ECサイトの集客施策で重要な「SEO」とは? メリットやデメリット、コンテンツSEOのコツを解説
ネットショップ・ECサイトを運営する上で、悩みの1つとして多くあげられるのが「集客」です。特に始めたばかりのショップは、流入経路がほとんどないため、まず最大の課題と言っても過言ではありません。
その集客の中でもポピュラーな手法として知られているのが「SEO」と呼ばれる集客方法です。ですが、実際にSEOとはどんなものなのか? 具体的に何をすればいいのか? と疑問をお持ちの方も多いでしょう。
そこで今回は、ネットショップ運営者必見のSEO施策の解説と、オススメの方法「コンテンツSEO」についてご紹介します!
そもそもSEOって何?
SEOとは「Search Engine Optimize(サーチエンジンオプティマイゼーション)」の略称で、検索エンジン最適化とも呼ばれます。
「SEO施策」とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの検索結果で、自分のサイトを上位に表示させるために行う施策を指します。
数あるWeb集客手法の中でも最も主流な方法として知られています。
SEOのメリット
- 広告費をかけなくても流入を獲得できる無料の施策
- うまくいけば他の施策よりも集客力が高い
- KW(キーワード)によっては購買意欲の高いユーザーを集客できる
- リソースを資産として残すことができる
- 中長期的に継続した流入が見込める
- ブランディング効果を高めることができる
SEOのデメリット
- 成果が出るまでに時間がかかる
- 検索エンジン(Google)のアルゴリズム変動によって順位が変わる可能性があるのでこまめにチェックする必要がある
- SEO施策をしても必ず効果が出るわけではない
ネットショップ・ECサイトでSEOは難しい?
キーワードにもよりますが、ネットショップのTOPページやカテゴリーページ、商品ページにおいては、よほどニッチなジャンルでない限りSEO施策で検索上位をとるのは非常に難易度が高いのが現状です。
なぜなら、購入につながるキーワードは楽天市場やYahoo!、Amazonといった有名ショッピングモールやサイトが上位を占めているほか、ネットショップのTOPページやカテゴリーページではSEO施策も限られます。その他さまざまな要因により、有名どころを抑えて検索上位に食い込むのはとても難しいのです。
※ただし、ニッチなジャンルで競合がほとんどいない場合や、自社ブランド名・商品名が固有名詞で検索されることが多い場合は、ショップや商品ページも検索上位にのる場合があります。
ネットショップがSEO施策で集客をするのは本当に難しいのでしょうか? そこで、ネットショップにオススメのSEO施策「コンテンツSEO」をご紹介します。
ショップやECサイトに独自の記事コンテンツを作る「コンテンツSEO」
基本的にネットショップ・ECサイトでは、商品ページが主なコンテンツになりますが、それとは別に「検索キーワード」を狙った記事・コラム風のコンテンツページを作ってSEO施策を行う、通称「コンテンツSEO」がオススメです。
コンテンツSEOって何?
ユーザーの悩みを解決する情報・ノウハウなどを紹介した有益な記事コンテンツを作成し、検索エンジン上位を狙って集客をする方法です。コンテンツマーケティングの1つとも言われ、現在ネットショップをはじめとした多くの会社において、王道のWeb集客方法として活用されています。
また、読み物や写真を使ったコンテンツを通じ、ユーザーと複数回コミュニケーションをとることで、商品の購入イメージを膨らませて購買へつなげられるといったメリットもあります。
ショッピング機能だけでなく記事コンテンツも取り扱っているネットショップは「メディアEC」とも呼ばれています。
コンテンツページってどんなものを作ればいいの?
