ロクシタンジャポン、アイスタイル、ヒョンデ・モビリティ・ジャパンの成功事例に学ぶ! ライブコマースの最前線を解説
ライブ配信アプリ「17LIVE」を運営する17LIVEは、ライブコマースソリューション「HandsUP(ハンズアップ)」の成功事例など2022年のライブコマースを総括するイベントを2022年12月に実施、ロクシタンジャポン、アイスタイルリテール、韓国製の自動車をECで販売するHyundai Mobility Japan(ヒョンデ・モビリティ・ジャパン)のライブコマース担当者が登壇した。
ライブコマースの“勝ちパターン”など各社の工夫をひもとく
ロクシタンジャポン、Hyundai Mobility Japan、アイスタイルリテールは「HandsUP」を活用してライブコマースを実施中。次のようなトピックスを中心に各社の担当者がディスカッションした。
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香りのイメージを視覚的に“見せる”
ロクシタンジャポンの西岡氏は「オンライン上で商品の香りやテクスチャーを伝えるのは難しい」としつつ、たとえば「ラテにオレンジピールを刺して飲んで見せ、『こんな香りのイメージです』と視覚的に伝えるなどと工夫している」と説明。ライブコマースにおける“勝ちパターン”がわかってきたと言う。
配信では商品の紹介だけではなく、リスナー参加型の企画も実施。製品の香りやテクスチャなどオンラインでは伝わりづらい部分も、より分かりやすく伝わるように出演者とディスカッションをし、エンターテインメント性を持たせた演出を行うことで、商品のイメージをユーザーに身近に感じてもらうことを意識した。ライブコマースが商品の販路拡大に貢献できたと考えている。
2023年以降は、ブランドストーリーを伝えられるような配信を行っていくなど、新しい取り組みにも挑戦していきたい。
高額品はライブコマースを見るだけでもエンタメ!?
高価格帯の商品である電気自動車を販売するヒョンデ・モビリティ・ジャパン。17LIVEの村井氏は「視聴者にとって、高額品のライブコマースは見るだけでもエンターテインメント」だと評価する。
ヒョンデ・モビリティ・ジャパンのライブコマースは、メインのターゲット層だけにとどまらず、熱心に視聴している70代の顧客もいる。ヒョンデ・モビリティ・ジャパンの佐藤健氏は「必ずしも『ライブコマースといえばZ世代』ということはない」と話す。
他の自動車メーカーが行っていないライブコマースにチャンスを感じ、2022年から取り組みをスタートしたところ好評を得た。すでに「IONIQ 5」(販売している電気自動車)を購入したお客さまが私たちの代わりにたくさん回答を投稿してくれたことで、さらにコメントが活発になるなど配信が盛り上がった。
「ファン同士の盛り上がり」も好評の要因の1つ。リアルタイムでやり取りができるライブコマースは可能性が大きい。まだチャレンジしていない業界の企業でも、やり方次第ではチャンスがあるのではないかと強く感じている。
美容部員のファン化促進
アイスタイルでは、ライブコマースをきっかけに、出演している美容部員のファンになる視聴者が増えている。
12月1~3日に実施した化粧品ECのセールイベント「@cosme BEAUTY DAY」の販促では、「自分が何を買っていいかわからない」といったユーザー向けに背中を押すようなライブコマースを意識したという。
美容部員がもっとも輝き、お客さまへの満足度を高める場所の1つがライブコマース。美容部員のファンになるリスナーが増えている。
一方で、比較的ライブコマースに商材としてマッチしている化粧品領域でも、ライブ視聴をしてその場ですぐに購入するという文化がまだ根付いていないと感じている。「ライブ配信を見てモノを買う」という文化形成を世の中にどう作っていけるかが、今後の長期的な課題。
カギは視聴者の「観る理由」「買う理由」を明確にすること
17LIVEの村井氏は、“商品の即納品”などのインセンティブをはじめとした「商品を購入する理由」を明確にすることで、どんなブランドでもファンの獲得につなげることができると指摘している。
「これまで顧客開拓は電話で行っていた」など1つのチャネルしかなかった企業でも、ライブコマースを使ったことで初めて直販にチャレンジするなど、ライブコマースが販売方法のDX化に寄与した事例もある。
ライブコマースは、年齢を問わず、視聴者も配信者も誰もが楽しめる文化だと思っている。