政府・与党が越境ECの少額輸入貨物の優遇見直しへ。課税価格1万円以下の少額輸入貨物の免税制度の在り方を検討

海外から輸入する課税価格1万円以下の少額物品(一部除く)の税制優遇について、政府・与党が見直しに着手する。

瀧川 正実

1月27日 10:00

政府・与党は、少額輸入貨物の免税制度の見直しに着手する方針だ。与党が2024年12月に公表した「令和7年度税制改正大綱」に「国境を越えた電子商取引に係る消費税の適正化」という項目を盛り込んだ。海外からの少額輸入貨物の消費課税の在り方を検討していく。

現在、海外から輸入する課税価格1万円以下の少額物品(一部除く)は、納税者と税関双方の事務負担の軽減を図る目的で、関税と消費税、地方消費税が免税されている。

この状況を踏まえて政府・与党は、「適正な課税や国内外の事業者間の競争上の公平性の確保に課題が生じている」と説明。事業者間の公平性や通関実務への影響などを考慮した上で、海外からの少額輸入貨物の消費課税の在り方を検討していくという。

近年、日本の消費マーケットではシンガポールに本社を置くSHEIN Groupが運営する「SHEIN(シーイン)」、中国発の越境ECプラットフォーム「Temu(テム)」が台頭。アリババグループ傘下で国際EC事業を担うAlibaba International Digital Commerce Group(アリババ インターナショナル)も2024年、日本市場向けの越境ECアプリ「TAO(タオ)」をリリースした。

独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)が公表した資料によると、中国から輸入した小口貨物は2023年に15億2500万ドルで前年比86.1%増、2024年1-6月は9億4500万ドルで前年同期比27.2%増。日本の事業者からは、「SHEIN」「Temu」といった海外の越境ECサービスが、関税の減免などにより価格競争上の優位性でユーザーを獲得しているという指摘があがっている。

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