下、BtoB-EC)は情報が乏しく、まだまだ本格的に取り組んでいる企業が少ないように感じています。

ですがこのところ、BtoBのシーンにおいても少しずつではありますがEC化が進んでおり、徐々に注目され始めています。ただ、BtoBはその性質上クローズドな側面もあるので、外から見ているとどんな事が起こっているのか分かりにくいのも事実です。

当コラムではそんなBtoB-ECにスポット当て、これからBtoB-ECを考えている方や、BtoB-ECの最先端の情報を収集したい方に、わかりやすく解説していこうと思います。

数字で見るBtoB市場

マクロな視点から全体を捉えるという意味で、BtoB-ECの市場規模はどの程度の大きさで、EC化はどれくらい進んでいるのか。そして、その数字からどんな事が読み取れるのかを解説していきます。

今回ご紹介する数値やデータは、経済産業省が平成10年度から毎年実施している「我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」を参照。BtoBの数値の定義に関しては「広義EC」の数値を採用しています。

平成27年度の調査結果によると、日本国内のBtoC-ECの市場規模は13.8兆円(前年比7.6%増)で、EC化率は4.75%(前年比0.38 ポイント増)。それに対し、BtoB-ECの市場規模は288兆円(前年比3.0%増)で、EC化率は27.3%(前年比0.8 ポイント増)でした。EC関連というと少し大雑把ですが、全ての数値において前年比を上回っています。

	市場規模	EC化率BtoC	約13.8兆円	4.75%BtoB
BtoCとBtoBの市場規模とEC化率の比較

ポイント① 市場規模はBtoC-ECの20倍

「BtoC-ECの市場規模は13.8兆円」という数値は、講演やメディアなどもよく取り上げられるのでご存知の方も多いかと思います。では、BtoB-ECの市場規模はどのぐらいあるかというと、なんと……288兆円! とてつもなく大きな規模で、BtoC-ECの約20倍という、圧倒的な市場規模なのです。

新規事業や経営計画などを作成するにあたり、事前に市場規模などを調査し、参入(または取り組む)に値するかどうか判断する企業も多いと思いますが、そういった観点から見てもBtoB-ECは非常に有望なマーケットであることがわかります。

ポイント② EC化率はBtoC-ECの5.7倍

次に、BtoBのEC化率も見ていきたいのですが、同じようにBtoCと比較しながらご紹介していきます。

BtoCのEC化率は4.75%という数値が出ています。家電量販店などを中心に実店舗がショーケース化していますが、まだまだEC化が進む余地は大きく、昨今注目されているオムニチャネルなどの施策が進めばこの辺りの数字はさらに大きく変化していきそうです。

では、BtoBのEC化率はというと、27.3%という数字が出ています。「あれっ? BtoBってもっとアナログなイメージがあるんだけど」という方も多いでしょう。これは、この調査方法にちょっとした理由があるようです。

BtoBの歴史を紐解くと、EDI(Electronic Data Interchange/電子企業間取引)やEOS(Electronic Ordering System/電子受発注システム)といった形でシステム化が進んでおり、今回採用した「広義EC」では、

コンピューターネットワークシステムを介して、商取引(受発注)が行われ、かつ、その成約金額が捕捉されるもの

という定義があるので、そういった取り引きがEC化率に反映されています。つまり、大手企業同士がシステムを介して行う売上金額をベースとしてEC化率を算出するという仕組みなので、BtoBのEC化率が高くなる傾向があります。

「なーんだ。EDIやEOSも含まれるのか」と期待はずれに思う方もいるかもしれませんが、先にあげた内容はBtoB-ECの顕在化しているものを解説したにすぎず、それとは別に、まだ表面には現れていない潜在的なニーズに注目するべきだと考えています。

クラウドサービスで変わるBtoB-EC

BtoC-ECに関しては、ギフトなどはあるものの基本的には個人消費ですので、楽しくショッピングをして自己消費していくと思います。それに対してBtoB-ECでは、決まった商品を原則再販していく購買行動で、「業務中の限られた時間の中で効率よく発注したい」というニーズがあります。そういったことからも推測できるように、BtoBにおいては比較的同じような取り引きを何度も繰り返す傾向があり、システム化しやすい領域だと考えることができます。

ただ、BtoBは本質的にシステム化されやすいという潜在的なニーズがあるにも関わらず、システム化が遅れているという現状があります。では、なぜシステム化が進まないのでしょうか?