- ショップのジャンルに関連する、お役立ち情報を載せた記事・コラムコンテンツ
- ショップの情報を発信するブログコンテンツ
などが主になります。ユーザーにとって有益なコンテンツを作ることはSEO施策的にも効果があるだけでなく、ショップのブランディングやファン作りにも有効です。
また、コンテンツ作成には価格のインパクトや商品の話題性に関わらず
- 独自のコンテンツを通してショップや商品の魅力を伝えられる
- 読者(来訪者)をそのままファン(購入者)にできる
- コンテンツを起点としてショップに興味・愛着を持ってもらえる
といったメリットがあげられます。
一方で、コンテンツ作りや情報発信といった業務により、スタッフのリソースが奪われるデメリットもあります。コンテンツを発信し続けるためには多くの時間と労力が必要になるため、取り組むショップさんが多い反面、途中で挫折してしまうショップさんも多いのです。
どこにコンテンツページを作ればいいのか
ショップの環境や状況によってコンテンツページを作る場所は変わってきます。さまざまなパターンで紹介していきましょう。
ショップ内に記事コンテンツページを作れる機能がある場合
この場合、特別な作業の必要はなく、ショップ内にコンテンツを作ることができます。商品ページとは違うカテゴリーを作り、そこに記事・コラムコンテンツを作成していきましょう。
ですが機能によっては、HTMLや記事のデザインを作成するノウハウが求められる場合があります。
ショップにコンテンツページを作る機能がない場合
この場合は、コンテンツページを作るための環境を用意する必要があります。少々手間がかかりますが、下記の手段で環境を作るパターンが多いです。
- ショップのドメイン内(サブディレクトリ)にブログ作成機能を持ったツール(WordPressなど)をインストールし、ブログを作って運用する。
- ショップのサブドメインまたは別ドメインを取得し、ブログ作成機能を持ったツール(WordPressなど)を使ってショップのオウンドメディア(ブログサイト)を作り、そこで記事・コラムコンテンツを作成。オウンドメディア(ブログサイト)からショップに流入を促す。
1の場合、そのままネットショップと同じドメインでの運用となるため、ショップとしての認知がしやすいですが、2の場合はドメインが少し変わるため、厳密にはショップとは別サイトでの運用になります。
また、2に関してはオウンドメディア(ブログサイト)でコンテンツSEOを行って集客し、ショップに流入をさせることになるため、少し遠回りになってしまいます。
コンテンツSEOを行う上で、大切な4つのポイント
1. 自分のショップのジャンルに絞ってコンテンツを作ることが大切
コンテンツSEOを行う際は、必ず自分のショップで扱っている商材ジャンルに沿ったコンテンツを作成しましょう。なぜならサイトの専門性や網羅性も、SEOの評価のポイントになっているからです。
例えば、もしあなたがメンズファッションのセレクトショップを運営しているとします。その場合、作るコンテンツの内容は
- 取り扱っている商材(シャツやジャケット)の着こなし方
- コーディネートの仕方
- アイテムのお手入れの仕方
などを解説したものが「商材ジャンルに沿ったコンテンツ」と言えます。
もちろん、自社で扱っている商材のジャンルなら、コンテンツを作りやすいというメリットもあります。
コンテンツを作る際、どんなものを作っていくべきか迷う方も多く、中には好きなことだけを書いてしまうケースも見られますが、まずは自社の商材ジャンルに絞ってコンテンツを作っていきましょう。
2. ロングテールキーワードを狙っていこう(キーワード選びは大切)
SEOを行う上では、キーワード選びがとても大切です。キーワードには種類があり、「ビッグキーワード」「ミドルキーワード」「スモールキーワード」「ロングテールキーワード」といった検索ボリューム(検索される数)に応じたキーワードの種類が存在します。
ネットショップでコンテンツSEOを行う際は、まずはロングテールキーワードを選んでコンテンツを作ってみましょう。
ロングテールキーワードとは「メンズ チェックシャツ ボトムス 組み合わせ」などのように、複数の単語を組み合わせて検索されるキーワードのことを指します。
複数の単語を組み合わせたキーワードは、月間の検索数が少なく、検索の意図が明確なものが多いという特徴があります。また、競合が少なくSEO的な難易度が低いことから、成約(ネットショップの場合は購入)に結びつく可能性も高いです。
