アマゾンの「Alexa」やグーグルの「Google Assistant」のような音声認識サービスを使って買い物する消費者はまだ多くはありませんが、ブランドがより魅力的なアプリを作るようになれば、状況は急速に変わるでしょう。今回は、小売事業者とブランドが今後1年で音声サービスの収益化を加速するための3つのヒントをご紹介します。

人工知能、データ収集、クラウドコンピューティング、IoT(Internet of Things/モノのインターネット)の進歩のおかげで、ボイスコントロールは、人間と機械の触れ合いを可能にする次の大きな進化と言えるでしょう。

Voicebotの調査によると、アメリカでは5,000万人近く(成人のおよそ5人に1人)がスマートスピーカーを所有しているそうです。これは専用デバイスのみの数です。さらに25億台のデジタルアシスタントが、スマートフォンやスマートカーインターフェイスを含むすべてのデバイスで使用されました。私たちは声を使って買い物したり質問したり、一流ブランドの顧客サービスを受けたりしているのです。

サブスクリプションブランド、食料品店、化粧品ブランド、そしてリピート購入する人にとって、音声技術はますます重要になるでしょう。RBC Capital Marketsは、「Alexa経由の音声ショッピングだけで、アマゾンは2020年に50億ドルの収益を上げるだろう」と予測しています。

ブランドは、直感的な商品レコメンド、アップセル、詳細な店舗情報などによって、現在の一方通行の会話を変えることができます。スターバックス、ダンキンドーナッツ、ピザハットなどのレストランはすでに始めています。これらの企業は、消費者が音声で注文できるようにしています。旅行会社のExpediaとKayakも最近、同様の音声機能を発表しました。

企業がこれらのイノベーションを実行し、新たな収益源を開拓することによって、この流れはさらに加速していくでしょう。

Alexa、私に何か買って!

音声アシスタントはすでにリピート購入に使用されています。日々の生活の中で、私たちは家で必要なものを覚えています。多くの人は、料理の材料、掃除用品、トイレタリー、衣類などを、買い物リストやカートに追加するだけです。

しかし、現在の音声検索で提示される商品カタログは面白みに欠け、総合的でも魅力的でもないカスタマーエクスペリエンスになっています。例えば、スマートスピーカーでトイレットペーパーを注文する場合、音声が提示する選択肢は1度に1つだけ。ですから、テキスト検索よりも音声検索の方が検索結果でトップになることが重要なのです。

「Facebook Portal」や「Echo Show」など、多くのスマートデバイスには画面があります。2018年末には約870万台のスマートディスプレイが市場に出回りましたが、その数は年初の130万台から劇的に増加しました。画面があると、よりダイナミックな結果を表示できます。

ブランドがこれらの技術と顧客データを組み合わせれば、真のつながりが生まれるでしょう。そのつながりが、かご落ちの問題を解決し、広告エンゲージメントを増やし、音声技術の収益化を可能にするのに役立つはずです。例えば出版社のSimon & Schusterが提供するAlexaのスキル「Stephen King Library」は、読者に質問をしてその人にぴったりのスティーブン・キングの小説を提案します。

2020年の音声サービス収益化の方向性

会話型広告と音声検索は進歩し始めています。2020年までに、一方通行のマーケティングを双方向コミュニケーションに変えるでしょう。広告で顧客と話をするのではなく、条件に合った完璧な会話を提供できるようになります。2020年末までに音声サービスの収益化を促進するヒントをいくつかご紹介しましょう。

1. 音声アシスタントは顧客のすべてを知っています

消費者はすでに音声アシスタントから基本的なカスタマーサービスを受けることができますが、すぐによりシームレスな双方向の会話ができるようになります。チャットボットは顧客の好みやプロフィール、購入履歴に基づいて価値ある情報を提供し、より直感的な商品レコメンドを行えます。

そのためには、双方向の会話を作ることに焦点を当ててAIに投資する必要があります。データ追跡によって、総合的な顧客プロフィールが作成されるでしょう。テキストと音声のキーワードの変化に注意してください。話し言葉と書き言葉は、考えている以上に違うのです。

2. 音声はWebのナビゲート方法を変えます

一般的に音声の利用が増えればエンゲージメントとブランドロイヤルティは高まると言われていますが、音声サービスに参入しない限りどちらも高まりません。カスタマーエクスペリエンスは急速に進化しており、2019年にもすでにいくつかの大きな変化があります。例えば、ウォルマートは4月にグーグルと提携し、同社のプラットホーム上で食料品の再注文を可能にしました。キーワードを使わずに卵や牛乳、パンなどを購入できるので、キーワードに影響を与えることになります。

Adobeの調査によると、企業の76%は2020年までに、一方通行のマーケティングを双方向コミュニケーションに変えるでしょう。音声が差別化要因になると考えているようです。

3. 音声技術はすべてのチャネルで利用できます

音声アシスタントはビッグデータの頂点であり、長年に渡って消費者から収集したすべての情報を利用し、エクスペリエンスをパーソナライズできます。すべてのビジネスのタッチポイントや提携先を音声とAIのチャネルに結びつけることで、双方向の会話が生まれるのです。

ブランドは、購入後だけでなく、購入前に音声によるヘルプを利用できるようにすることで、カスタマーエクスペリエンスの向上を目指します

ホテルチェーンのMarriottは、すでに5つのホテルでAlexa対応デバイスを使用しており、HyattもゲストにGoogle Assistantへの統合アクセスを提供しています。これらのアシスタントは、現代的なスマートホームの雰囲気を作り出し、アナログの競争においてホテルに優位性を与えています。

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音声技術には多くの可能性があります。現在は主なショッピング手段としては使われていませんが、徐々に使われ始めています。この技術を使用して消費者を支援する方法を理解しているブランドは、確実に多くの収益を生み出すことでしょう。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア「Internet RETAILER」の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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