2兆円を超えた2019年のネット広告費――動画広告費、運用型、SNS広告などの内訳は?
電通、D2C、サイバー・コミュニケーションズ(CCI)、「2019年 日本の広告費」で公表したインターネット広告媒体費の内訳を、広告種別、取引手法別などの切り口で分析し、2020年の予測を加えた「2019年 日本の広告費 インターネット広告媒体費詳細分析」を発表した。
2019年の総広告費6兆9381億円のうち、「インターネット広告費」は2兆1048億円(前年比19.7%増)で、全体の30.3%を占めている。そこから「インターネット広告制作費」および「物販系ECプラットフォーム広告費」を除いた「インターネット広告媒体費」は、1兆6630億円(同14.8%増)。
1兆6630億円のうち構成比が高いのは「検索連動型広告」(40.2%)と「ディスプレイ広告」(33.3%)で、合わせると7割を超える。
「ビデオ(動画)広告」は前年比57.1%増の3184億円と大きく伸長し、全体の19.1%。「成果報酬型広告」(6.3%)、「その他のインターネット広告」(1.0%)と続く。
インターネット広告媒体費を取引手法別に見ると、現在の主流となっている運用型広告は1兆3267億円(インターネット広告媒体費全体の79.8%)。次いで予約型広告(同13.9%)、成果報酬型広告(同6.3%)の順。運用型広告は前年比15.2%増、予約型広告も同17.4%増となり、いずれも2ケタ成長だった。
取引手法別×広告種別では、運用型の検索連動型広告が全体の40.2%と最も構成比が大きく、次いで、運用型のディスプレイ広告が24.2%と続いた。運用型のディスプレイ広告が微減となった一方、ビデオ(動画)広告は運用型(前年比45.1%増)も予約型(同129.4%増)も大きく伸長した。
ソーシャルメディア上で展開されるソーシャル広告は前年比26.0%増の4899億円と高い成長率で推移し、インターネット広告媒体費全体の29.5%を占めた。ソーシャルメディアの種類別に「SNS系」「動画共有系」「その他」に分類すると、「SNS系」が2280億円で最も規模が大きく、「その他」が1480億円、「動画共有系」は1139億円だった。
2020年のインターネット広告媒体費は前年比11.0%増の1兆8459億円となり、近年と比較して成長率がやや鈍化するものの、引き続き成長が続くと予測している。ビデオ(動画)広告は2020年、3597億円まで拡大する見込み。2019年の成長率に比べるとやや緩やかになるものの、同13.0%増と伸長し3597億円まで拡大すると見ている。
調査概要
- 調査主体:D2C/サイバー・コミュニケーションズ(CCI)/電通/電通デジタル
- 調査時期:2019年12月~2020年2月
- 調査方法:以下の調査に基づき、推定作業を実施
- インターネット広告媒体社等を対象としたアンケート調査(郵送調査/web調査)
- 同、追加ヒアリング調査
- 各種データ収集・分析