やはりEDIやEOSといったシステム構築には巨額の投資を必要とされていたことがあげられます。投資対効果を考えると、やはり大企業との取り引きは一定量のやり取りが見込まれるため、業務を効率化するメリットが大きいと考えられます。

ですが、小口(ここでは「スモールB」と呼ぶことにします)との取り引きに関してはそういったシステム構築に投資できるほどの取引量がないので、おのずと電話やFAXに頼らざるをえない状態になっていきます。

ですが、BtoCで発展してきたECの仕組みをBtoBにも応用することで、従来のようなシステム投資をせずに、インターネットから注文を受け付ける体制を構築できるようになってきています。

また、なにかと費用のかさむBtoBのECサイト構築でしたが、クラウドサービスなどの登場もあり、いままで手が届かなかった企業でも比較的安価にサービスを導入できるようになってきました

クラウドサービスなどの登場も手伝って、いままで手が届かなかった企業でも比較的安価にサービスを導入できるようになってきた

これまで放置されがちだったスモールBとの取り引きもECを通して活発に行われるようになり、煩雑な対応が多かったBtoBの取引きがシステム化されてきているのです。

◇◇◇

このようにBtoB-ECが注目される背景はさまざまありますが、今回は市場規模やEC化率という側面からBtoBの魅力をご紹介していきました。少しずつではありますが、BtoB-ECの魅力を発信していこうと思います。

◆鵜飼さんが執筆したBtoB-ECの専門書『BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020 [今後デジタル化が進むBtoBとECがもたらす変革]のご案内』

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BtoB-ECの基本的な解説から市場全体の動向、ユーザー企業がBtoB-ECに取り組もうとするときに参照できる導入手順までを解説しています。また、製造業や卸売り業の企業にアンケートを実施し、ユーザー企業の取組状況も掲載しています。

ユーザー企業動向調査のハイライト

BtoB-ECへの取組状況に関わらず、調査対象の全企業に「企業内でBtoB-ECが重要なテーマになっているか」を聞いたところ、「非常に重要であり、最優先テーマの1つである」が11.0%、「重要なテーマの1つである」が26.7%、「 優先度は高くないがテーマにはなっている」が12.2%となった。合計すると、約半数の企業が「取り組むテーマになっている」と回答した。

Rakuten OPTIMISM会場風景
図表1 BtoB-ECが重要なテーマになっているかどうか

すでにBtoB-ECを実施している企業を対象に取り組んでいることを聞いたところ、「業務フローの変更」が52.9%と突出して高かった。導入時にハードルになったことは「既存の業務フローの変更」で33.0%と最多

図表2 BtoB-ECサイト導入にあわせて取り組んでいること・ハードルになったこと(複数回答)
図表2 BtoB-ECサイト導入にあわせて取り組んでいること・ハードルになったこと(複数回答)

BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020 [今後デジタル化が進むBtoBとECがもたらす変革]

BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020 [今後デジタル化が進むBtoBとECがもたらす変革]
  • 監修:鵜飼 智史
  • 著者:鵜飼 智史/森田 秀一/公文 紫都/インプレス総合研究所
  • 発行所:株式会社インプレス
  • 発売日 :2020年3月24日(木)
  • 価格 :CD(PDF)版、ダウンロード版 90,000円(税別) 、
    CD(PDF)+冊子版 100,000円(税別)
  • 判型 :A4判 カラー
  • ページ数 :200ページ
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鵜飼 智史

鵜飼 智史

株式会社Dai Bカート
取締役 B2BソリューションDiv マネージャー

BtoB ECの第一人者として黎明期より活躍。Eコマースの展示会での特別講演や全国規模でのセミナー活動を精力的におこなう。また、BtoB EC界隈に参入を計画する企業への社内勉強会やアライアンスなども積極的におこないBtoB ECの根本的な底上げを推進している。

まだまだアナログな作業が多いBtoBの業務フローをデジタル化するべく奮闘し、これから訪れる企業のデジタルトランスフォーメーションへの本格的な対応を見据えて日々企業の業績アップに貢献している。

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