これからのECサイトに求められるバックヤードとは? 1200社導入の「CROSS MALL」が語る
1200社超のECサイトが使う在庫・受注・発注・仕入管理・商品登録などのASP型一元管理システム「CROSS MALL」(開発・販売はアイル)。導入企業は、モール出店企業からショッピングカート用企業、スクラッチで作ったECサイトを運営する大手流通・メーカーなど幅広い。SILVER BULLET(シルバーバレット)などの有名店から中小まで多くの企業に支持される理由を探った。
「自由度は高く、けど更新性も高く」を追求したEC特化の新CMS概念
仕様変更にも迅速・適切に対応できるバックヤード作りを
「CROSS MALL」はASP型の一元管理システムで、「モールやプラットフォームの戦略や転換に伴う仕様変更に、導入企業の負荷や業務変更を最小限に抑えた対応ができるのが特徴」と本守崇宏氏(CROSS事業部 マネージャー)は言う。
モールやプラットフォームはさまざまな戦略を打ち出し、事業移転等による転換に伴い頻繁な仕様変更を行う。カスタマイズできないモデルではあるが、企業規模や取扱商材に関わらず、その企業の運営に沿ってバックヤードを構築できるように柔軟な設計となっている。その柔軟さがモールやプラットフォームの仕様変更にも生きているのだ。
たとえば、法人向けとして始まった「Amazon Business」への対応は、法人からの注文の場合でも、他モールやプラットフォームと同様の受注処理が可能。「Wowma!」の管理画面が大きく変わった「Wow!manager」への移行も、「CROSS MALL」の商品複製機能を生かし、移行の手間を最小限に抑えている。
さらに、移行期間の真っ只中である楽天ペイ(楽天市場決済)への対応(図1を参照)。不備のない注文であれば、注文を自動で取り込み(①)~(④)の発送承認までを全て自動で処理する。本来は楽天ペイへの移行で作業フローが大幅に変わるが、「CROSS MALL」導入店は設定によって作業フローに大きな変化を起こすことなく、受注処理が可能となる。
その仕様変更への対応によって、基幹システムと、スクラッチやECパッケージなどで作ったECサイトを連携するための独自システムを開発し、仕様変更の度に数十万円といった開発コストを払っていた企業からの引き合いも急増している。
バックヤードをおろそかにしたら成長できない
テクノロジーが進化するスピードは早く、その対応が今後のECサイト運営を左右するといっても過言ではない昨今。店舗を含めたチャネルの多様化や在庫管理、問い合わせ対応などバックヤードの重要性は増すばかり。「顧客と最も近い距離にいるバックヤードをないがしろにするECサイトは成長できない」と口をそろえるEC事業者も増えている。
バックヤードの重要性を啓蒙するため、バックヤード担当者を表彰するなど、ECバックヤードに光を当てるイベント「バックヤードフェス」の開催、バックヤード担当者にフォーカスしたWebメディア「B.Y」も運営する。マーケティングの前線にいるスタッフには気付かない観点や発想、顧客の声をECサイト運営に生かせる業界になってほしい――こんな思いが込められている。