声を通じて買い物をする音声ショッピング、いわゆる「Vコマース」が当たり前になる時代がやってきそうです。米国では、Amazon(アマゾン)が「Amazon Alexa」、Googleは「Googleアシスタント」というクラウドベースの音声認識サービスを通じ、音声ショッピングを実現させています。

日本でも「Amazon Alexa」を通じて「Amazon.co.jp」での買い物はもちろん、最近ではアマゾンの決済サービス「Amazon Pay」対応の「Alexaスキル」(クラウド内で実行されるアプリ)を通じて自社ECサイトで音声ショッピングができるようになりました。米国での音声ショッピングの現状を踏まえ、「Vコマース」の可能性を探ってみます。

遂に到来した「Vコマース」時代

米国では1994年にEC(e-commerce)がスタート。モバイルコマース(m-commerce)は2006年に始まり、そして2017年、「Vコマース」(v-commerce)が登場しました。

調査会社eMarketerが2017年に発表した調査結果によると、2017年は5520万人が「Google Home」や「Amazon Echo」といったスマートスピーカーを使用。2018年は6240万人が利用すると予測しています。

ミレニアル世代 (1981年~2000年 生まれ)
ジェネレーションX (1965年~1980年 生まれ)
ベイビーブーマー (1945年~1964年 生まれ)	ミレニアル世代	ジェネレーションX	ベイビーブーマー2016年	23.3	13.4	8.62017年	29.9	15.6	9.72018年	35.8	16.7	9.92019年	39.3	17.2	10.1
デジタルアシスタント搭載のスマートスピーカーを少なくとも1か月に1度使う割合の年代別推移(2016年~2019年)
出典:「eMarketer」の調査結果をもとに編集部で作成

調査会社のComscoreは、2020年までにすべての検索の50%が音声検索に変わると予測Gartnerは2020年までに検索行動の3割が音声になると考えています。そして、その流れはコマースにもやってきます。

コンサルティング会社のOC&C Strategy Consultantsが2018年に公表した資料によると、音声ショッピングの市場規模は2022年には4000億ドルに拡大すると予想食料品、エンターテインメント、エレクトロニクスといったカテゴリが特に音声ショッピングで購入される割合が高くなると見込んでいます。

そして日本でもスマートスピーカー「Amazon Echoシリーズ」に「Amazon Echo Spot」といったスクリーン搭載のスマートスピーカーが登場。従来、音声だけでしか確認できなかった注文情報が、スクリーンを通じて視認できるようになりました。つまり、音声を通じて注文した後、スクリーンで商品情報を確認して、声で注文確定をするといった確認作業ができるようになったのです。

日本では2018年6月20日に「Amazon Echo Spot」が登場しました
新登場 echo spot
日本では2018年6月20日に「Amazon Echo Spot」が登場しました

AmazonやGoogleはなぜ音声を通じた検索や商品購入に力を入れているのでしょうか? 先にも紹介したように、来たる「音声検索」「音声ショッピング」の時代に備え、いち早く先行者利益を獲得するためです。つまり音声領域においても“インフラ”になろうとしているのです。これは、米国でも言われている次のような言葉に集約できることでしょう。

1994年当時、将来はスマートフォンがECの中心的な買い物端末になるとは誰もが考えていなかった。同じ状況が今、音声ショッピングにも起きている

米国ではプラットフォーム型でGoogleが音声ショッピングを展開

米国、日本でも音声ショッピングではアマゾンが先行していますが、Googleの動きも目を離せません。

Googleは2016年5月に米国でスマートスピーカー「Google Home」を発売し、2017年春には音声認識によるEC機能を「Googleアシスタント」に追加。Walmart 、Costco Wholesale、Targetなど大手小売業者などがグーグルの音声認識デバイスを通じた商品販売を行っています。

グーグルの音声ショッピング機能は、もちろんグーグル本体が商品販売を行うわけではありません。「Googleアシスタント」のEC機能を活用する小売業者は、同時に「Google Express」(グーグルエクスプレス、グーグルが提供する食品などの即日宅配サービス)プログラムに参加しているのです。

Google Expressのイメージ
Google Expressのイメージ (画像はGoogleのブログからキャプチャ)

「Google Express」はプラットフォームサービスで、掲載した商品に注文が入るとグーグルがプログラムに参加している小売店へ商品を受け取るために出向き、そしてそれを消費者に配送する仕組みです。PCやモバイル向けで展開していましたが、それを音声にも対応させたのです。

「Google Home」の音声アシスタントを通じた音声ショッピングのイメージ(画像はGoogleのサイトからキャプチャ)

直近では2018年3月にGoogleが新しい動きを見せました。それは、「Googleショッピング」の新しい機能「Shopping Action(ショッピングアクション)」です。

「Shopping Action」は、モバイルとPC、Google Express、Google Assistant、Google Homeなどでの検索結果に商品情報を掲載し、商品購入までをサポートする広告商品。従来型のクリック課金ではなく売上課金型の広告で、より小売企業のビジネスモデルに沿った広告サービスとなっています。

音声ショッピングに関して特徴的なのが、「Googleアシスタント」を使った音声検索によって「Google Express」などで商品を簡単に買い物ができるようになるユニバーサルショッピングカートを使用していることです。

このユニバーサルショッピングカートは、モバイルやPC、「Google Home」などからアクセスしても、簡単に購入できるようにするカート機能。1クリックによる商品の再購入などを実現するというものです。

グーグルが提供する売上課金型の新しい広告「Shopping Action(ショッピングアクション)」のイメージ
グーグルが提供する売上課金型の新しい広告「Shopping Action(ショッピングアクション)」のイメージ(画像はグーグルのブログからキャプチャ)

このように、Amazon、Googleの取り組み、そして市場調査を見ても、音声がネット通販で活用されていく可能性が高いことがおわかりになるのではないでしょうか。2019年以降、米国はもちろん、日本での「Vコマース」の動きには注視していきましょう。

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