苦情・クレーム対応でもっとも許せないのは「たらい回し」
日本労働組合総連合会(連合)が12月21日に公表した、サービスや商品に対する「消費者からのクレーム」に関する調査結果によると、苦情やクレームに対する企業側の対応として消費者が許せないと感じることのトップは「たらい回し」だった。
苦情・クレーム対応で許せないことは?
「苦情・クレームに対する店員・係員の対応で許せないもの」を選択式・複数回答で一般消費者1000人に質問。その結果、「色々な部署をたらい回しにされる」(41.8%)が最も多かった。
2位以下は「こちらに落ち度があるような言い方をさ れる」(35.3%)、「失礼な言葉づかいで対応される」(34.4%)、「謝るだけで、他に何も対応がない」(32.3%)、「なかなか返事が来ない」(27.7%)。
接客業務従事者1000人にも同様の質問をしたところ、上位は「色々な部署をたらい回しにされる」(41.5%)、「こちらに落ち度があるような言い方をされる」(36.5%)、「謝るだけで、他に何も対応がない」(31.5%)、「失礼な言葉づ かいで対応される」(31.3%)。
一般消費者と接客従事者は3位と4位の項目が入れ替わっているものの、大きな違いはない。
接客従事者の半数以上が迷惑行為を経験
接客業務従事者が「勤務先で、消費者から受けたことがある言動(迷惑行為)」の上位は、「暴言を 吐く」(33.1%)、「威嚇・脅迫的な態度を取る」(28.5%)、「説教など、権威的な態度をとる」(19.2%)、 「何回も同じクレーム内容を執拗に繰り返す」(16.7%)、「従業員を長時間拘束する」(10.4%)。
「あてはまるものはない」と回答した43.1%を除き、56.9%は何らかの迷惑行為を経験している。
迷惑行為への対応方法は?
消費者から迷惑行為を受けたことがある人(569名)に対し、対応方法を聞いた。「暴言」「威嚇・脅迫的な態度」「説教など、権威的な態度」では、「丁重に謝罪した」(暴言 47.4%、威嚇・脅迫的な態度44.2%、権威的な態度43.2%)が最多。
「同じクレームの執拗な繰り返し」「従業員の長時間拘束」では、「対応できる内容と、できない内容をはっきり説明した」(クレーム繰り返し50.9%、従業員の長時間拘束47.1%)がもっとも多い対応方法だった。
迷惑行為をなくすために必要なことは?
「店員・係員に対する消費者の迷惑行為をなくすために必要だと思うこと」を質問したところ、一般消費者は「消費者への啓発活動」が46.0%で最も多く、2位以下は「企業のクレーマー対策の教育」が42.0%、「法律による防止」が36.0%、「企業のマニュアル対策」が26.9%だった。
接客業務従事者は、「消費者への啓発活動」が49.5%、「企業のクレーマ ー対策の教育」が40.6%、「法律による防止」が37.3%。
調査概要
- 調査名:消費者行動に関する実態調査
- 実施機関 :ネットエイジア株式会社
- 調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする15歳~69歳の男女
- 調査期間 :2017年11月13日~11月14日
- 調査方法 :インターネット調査
- 有効回答数:2000サンプル(一般消費者1000サンプル、接客業務従事者1000サンプル)
- ※一般消費者の定義:自身の職業を「専業主婦」や「学生」、「無職」とした就業していない人、または、就業していても仕事で一般の消費者・利用者と接する接客業務に従事していない人
- ※接客業務従事者の定義:就業しており、仕事で一般の消費者・利用者と接する接客業務に従事している人