逆に1つの単語のみで検索される「ビッグキーワード」は、月間の検索数が非常に多く、このキーワードで検索上位をとれると大きな集客が見込めます。
集客だけを考えるなら、検索されるボリュームの多いビッグキーワードを狙ってコンテンツを作るほうが一見よさそうですが、狙うライバルの多さから激戦区になりやすい特徴があります。そのため難易度が非常に高く、上位をとれたとしても膨大な時間がかかってしまう可能性があるなどの問題があります。
そこで、競合が少なく難易度もそこまで高くないロングテールキーワードを狙うことで、SEOの成果が出やすくなるうえ、上位をとればそこから継続的に集客をすることができるのです。
こういったコンテンツSEO戦略は、ロングテールSEOとも呼ばれています。
3. お客さまのためになる良質なコンテンツを作ることを意識しよう
ジャンルやキーワード選びは非常に重要であることを解説しましたが、それだけではコンテンツSEOは成功しません。狙ったキーワードの検索順位で上位をとることができなければ、サイトへの流入は発生しないからです。
では、どんなコンテンツが検索上位をとれるのかというと、それは「良質なコンテンツ」に尽きます。Googleでは、下記のサイトで良質なコンテンツに関するヒントを出していますので、ぜひチェックしてみてください。
上記のサイトでも説明されていますが、良質なコンテンツとは、要約すると「検索ユーザーのニーズを満たしたコンテンツ」です。
Googleウェブマスター向け公式ブログの「Google のコア アップデートについてウェブマスターの皆様が知っておくべきこと」ではこのように書かれています。
- コンテンツは、特定のトピックに対して包括的または完全な説明を十分に提供しているか?
- コンテンツは、あたりまえのことだけでなく、洞察に富んだ分析や興味深い情報を含んでいるか?
- 見出しやページタイトルは、内容を説明する有用なものになっているか?
- ブックマークしたり、友人と共有したり、友人にすすめたくなるようなページか?
- コンテンツは、トピックに関して明らかに充分な知識を持つ専門家や愛好家によって書かれているか?
- 検索結果の他のページと比較した場合、コンテンツは十分な価値を提供しているか?
- コンテンツは、サイトの訪問者が本当に求めるものを提供しているように思えるか? あるいは、検索エンジンで上位に表示するためだけを狙って作成されたように思えるか?
参考:Google のコア アップデートについてウェブマスターの皆様が知っておくべきことより一部抜粋
これらの問いかけは、チェックリストとしても使えますので、コンテンツを作る際の参考にしてみてください。
4. 認知・集客・ファン作りの役割が強いので、あくまで売り込みすぎはNG!
自分のショップに関わるジャンルとなると、コンテンツを作る際には自社商品をついつい紹介してしまいがち。
ですが、コンテンツSEOは、あくまでキーワードを狙ってコンテンツを作る手法にすぎません。SEOで流入してくるユーザーは、基本的にあなたのショップの商品を買いたくて訪れるというより、悩みの解決方法を知りたくて検索し、コンテンツを見に来ている方がほとんどです。
そのため自社商品をたくさん紹介してしまうと、強引に売り込まれていると捉えられ、不信感を与えてしまうだけでなく、サイトからの離脱につながってしまいます。
売り込むことが一概にNGとは言えませんが、紹介の頻度を減らす、売り込みを感じさせないような見せ方をしてみるなど、工夫することが大切です。
まとめ:ネットショップ・ECサイトでSEO施策を行うなら、コンテンツSEOがオススメ
今回は、ネットショップのSEO施策としてオススメな「コンテンツSEO」について解説しました。
ネットショップを運営していくうえで、SEO施策がうまく働けば集客面での大きな助けになります。
また、商材ジャンルに関連したコンテンツは、SEO施策だけでなく、サイト上に出しておくだけでも独自のコンテンツとしてお客さまに楽しんでもらえたり、メルマガ施策などに流用できたりと、多くのメリットを持っています。
打ち手の1つとしてぜひコンテンツを作ってみましょう。
この記事はカラーミーショップの公式Webメディア『よむよむカラーミー by GMOペパボ』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。