置き配バッグを玄関に置いたら…再配達率43%削減に成功
物流系ITベンチャーのYper(イーパー)が、宅配荷物を玄関先などに保管する置き配バッグ「OKIPPA(オキッパ)」の実証実験を実施し、再配達率を約43%削減したと8月31日に発表した。
都内100世帯で実証実験
実証実験は2018年7月7日から8月11日まで、東京23区内の100世帯で実施した。Twitterで公募した100世帯に「OKIPPA」を配布。参加者の男女比率は男性44%、女性56%。年代は30~40代が中心だった。6割以上が集合住宅。
実証実験の参加者は、「OKIPPA」を利用する以前、宅配ボックスがない環境で再配達率が59.2%だった。
実証実験の結果、「OKIPPA」を利用することで再配達率は15.9%まで下がったという。試験期間中に参加者が「OKIPPA」で受け取った荷物は合計337個。
「OKIPPA」とは
実証実験で「OKIPPA」の有効性が確認できたことから、製品版を9月中旬から展開するとしている。
「OKIPPA」は、置き配バッグを自宅の玄関前に設置し、専用アプリ「OKIPPA」で配送状況などを管理する。バッグの容量は57リットル。専用ロック、内鍵、専用バンドなどがセットになっている。
Amazonと楽天のアカウントのほか、Gmail(Amazon、ユニクロ、ZOZOTOWNに対応)をアプリ内で連携すると、購入した商品の配送状況を自動で取り込む。
配送会社はヤマト運輸、日本郵便、佐川急便、西濃運輸、Amazonデリバリープロバイダー各社、楽天EXPRESSに対応。配送が完了すると通知を受信するほか、再配達依頼も「OKIPPA」アプリから行う。
政府は再配達率13%めざす
国土交通省が実施した宅配便再配達率の定点調査によると、2018年4月度の再配達率は15.0%だった。再配達率は「都市部」が16.4%、「都市部近郊」が14.3%、「地方」が12.6%となっており、都市部の再配達率は相対的に高い。
政府は2018年1月にまとめた「総合物流施策推進プログラム」で、宅配便の再配達率を2020年度に13%程度まで削減する目標を設定している。